決断力のなさ、安心バイアスで「様子見」が多い菅総理だが、テレビニュースでニュージーランドで感染者が1人出たところでアーダーン首相は国民に話しかけすぐにロックダウンに出たという。緩やかな規制は感染拡大するだけだともいう。
テレビではアーダーン首相が国民に話しかけるシーンが映っていた。笑顔(?)で手振りを交絵ての話かけだ。菅総理のような緊張感で自信なさそうな姿とは違う。ペーパーの棒読みではなかった。
感染拡大の大きな原因は政策での整合性のなさだ。感染の拡大が危惧されているときに観光地などの業者を助けるために「GO TO トラベル」を強行した。対象地域に東京も含めたために首都から地方への感染が拡大した。
大規模イベントへの対応、東京オリンピックの無観客での強行、政治家など上級国民の不要不急の外出、会食のルール違反は国民にとって予断を抱かせ、自粛要請、人流削減に逆効果だった。
更に菅総理の「安心バイアス」はダメだ。安心データを重視し「様子見」が多く、不安データによる「決断」が遅れたというか決断できなかった。専門家のアドバイスにも最終的には政治判断で軽視した。
総理の立場としては、経済への影響が心配だったのはわかる。しかし、最初に厳しい規制で閉じ込めれば、後後の経済損失を軽減できるのではなかったのか。残念ながらそれがなかった。一つにはこれと言った政策が見つからなかったためか。
経済損失では各機関が予測を発表している。1回の緊急事態宣言で約2兆円規模の経済損失だ。
野村総合研究所の木内さんの予測では、7月12日以前の経済損失は2.2兆円、それ以降1.23兆円の損失、東京オリンピックでは1.68兆円のプラスになったが、4~6月の経済損失3.2兆円を上回るという(読売新聞2021.8.18)。
今回の緊急事態宣言は9月12日までだ。何故、12日までになったかわからないが菅総理の思惑もあるのだろう。自民党総裁選、衆議員の任期切れも迫っている。自分の続投を念頭に考えているのだろう。
何時も、[これが最後にしたい」とコメントするがそうはいかない。「責任は」と問われると「デルタ株での感染拡大」を言い、自便の責任には答えようとしない。
「緊急事態宣言の他に政策は」と問われると、「ワクチン接種」を挙げ、野党や専門家から要請されているロックダウンの法整備も日本ではなじめず慎重派だ。「海外ではロックダウンしても再感染しているではないか」と語気を強めて反論する。
専門家は人流50%削減で総力戦だというメッセージを出すべきだとアドバイスするが自信なさそうな顔でペーパーの棒読みでは国民には真意が伝わらない。
しかし、健康を守るためと言って、ワクチン接種を急ぎ、医療体制の強化、カクテル療法の整備、酸素ステ―ションの整備など提案してくる。
クラスターが発生したというと百貨店など大規模商業施設での人数削減などが上がる。
テレワークの推進、出勤70%削減では経団連に要請した。でも経済界も社会経済活動の厳しい制約は国民生活に深刻な影響を及ぼすと警告する。期間の延長をせずに強い危機感を持って感染対策を要求するのだ。
ところが、今、出口戦略を語り始めた。「コロナ感染指標の見直し」だ。今までは医療ひっ迫、療養者数、PCR検査での陽性者、新規感染者数、感染経路不明の5項目が指標になっていたが重症者数を重視するという。東京は10月に満床と言われている。
更に以前からよく言われていたことに、新型インフルエンザなど感染症で入院隔離され、診察ができなくなる状況だったが、これを季節型インフルと同じ第5類に分類すれば医療機関のひっ迫は避けられるという。
8月に入って検討が始まったそうだ。そうすると年内には収束するというのだ。
しかし、この難局の時に一国のリーダーの決断力のなさは国民にとっては悲劇だ。
来月は自民党総裁選が迫っている。正式な党員投票で新しい総裁を選出し、心機一変、コロナ対策に当たるべきではないか。厚労省や官邸の担当者を一変することだ。
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