2009年6月11日木曜日

西松建設違法献金問題:政治家の疑惑を「見逃すリスク」をどう考えるか


小沢さんの公設秘書が逮捕される事件まで発展した西松建設の違法献金事件を検証する「第三者委員会」の最終報告書が出た。
 大方が当然の事ながら、罰則適用や起訴の理由、この時期の立憲での政治的影響など検察に対する説明責任を求めている。そして不適切な公権力の行使が、ヤミに葬り去れようとすると民主主義に重大な驚異となるとして、情報公開を求めている。
 報道のあり方についても検証しているが、記者クラブを通じた情報リークに不透明感があると指摘する。
 一方で、民主党の対応にも問題がある。小沢さんは個人の立場と党首としての立場を混同したが、もっと積極的にマスコミに訴える必要があったと論じている。
 民主党が設置した第三者委員会の検証だから、小沢さんに気を遣った様子がうかがえる。
 この問題は小沢さん側の政治資金規正法違反の疑いであるが、そもそもの発端は西松建設が海外から違法送金したことである。海外で資金を作り違法に日本に持ち込み、その一部が政治献金に使われたことが、西松建設側の供述で明らかになった。
 更に西松建設は「公共事業への口利き」を期待して小沢さん側へ献金を続けたという。だとすると時効の問題もあって、あっせん収賄の疑いも出てくる。
 この時期に小沢さん側に疑惑をもたらすことは、折角政権交代の機が熟しつつあるこの時期では、「政権交代の潰しにかかっているのではないか」と疑われても仕方ないことである。
 しかし、国民にとっては政治家の疑惑を「見逃すリスク」も考えなければならない。民主主義にとってはこちらのリスクの方が大きい。
 小沢さんは、代表辞任だけでなく、議員辞職すべきであったのかも知れない。
 小沢さん側は、法(斡旋収賄など)に違反する事は一切やっていないと言う。しかし、送る側の西松建設は「公共事業が受注できるのは、小沢さんの力がある」と思って献金を続けたという経緯があるらしい。
 だとすると、小沢さんは詐欺罪で立件できるのではないか。「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル者ハ10年以下ノ懲役ニ処ス」だ。

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