2012年12月9日日曜日

藤村官房長官問題発言:舌足らずか、責任を取る失言か


藤村官房長官の発言は、舌足らずか、責任を取るべき失言なのか。メデイアの報道によると、官房長官の北朝鮮ミサイル発射予告で、「さっさと月曜日に上げてくれると良いんですが」という発言に野党党首がかみつき、選挙戦に影響を与える様相を呈してきた。危機管理で東京を離れられない藤村さんが、やっと選挙区に帰れて記者の「今度何時帰れるか」の質問に答えたものだそうだ。

意外な問題の発展に官房長官は「一部舌足らず誤解を生じるとすれば、訂正、お詫びしたい」と語ったそうだ。

選挙戦の真っ最中とあって、野党党首は、「こんな官房長官で日本が守れるのか」と辞任を要求、一方野田総理は「訂正し、謝罪したのだから問題はない」と強気の弁護をする。

政治家、特に大臣の問題発言には困ったものだ。

藤村さんは、「一部舌足らずで誤解を招いた」と釈明するが、ではどうコメントすれば良かったのか。

「大変な選挙で、選挙区に帰りたいが危機管理の責任があり帰れない。北朝鮮が10日にでも上げてくれれば帰れるんですが」とコメントしても問題発言になる。

「私の選挙より、国民の皆さんの生命、財産を守るのが私の仕事ですから仕方ないです」とコメントすれば評価が上がったのかもしれない。

問題は、その発言の文脈だ。メデイアは面白そうな面だけを報道し、重要な部分が隠されている場合があるのだ。

思い出してみよう。柳田元法務大臣の3つのフレーズ発言を。

柳田さんが、法務大臣の時に地元の後援会で、「法務大臣は楽だ。3つのフレーズを覚えておけば良い」と3本指を掲げ、後援者の笑いを取った場面がテレビで放映され、「国会軽視だ」と追求された結果、辞任に追い込まれた。

でも後から一部のメデイアの報道で分かったことは、その前後の文脈だ。柳田さんは「国会答弁は決まり切った言葉でするが、もっと一歩踏み込んだ答弁が出来ないのか」という意味の問題提起の発言をしていることだ。

国会の審議をNHK の中継で良く聞くが、大臣の答弁、参考人の答弁は揚げ足を取られないようする防戦一方の答弁で面白くない。

委員会で問題発言となると、追加説明、答弁で濁される。

質問に答えていないと再度答弁を要求するが、大臣は同じ内容の答弁の繰り返しだ。酷い場合は、与野党理事が委員長席に詰め寄って協議する。

政治資金規正法関連で答弁を要求された刑事局長は「個別事案には答弁を差し控えるが、一般論として・・・」が多用される。

一番酷かったのは、小泉内閣の時の女性の法務大臣、最近では田中元防衛大臣だ。専門知識に欠けて、周りが右往左往していた。

任命責任を問われた野田総理はいつも「任命責任はある。職務に真剣に取り組み、責任を果たしてほしい」という内容の答弁を繰り返すばかりだ。

政治家、大臣は、「こう言うとどうなるか」ぐらいの予測が出来ないのか。

メデイアも面白そうな、問題がありそうな面だけを報道し、騒ぎを煽っていないか。

柳田さんの発言だって、「国会答弁は、もっと踏み込んだ答弁が出来ないか」という問題提起を中心に報道していたら、あるいは政治改革に結びついたかもしれない。

大臣である以上は、発言には想像以上の責任が伴うことを忘れてはいけない。

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