2024年5月10日金曜日

今日の新聞を読んで(682):英投資ファンドCIO曰く「日銀が円を弱めている」と

 「金融政策の正常化」を経済界、日銀も目指す。金利の上げ下げで景気を調整することなのだろうが、日銀はなかなか相当の利上げに踏み切らない。決定会合の度に現状の緩和維持を続ける。0~0.1%の利上げはゼロ金利で市場を落胆させる。

そんな時、英投資ファンドのCIOのマーク・ダウディング氏が朝日新聞で「日銀が円を弱めている」という。今回の決定会合前には利上げに踏み切ると思って市場は円買いを狙っていたが、決定会合の後の総裁の現状維持の談話で手じまいしたというのだ。

投資機関による投機的な変動には財務省も強く警戒しているので英投資ファンドも投機的な考えともいえるが、利上げは市場と日銀がしっかり情報を提供しながら進めていくべきで、折角市場が利上げを前提にしていた動きをしていたのであれば、利上げのチャンスではなかったかと思う。

今、日本経済は3.8%の物価高、金利差で円安が進み155円台だ。政府は2度にわたり8兆円の為替介入するが一時は上がっても元の円安に戻る。日本単独ではなく米国との協調介入が必要だ。その米国は消費者物価は3%弱、経済も堅調で今すぐ利下げは必要ではなく約5%を維持するようで0~0.1%との金利差は解消できない。

利上げにより円安、物価高を改善するには、日銀の利上げが必要だがゼロ金利になれた日本経済では思い切った利上げは問題を生じるだろうが、金利の上げ下げで景気をコントロールするにはそれなりの政策金利が必要だ。

FRBが約5%の政策金利なら日本は今の20倍の利上げ、約2%が必要ではないか。アベノミクスでゼロ金利、財政出動し企業活動を応援した負の遺産は大きい。大量の国債、株を買い込んでいる。どんな分野にどれだけの負担が生じるか、日銀は情報提供すべきではないか。

関連記事

2024.5.9掲載

円安は国力を弱くする?:日銀総裁曰く「今の円安は物価に影響しない」発言を半月後に「影響を及ぼす」に翻意 www.yamotojapan.blogspot.com/2024/05/blog-post_63.html

0 件のコメント: