2009年6月5日金曜日

自民党下野はすでに想定内なのでは


会期延長で解散・総選挙の時期が絞られてきたようだ。麻生さんは解散権行使のフリーハンドを持ち、民主党との政策の争点を明確にしてから解散したいようだが、国民は自民党下野を織り込み済みではないのか。

 昨年9月の総裁選で麻生さんは「小沢さんと戦うことが出来る人?」と問いかけた。当初は麻生さん優位であったが、個人的な資質の問題、政策のブレが目立ち小沢さんに移った。しかし、西松献金問題で逆転し、小沢さんの人気が落ちた影響で麻生さんに人気挽回のチャンスが巡ってきたが、小沢さんの代表辞任で鳩山さんが優位に立った。

 先の党首討論で麻生さんは「どちらが総理にふさわしいか?」と問いかけたのは意外な発言で、麻生さんの頭は昨年の9月にリセットされたのではないかと疑った。

 解散・総選挙を「やるかも知れないぞ やるかも知れないぞ」と言ながら、いままでズルズルやってきた麻生さんに本気度を疑いたくなる。衆議院で政策論戦を張り、どうしても政権政党として政策推進に支障を来すようになった時に、解散権を行使し国民に信を問うのであれば、政局にインパクトもあり、効果があるだろう。

 しかし、もう任期満了に近いことを考えると、国民は自民党下野を織り込み済みでは無かろうか。

 各メデイアの世論調査でも、麻生さんに人気はないし、次回総選挙で「どの政党に投票するか」の設問では、民主党が優位に立っている。

 ところで、麻生さんは自民党が勝つためには、争点をどこに置こうと考えているのか。

 先の党首討論を見ても、政策課題の設定は鳩山さんの勝ちだ。麻生さんは言葉尻をとった議論に徹していたように思える。財源の確保の問題は自民党だって同じ疑問が残る。約15兆円に上る09年度補正予算なんて民主党の批判が当たっている。

 「政治と金」も問題だって、小沢さんの責任を追求しただけで、却って自民党の方が疑いをもたれる議員が多いと切り替えされた。総理・総裁として国民の信頼を取り戻すにはどうするかの議論が無かった。

 最近になっても自民党の右往左往ぶりは目に余る。

 日本郵政の西川社長継投問題では、閣内不一致と見なされる状況だ。麻生さんでは総選挙は戦えないと、山本さんは「総裁選前倒し」の運動を始めたが、党内が騒然となった。寧ろ、無視されるより、騒がれた方がありがたいとは山本さんの弁だ。さらに民主党が推し進めている世襲制限も次の選挙では見送られた。

 西川問題、世襲制限問題の背後には小泉さんの影があると言うから、「鳩山さんの影に小沢さんあり」とばかり言ってはいられない。

 麻生さんも自分のリーダーシップが問われていることは分かっているのだろう。官邸での記者会見で記者から質問されても、「“たら、れば”には答えない」とか、「直接聞いたわけではないからコメントできない」と説明をはぐらかす態度が見え見えで、強引に打ち切って背を向ける麻生さんに未来を託すことは出来ない。

 麻生さんは今、何をやってもうまく行かない。「出しては引っ込める」「またぶれてる」は今回の厚生労働省の分割案でも言われた。これ以上の失点を抑えるには、「こう言えば、国民はどう思うか」をしっかり考えるべきだ。常日頃反対している人達にも問うべきだ。

 国民にとって、「自民党下野」は想定内なのだ。

 次の選挙で「痛手を少なくするのは、どうすれば良いか」考えた方がよい。麻生さん自ら続投を考えているのであれば、民意が分かっていない。政策課題だってそんなに変わるはずはなし、中身だって「国民の目線」で見るとどっちがよいかは明らかではなかろうか。

 ただ、安全保障、外交、核問題など民主党内でも異論が出てくるだろう。野党共闘も躓く場面もあるだろう。

 自民党が勝つためには、「根本から政治を見直す、大幅な改革が必要なのだ。

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