2012年12月7日金曜日

変革か、安定か:大きな揺れがまだ続く日本の政治か


2005年、2009年、そして今回2012年の衆院選、日本の政治の「変革」を求めた大きな揺れは、まだ続くのか。それとも「安定」政権を望むのか。朝日新聞(2012.127)によると政治の安定を求めるのが54%で、変革を求める36%を上回ったという。

野田総理は「前へ進むのか、後ろに後退するのか」と訴え、民主党でないと政治改革、定数削減は出来ないというし、災害、防災対応の国土強靱化に託けた利権がらみのバラマキ政策を許して良いのかと問いかけ、大切なのは種まきだと訴える。

日本を取り戻す
自民党新CM30秒Ver.
自民党HPより
一方の安倍総裁は、「教育を取り戻す、経済を取り戻す、安心を取り戻す」とTVCMで力を込める。3年間の民主党の失政から強い日本を取り戻すと言うのだ。

野田総理は、社会保障と税の一体改革、消費税増税で財政再建への道筋をつけた。日銀と協調を強めてデフレ脱却、経済再生へも取り組んでいる。解散宣言の時、自公と約束した定数削減、行財政改革も来年の通常国会で結論が出る。

懸案事項である外交・安全分野では、尖閣、竹島の領土問題は、冷静に且つ毅然たる対応をする。普天間問題でギクシャクしているが、日米関係は深化させる。TPPでは当初交渉参加を加速させると言ったが今はトーンダウン、脱原発も2030年代までに脱原発依存に持って行くという。

だから、前に進めるために、これからも民主党政権を支持してほしいと言うのだ。

野田総理が言う「後ろに戻る」こととはどういうことなのか。

自民党の政官業癒着、官僚主導などしがらみのある政治、領袖支配の古い体質など指摘しているのか。

「郵政民営化是か非か」でメデイアをうまく使っての劇場型政治をやった小泉政権でも、消費税は上げない、年金問題の追求を避けるために早めに国会を閉じて難を逃れた。自民党に対する批判を国民に代わって自分で「自民党を壊す」と自民党改革に対する反小泉勢力を牽制した。

その郵政民営化がどうなったか。今も混乱を続けている。自民党をぶっ潰すと豪語したが、古い自民党は健在だった。できたのは宮沢、中曽根さんらの公認拒否だった。

安倍さんは、憲法改正のための国民投票法を成立させ、改正へ一歩近づけたが、体調不良で突然政権を放り出し、たらい回し政権のきっかけを作った。

体制を立て直そうと、本格派の福田さんが登場したが、後ろに解散・総選挙を控えての登板だ。当時の民主党・小沢代表と「大連立構想」を画策したが、民主党内の反対で失敗した。

このとき、小沢さんは責任を取り辞任するとき、「未だ民主党は政権を担う力はない」と明言したが、今の民主党政権を見ていると良く言い当てている。

次いで、選挙対応で麻生さんが総理に付いたが、リーマン・ショックでの経済対策に翻弄され、総選挙の機を失し、支持率下落の果てに総選挙へと入っていき、民主党の「政権交代してみませんか」の大衆迎合で自民党は政権の座から滑り落ちだ。

「自民党はどうか」と言われれば、この3年間の野党生活で国民目線での政治に芽生えたようだが、先の総裁選を見ていると旧態然とした領袖、ベテラン支配の自民党に見えた。しかし政権公約は国民目線で作ったらしい。

野田総理の「後ろに戻ってもいいのか」と言われれば、自民党のことを考えると疑問は残る。

今回メデイアの選挙情報によると、自民党は圧倒的多数の議席を獲得しそうだ。

「安定政権」の可能性も出て来た。でも、政権交代で民主党が獲得した議席も安定政権を約束するものではなかったのか。その後の鳩山政権、菅政権の失政、小沢vs反小沢の抗争が不安定政権に転落させた。

改めて、「安定政権」と「変革」とどちらを取るかと聞かれれば悩むが、「安定政権」だからこそ「政治改革」ができるのではないか。今は、「安定政権」だから、私利私欲、利権にしがみつこうとしているのではないか。

「日本を取り戻す。」と言っても、以前の自民党のようでは期待できない。

野田総理だって自民党にはできなかった改革に果敢に挑戦していることに違いはない野田。
動かすのは決断
民主党新CM 総理の経験編
民主党HPより

そして、もうひとつ重要なことは野田総理も言うように、「動かすのは 決断」なのだ。

決断できる強いリーダーシップをもつ総理の出現が待たれるのだ。


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