だらしない黒田・日銀だ。また6回目の2%物価目標の先送りを決め、「19年度ごろ」と言い出した。これでは2012年の白川・日銀の方が良かったのではないか。日銀の金融政策も政府の意向が入ってくると本来の政策の効果が薄くなるか。
日銀の決定会合では、景気は拡大しているが物価が動かず、デフレ意識も強い上に値上げが難しいと言う。物価は19年度1.8%、成長率は19年度0.7%を見込んでいる。
19年度、物価を1.8%と見ているので2%も目前と言うことか。
それでも経済は「拡大に転じつつある」から「緩やかに拡大している」と表現が替わった。素人にはどっちでも良いことだが日銀にとっては表現の差で評価が大きく替わるのだろう。
こう言う状況は2012年の白川・日銀総裁時を思い出す。白川さんの方が状況をしっかり見ていたのではないか。
2012年2月の日銀決定会合では「物価上昇を当面1%とし、達成すると次を考える」として2,4月に追加緩和した。金利も11年度0%、13年度は0%後半を予定、貸出金利も1.1%と先進国中央銀行では最も低かった。
当時の通貨供給量は低いと野田政府、自民党から追及されていたが日銀には「銀行券ルール」というものがあり、「国債保有は世の中に出回る銀行券の量まで」と日銀自身が自主規制していたが2012年末には上限を超える状況だった。
そこで2010年に包括金融緩和策で「基金」を通じて国債を買い入れ市場のチェックを受けやすくしていた。
量的緩和も日銀は他の中央銀行と較べ、前から実施していた。欧米の中央銀行は日銀の政策を参考にしたのだ。白川総裁がFRBに「日銀を見習え」と行った時FRBは「他国のことに口出しするな」と批判したのを覚えている。
当時の日銀は、国債価格の安定は財政再建の意思と能力を持っていると投資家が見ていることと考えていたようだ。だから財政健全化は重要である。今、安倍政権は財政再建と財政出動と相反する政策をとろうとし四苦八苦している。
日銀の政策判断は「長い目で見た経済と物価の安定を図る」ことにあるのだが、最近は【’物価の安定】が主要テーマになった。先頃日銀のOBの人たちと話したことがあるが「経済の安定」が日銀の目標からなくなったとぼやいていた。確かなことは分からないが政府に横取りされたのか。
日銀の金融政策に政府の意向が入ってくるとろくな事がない。政府の政策に左右されない日銀の独立性を保たなくてはならないのではないか。そういう意味からも量的緩和縮小、出口戦略を議論すべきである。
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