西浦教授の新規感染者数のシムレーション 2021.8.25テレビ朝日 報道ステーションより |
緊急事態宣言の拡大での24日の記者会見、分科会尾身会長の国会発言を見ると現下の災害クラスの感染拡大に当たって政権の「専門家よりやや楽観的」見方が明らかになった。
自治体や医療関係者は「一段の強力な対策」を要望するが、菅政権は「ワクチン接種」「医療法での改善」に期待するしか方法はないようだ。背景にロックダウンなどを期待しているが法的に整備が遅れているし、「他国が実施しても感染が止まらない」と菅総理は語気を強めて拒否する。
尾身会長は最近は政府との考え方の違いを明確にしている。「一層強力な対策」を謳えている。背後にはこのままでは感染が更に爆発的に拡大するのだ。京大・西浦先生の予測でも東京はやや減少傾向も、地方は拡大に一方だ。「首都圏から地方へ」の拡散の脅威は以前から指摘されていたこと。
尾身さんが指摘する「専門家の判断よりやや楽観的」と。
そして、国民の皆が思っていることを代弁してくれた。「バッハは何故来日したのか」、「オンラインでのメッセージだってあるではないか。国民に自粛を要請しながら・・」と組織委員会の対応に苦言を呈した。
政策、対応に整合性がないのだ。一方では自粛を言いながら、他方では行動制限免除だ。テレビではJOC会長と各会場を回り、メダルのプレゼントをやっている姿が映った。西村担当相も国会での質問に「バッハ会長も国民の民意を考えろ」と苦言を呈した。
驚いたのは、IPCとの記者会見に記者から「パラリンピック開催とコロナ感染拡大の関連性」を質問されたとき、同席した組織委員会(?)の広報官が、「質問の意味がわからない」と言ったのをテレビで見た。「バカじゃないか」と思った。こんな人間がオリンピック大会を運営しているのかと思うとゾッとする。
そして、記者会見で菅総理は「明るさが見えてきた」と発言した。何のことかと思ったら、ワクチン接種も着実に進み、デルタ株のまん延で感染者を抑え込むのは容易ではないがワクチン接種は明らかに効果があり、新しい治療法は重症化を防ぐということで「明かりが見えてきた」と言うのだ。
しかし、ワクチン接種も1回目が終わったのが54%、2回目が終わったのは43%でまだワクチン接種の成果を云々するのは早すぎないか。ワクチン接種では問題が発生しているようだ。海外では誰でも自由に摂取できる対応をしているが、都はやっと着手した。
また、いつも記者会見では質問が飛ぶのは「菅総理の責任」だ。今回も質問があったが、今まで経験のない感染、デルタ株の危機を何とかして乗り越えることが私の責任」と引責辞任に触れなかった。記者の質問ももっと踏み込んで「緊急事態宣言、まん延防止策も成果が見えない。ここは責任を取り辞任すべきではないか」と言えばよいのだろうが、恐らく責任言及は回避するだろう。
一国のリーダーは、危機管理で「先手必勝」が大事だが、菅総理は危機管理ができていない。安心データを重視し「様子見」が多い。もうちょっと待てば状況も好転するのではないかと楽観的なのだ。
不安データの下で「決断」すべき機会を失っている。
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