水俣秒慰霊式典の後の団体と大臣の懇談会で、発言が所要時間3分を超えたために環境省職員が マイクのスウィッチを切って発言を止めさせた事件が大きく報道されるところとなった。岸田政権は「聞く耳をもつ」政権として国民にアピールしていたために政権の姿勢も問われることとなった。
懇談会の趣旨が何だったのか分からないが、団体の代表は自らの考えを発表するのだから、紙に書いて何度も練習したはずだ。発言時間が3分というがいつ決まったのか。あらかじめ指定されていたら練習も変わっただろう。
ところが急に会場で3分と指定されると発表者は戸惑る。しかも80歳を超える高齢者、数十年の苦しみを3分では説明できないだろう。
こういう公害事件での保障は難しい。原因物質が大気や水中で拡散され広がると、地域、症状による線引きが難しくなる。国やチッソは補償をできるだけ少なくするために線引きも厳しくなるが、それにより補償に漏れる被害者も出てくる。裁判沙汰になるのだ。
大臣や環境省職員の帰省の時刻もありこんなことになったのだろう。
水俣病と言えば、環境省発足の根拠にもなっている。
当時、水俣湾周辺でネコが狂い死にしたり、人間に異常を訴える事例が多く発表された。当初、チッソ水俣工場の排水に含有する無機水銀が疑われたが、無機水銀でこのような障害は起きないとされ、研究がすすめられ無機水銀が自然界のバクテリアなどにより有機水銀に変換されることがわかり原因物質がはっきりした。
水俣湾のかなり広範囲で疑われる症状を持つ患者が出てきたが、国が定めた症状事例に該当しない患者も多くみられ、今裁判で審議中だ。
内容から考えると、懇談会はそれほど重要視されたイベントではなかったようだ。逆に岸田政権のボロが出てきたイベントになったか。
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