菅総理再選をめぐる状況は、後ろ盾を失い菅総理の政権運営は変わってくるか。先日までは二階主導、安倍、麻生追随で菅総裁再選のシナリオを考えていたが、最近の各派閥の動きを見ると、派閥の長の意向で総裁が決まる可能性はなくなってきた。
菅総理に対する「選挙の顔ではない」「菅総理では選挙に勝てない」という若手議員の批判は各派閥で起こってきた。安倍さんも麻生さんも表向きは菅支持でも裏では様子見だ。
二階幹事長も最近「交代させる理由がない」「質問は愚問だ」と質問する記者を切って捨てていたが、党内、派内での批判も出てきた。
このような背景から二階幹事長主導の菅再選の道は遠くなった。
岸田さんが会見で党改革の一つに「幹事長の任期を一期一年、連続3期、3年」を上げて党内でも評判が良かった。菅総理はこれを先取りし総裁選での争点回避を図った。
自民党には大きな問題がある。総選挙を前に大物議員が引退を宣言しているが、背後には長男、次男など親族を後継に押している。後継決定では幹事長の判断もあるだろうが、和歌山選挙区では自らの後継も絡んでいるが、参院議員の世耕さんが鞍替えを考えているし、山口では林さんが鞍替する。二階さんは自派に都合のいい言動をし批判されている。
野党が要求している臨時国会も開催せず、解散権の行使も考慮せず任期満了の10月5日公告、17日投開票に決まったようだ。菅さんに力が残っていれば臨時国会開催冒頭での解散総選挙の手もあったが、そこまでは出来ないのだ。
差し迫っている9月12日の緊急事態宣言の解除、延長がどうなるか。背景に菅総理の描く政治スケジュールがあったが、もうそれに拘らず感染状況で決めるべきだ。東京の場合、田村大臣は500人以下と言う条件では難しいと言う。政府は基準の見直し、病床の確保、抗体ワクチン療法の普及と努力しているが、東京では感染者数が減少(?)傾向も、地方では増加傾向だ。
菅総理が「明かりが見えてきた」と発言していたが何が見えたのか。自分に都合のいいデータだけを見ているのか。
デルタ株以外に新しい変異株が見つかったと言う。世界で8例、日本では初めてと言う。感染力がどうか分からないが、感染者数が増加すれば変異株も増えてくる。人流を減らし感染者数を減らすことが大事だが、テレビニュースでは「気の緩み」と思われる行動が多い。
コロナ対策では経済対策も必要だ。岸田さんは数10兆円が必要と言うし、野党も臨時国会で予算審議を要求している。菅総理は総裁選出馬を諦めた下村さんに「経済問題に取り組め」と指示したようだ。二階さんにも指示した。
著名な作家が菅さんを「目はよさそうだが、耳は聞こえ難いようだ」と揶揄したが、耳は良く聞こえているようだ。岸田さんや野党の主張を先取りして失われた求心力を取り戻そうとしている。
しかし、お膝もとの横浜市長選では推進したはずのIRを反対する候補者を支持したり、なりふり舞わない背後での支援も成果が無かった。一気に求心力を落とす結果になった。
自分の派閥を持たない菅総理のピンチを支える人間がいるのか。これで総裁選でトップを維持できなかったら政治生命は終わったことになる。
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