2014年10月5日日曜日

日銀の円安容認?:「悪い経済循環」でも2%物価目標が達成出来ればいいというのか

日銀は今の円安傾向を容認すれば、「経済の悪循環」の様相を呈しても目標である「2%物価上昇を達成出来れば良い」と考えているのか。そんな勘ぐりも出来る3日の予算委員会での民主党・前原さんと日銀・黒田総裁の質疑だった。

新聞の報道によると、前原さんが今の1ドル110円台を付ける等、円安で推移している事に関しての質問に黒田総裁は「大企業の製造業では大きなプラス、非製造業ではマイナスと影響は異なるが実態と合った形で円安になれば全体としてはプラスだろう」という意味の円安容認発言だ。

中小企業、一般の国民にとってはマイナスになっても、大企業、富裕層などにプラスで有れば良いというのだ。

日銀の9月短観でも製造業の業況判断もプラス13で1ポイント改善されているが、非製造業ではプラス13だが6ポイント低下し、景気回復の動きは鈍い。

今のような円安による物価上昇は「経済の悪循環」と見られるが、物価が上昇し2%物価目標が達成出来れば良いとも聞こえる。

日銀は、今の物価上昇を単なる円安によるものではなく、量的・質的金融政策によるものと説明しており、あくまで「前向きな循環システム」を維持しているという。

15年の2%物価目標しか頭にないのだ。

更なる消費税増税の必要性も説き、景気後退の恐れがある場合は「何でもやる」となりふり構わない。

為替、株価は米国経済の動向で動きやすい。労働の質は分からないが労働統計では新規雇用者数が24万人を超え失業率も5.8%で6%を切った。量的緩和は終了し金融政策の正常化に向け利上げのタイミングを計っている。

どうしてもドル高、円安の傾向だ。

日銀もマネタリーベースは245兆円ぐらいで、目標の270兆円が近い。年間6070兆円の量的緩和を何時縮小していくのか。「出口戦略」が重要なテーマになるが、日銀に言わせると時期尚早なのだ。

経済界や購買力平価では105107円というが、このレベルは超えてしまった。可能性があるとすれば欧州経済の危機再来、イスラム過激派組織vs米国の激化による地政学リスクの高まりなどで日本が再び安全資産と思われるときだ。

でも、海外ファンドも信用できない。景気がどうあれ儲けを最大限にするために行動するだけで世界経済を混乱させる元凶なのだ。


政府は消費税増税で信用を落とし、日銀は、物価上昇、出口戦略で信用を落としては国民はたまったものではない。

地震、火山噴火予知の現実?:「地震計が動いていたら」、「あの現象は前兆だったのか」

「地震計が動いていたら」、「あの現象が前兆だったのか」、これが今の地震、火山噴火の現実なのか。戦後最大の火山噴火事故になった御嶽山噴火も死者51人になり、予知が出来なかったのか、あの現象でも入山規制は出来たはずと反省や批判が出ている。

でもほとんどが被害の大きさから来る後出しなのだ。

大きな自然災害は、ほとんどが天災ではなく人災の様相を呈しているのだ。

読売新聞(2014.10.5)の火山列島()を読んで驚いた。御嶽山噴火も予知でき、甚大な被害を最小限に食い止めることができる可能性もあったのだ。

それによると、監視体制にも問題があった。火口から15km内に12台の地震計が設置されていたが、内3台は故障や電源の問題で作動していなかったという。もし山頂に設置した地震計が動いていたら前兆が把握できたかもしれないのだ。

いつもそうだが、緊急時に計測器や安全装置が作動しなかった例は多い。設置者の維持管理、問題意識の欠如だ。予算を取って設置しても維持管理できなければ何の意味もない。無駄遣いになる。

それでも地震、火山の研究費は年々減少しているらしい。昨年は200億円で、火山研究には20億円程度だという。当然人の確保も難しい。

地震、火山大国の日本が、このように弱体化したのは2004年の国立大学法人化、交付金の減少があるという。

研究員不足も否めない。約696人いるなかで火山研究者は少ないのだ。だから火山研究は「絶滅危惧種」と揶揄されている。活火山に設置された数少ない研究所も常設研究者は稀だそうだ。

何時噴火するか分からない火山で、こつこつデータを蓄積し解析していく研究は忍耐もいるし日の目を見ることも稀だ。

私も一度火山研究がどうなっているか知りたくて、日本火山学会講演予稿集(201210月)を取り寄せて見たことがある。
火山の噴火記録を集計した研究があり、2000年の間に噴火は1135回経験している。九州沖縄が399回、関東中部261回、伊豆小笠原209回、北海道135回、東北130回だという。噴火の研究の機会が少ないのだ。関東中部では浅間山、富士山が圧倒的に多い。

当然対象も今話題になっている火山で、浅間山、伊豆大島、阿蘇、雌阿寒岳、箱根山、新燃岳、硫黄島、霧島、桜島などで静かな活火山を研究している人はいない。

でも、2011年の東北地方太平洋沖地震以降、20の火山で地震活動が活発化、富士山では富士山直下のマグマに影響を与えたし、深部の低周波地震は増えている。巨大地震が発生した後は数年で火山噴火の可能性があり警戒せよと言う。

なかなか火山研究が市民権を得るのは難しいようだ。研究内容も素人には難しすぎる。

一方で地震の方はどうかというと、この分野も心許ない。よく聴くことに「あの現象が前兆だったのか」という。巨大地震の後に関連するデータを調べていたら前兆と思われる現象が見つかったというのだ。

東北地方太平洋沖地震では、その前にスロー・スリップが北の方から南下し止まったところで巨大地震が発生した。だからスロー・スリップを監視すれば地震の予知は出来るのではないかというのだ。今、千葉県沖ではスロー・スリップの間隔が縮まっている。止まったところで巨大地震が発生するのではないかと危惧されている。

スロー・スリップが検証できるのであれば、スーパー・コンピューター「京」で常時チェックし予知に活用してはどうかと思うのだが。

一方で、地震学者ではないがGPS測位で異常値を観測し、地震の発生を予測する手法も役に立ちそうだという。国は全国に1300基のGPSを設置しているのだから常時解析に力を入れて予知に生かしたらどうなのか。

「あの現象が前兆だったのでは」でなく、「異常が見つかったので警戒を」にはやくかえてほしいものだ。


2014年10月4日土曜日

東京都大田区・馬込文士村が「あの頃は笑いに充ちていた」と懐かしむ

大田区立郷土博物館 10月3日
東京都大田区・馬込文士村が「あの頃、馬込は笑いに充ちていた」と懐かしがって大田区立郷土博物館で馬込に一時居を構えていた作家など著名人の特別展を開催している。笑いの少なくなった今、「どんな笑いがあったのか」と思って特別展に行ってきた。

特別展パンフレット
博物館2階の「馬込文士村」の展示室に入っていった。尾崎士郎、宇野千代をはじめ多くの作家の履歴と出版物が展示されていた。ここ馬込文士村には、多くの文人が誘い合って一時居を構えた。地下鉄浅草線・西馬込駅前の案内板には約70の居宅場所が記され周辺の散策を紹介している。

当時都内は震災などで住宅事情が悪かった事もあり、尾崎士郎、宇野千代などを慕って、別荘地的場所だった馬込に移り住んだそうだ。

当時はうっそうと木が茂った広大な邸宅が、広大な大根畑、雑木林に囲まれて建っていたそうで、「追いはぎ坂」と名の付いた坂も存在する。

作家の紹介パネル、出展物を見て回ると文士たちが、互いに行き来し、互いに影響し合い親交を保ったことに驚かされる。

今回の「あの頃、馬込は笑いに充ちていた」というタイトルも川端康成のブースで初めてこれだと分かった。川端康成はここでの生活を「馬込時代は兎に角、賑やかで楽しかった」と述懐しているのだ。

何人かの文士を紹介しよう。

まず、尾崎士郎だ。昭和11年に朝日新聞夕刊に「空想部落」を掲載しているが文士村がモデルだという。尾崎士郎は相撲が好きだったようで大森相撲協会所属で、自分の四股名は「夕凪」という。25年には横綱審議委員もやった。

作品には「人生劇場」「京浜国道」などあり、32年に朝日新聞に掲載されたが挿絵は当時の生活がよく分かる。森が崎では田んぼの中の道を人力車で走っている絵、蚊帳の中での就寝、町の様子など当時を忍ぶことが出来る。

宇野千代さんは、馬込のモダンガールだったようだ。昭和3年には馬込でダンスがさかんになり参加したようだ。作品には「おはん」等が展示されていた。
吉田甲子太郎は文士村の村長だった。1500坪もあるうっそうと茂った広大な邸宅に住んでいたが、玄関も鍵をかけず皆が「吉田いるか」と自由に入ってくるので仕事が出来ないとこぼしていたそうだ。2628年にかけては山本有三と小学校から中学校の「国語」の教科書も編纂したという。

室生犀星もダンスを体験、住んでいた谷中は沼地で湿気が多く風邪気味で夜は咳が出ると言うことで転居した。

佐藤惣之助は、家庭内がうまく行かず、広津和郎の邸宅に居候し、大森海岸でセイゴやボラの釣り三昧の生活を送ったそうだ。

当時の様子が目に浮かぶようだ。

石坂洋次郎は、学生結婚らしい。処女作の「海を見に行く」を書き上げ、原稿を託した先輩が忘れて埋まっていたが、後で「三田文学」に掲載され喜んだという。昭和8年に「若い人」をだし三田文学賞を受賞、「百万人の作家」として流行作家の道を選んだ。昭和22年には「青い山脈」「陽の当たる坂道」を出版、映画化は80本に上るという。

次はノーベル賞作家の川端康成だ。

川端が「馬込時代は兎に角賑やかでおもしろかった」というのだ。「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」で始まる「雪国」は有名だ。15年に「伊豆の踊子」を書いた。英文科から国文科に移り、卒後文化学院文学部の教師になった。

最近新聞で結婚するはずだった松村秀子との関係が存在していた手紙で分かったとニュースになったばかりだ。

川端の生活は夜中中電気が付き、出かけたりしたので得体の知れない男と言われたが、おかげで近所で「こそ泥」被害がなくなり感謝されたとも言う。

良く、宇野千代と方々へ行くので恋人と間違えられたらしい。

作詞家の藤浦洸が気になった。NHKの「20の扉」で回答者の常連だったのだ。私の故郷でもある岡山県井原市の私立興譲館中学(当時)に在籍したこともあるが、同志社大から慶応大の仏文科を卒業した。

「物を見る目が贅沢」と言われ、靴はイタリア製だ。おもしろいことに貧乏ゆすりが癖でこれが空気感染し、他の文士もつられて貧乏揺すりになったそうだ。「別れのブルース」「一杯のコーヒーから」「水色のワルツ」から[ラジオ体操の歌]までつくった売れっ子作詞家だった。

名前を聴けば直ぐ浮かぶ有名文士が互いに親交を保った馬込文士村だったのだ。他人の家でも何食わぬ顔で入っていき、それを又許す良い時代だったのだ。

今、生活から笑いがなくなってきた。日曜日の日テレの笑点が唯一の笑いの場になっていないか。視聴率ランキングで必ず20位以内に入ることを考えるとそんな気がする。

良い友達と影響を与え合うことの大事さが分かったような気がした。

特別展 馬込文士村―あの頃、馬込は笑いに充ちていた
開催期間 平成2696日~1019
時間 午前9時~午後5
入館料 無料
場所 大田区立郷土博物館 03-3777-1070

〒143-0025 東京都大田区南馬込5-11-13 

馬込文士村散策案内板
都営地下鉄浅草線・西馬込駅

安倍総理の「民主党政権批判」:総理としての「器が小さい」のだ

安倍総理の「器の小ささ」は過去の答弁でも分かっていたが、3日の衆院予算委員会で民主党の前原さんの質問に「民主党政権時はどうだった・・」と反論し、前原さんからそういう発言は「小さく見える。余り言わない方が良い」とクギを刺されたようだ(産経ニュース 2014.10.3)。

安倍総理は民主党の議員の質問に、よく民主党政権時のことに言及し自らの政策を肯定したり民主党を挑発している。

安倍総理再登板になって最初の予算委員会で前原さんがインフレターゲット、量的緩和について質問したときに「何故、民主党政権でやらなかったのか」と言う意味の答弁をしていたのを覚えている。

前原さんの肩を持つわけではないが、野田政権の末期、前原さんも政府を代表して日銀の政策決定会合などに出席し日銀にインフレターゲットの設定などを要求していたのだが、日銀は採用しなかった経緯がある。

産経ニュースによると、今回も安倍総理が経済政策を批判されたことに憤慨して発言したようだ。前原さんは民主党政権時、経済が腰折れしそうになった時に足を引っ張ったのは、当時野党だった自公両党だと反論したが、「もうお互いに止めよう」と言った。

読売新聞(2014.10.4)によると、前原さんはアベノミクスがうまく行っていない五つの大きな誤算を追求している。「円安でも輸出が伸びない」、「金融緩和をしても企業は内部留保に回す」、「実質賃金は減少している」、そして「もし消費税を上げなかったらアベノミクスはうまく行かなかったことになるのではないか」という。

安倍総理はこれに対して「円高基調が自民党が政権を取り戻すまで長い間続いたから、多くの企業は製造拠点を海外に移した」とか、「多くの企業が収益を上げているので賃金に転嫁されるようにしたい」という。

更に「経済は生き物なのでアベノミクスの失敗とか成功とは関係ない」とアベノミクスの評価に直接触れなかった。

代表質問、予算委員会あるいは党首討論でも総理は野党質問をうまく(?)かわしている。これは民主党が政権についていたときもそうだ。
野田総理(当時)と谷垣総裁(当時)との党首討論で野田総理にうまくかわされ、谷垣さんは質問に立ち往生、自民党席から「もっと突っ込め」と野次が飛んだこともある。

野党議員は国民に替わって質問し、総理は国民に直接説明する場ではないのか。それが一方通行の議論で平行線をたどり、逆に「民主党政権ではどうだったのか」と反論されてはたまったものではない。

安倍総理も批判されると敵対心丸出しの「器の小ささ」では長期政権は望めないし、野党の民主党も3年数ヶ月の政権を担った経験からその責を追求されることは仕方ないことだ。

お互いに「非は非として」活発な国会審議をやってほしいものだ。


2014年10月3日金曜日

次の巨大地震、火山噴火は:日本中どこで起きても不思議ではない

最近の地震活動 気象庁HPより
至る所で地震は発生している
最近、地震や火山噴火があると「次はどこだ?」とメデイアは騒ぐが野暮な質問だ。今、日本がどこで何が起きても不思議ではない地下構造、地殻変動を来しているのだ。20113月の東北地方太平洋沖地震でM9を経験した。このような巨大地震の後は34年で火山が噴火するのが経験則だが、ご多分に漏れず3年後の今、大方の予想に反して御嶽山が噴火した。

日本の火山フロントと海の
プレートの関係
読売新聞2014.10.3
専門家によると、「次は富士山と思っていたが、意外に御嶽山だった」というが、あの巨大地震の後、日本の地下は大きく変動した。海溝のプレートの潜り込み部分は当然ながら内陸部でも歪みが貯まって何時、噴火、地震が発生しても不思議ではないのだ。

そのため、今まで想定されていた地震の発生確率も上がり、早まったという。多くの研究者が歪みのシミュレーションから巨大地震の危険を指摘している。それもM9クラスの巨大地震なのだ。

そして、東北地方太平洋沖地震が専門家の間では想定外だったが、2度と想定外があってはいけないと言うことで巨大地震の震源域、発生する津波の高さが見直され広域且つ数種の地震が連動するケースが想定されるようになった。

当初、東海地震は単独発生が想定されていたが過去の津波被害、古文書の調査から南海トラフ巨大地震は東海、東南海、南海、日向灘の4連動の可能性もある。それに伴う津波高さは34mにもなり高知県のある町(黒潮町)では町中が津波に押し流される結果になっている。それが更に南西諸島海溝まで伸びるというのだ。

巨大地震の危険が指摘されている領域
想定見直しで北海道や中部
の危険性を指摘
日経電子版 2012.3.10
相模トラフ沿いも首都直下地震と関連し、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県とM7クラスの首都直下地震の発生エリアが広がり、歪みが蓄積している領域が房総半島沖に存在し、M8クラスの地震が30年以内に発生する確率が2%から5%にあがった{読売新聞2014.5.4}。

更に最近になって関東で起きる地震では房総沖で「過去最大」の痕跡が見つかった。古文書、津波堆積物の調査から「延宝房総沖地震」M8.34?が1677年に日本海溝と相模トラフの交差する領域で発生しているのだ。この地震により房総半島は10~18mせり上がったと言われている(朝日新聞2014.7.21)。

東京都大田区の今年の防災訓練は1019日、近くの小学校で実施される。大田区と言っても他人事ではない。最近の首都直下地震での被害想定では震源を東京都南部とする大田区から品川区にかけての断層が動いたときの被害が最大だと言うことが分かったのだ。でも東京都の防災訓練の想定震源域は従来の東京湾北部になっていた。

相模トラフ沿いで想定される最大級の地震の震源域
と首都直下地震が発生するエリア
ところで、火山噴火ではその被害が最大で首都圏も大きな被害が発生することは分かっており富士山噴火が心配される。火山噴火予知会長の藤井先生も「何時起きても不思議ではない」とコメントしているが、御嶽山噴火で真実味を帯びてきた。外観では箱根山の方が危険と思うのだが地価変動は富士山危険を示しているようだ。

1707年の宝永噴火の時の降灰範囲を見ると、火口付近では3m、横浜で16cm、羽田で8cm、都内、千葉で4cm、健康被害、農作物被害は甚大で建物の倒壊も起こり、送電線の漏電で停電も発生する。道路はスリップ、鉄道は運行システムに障害、航空機はエンジントラブル、滑走路は使えなく、通信はどんな障害があるか分からない(朝日新聞2013.5.17)。

特に富士山噴火は浜岡原発への影響も心配されている。風向きにも寄るが火山灰の降灰による電気系統への影響は想定が難しいようだ。九州電力の川内原発も付近の火山噴火での総電源喪失や付近住民の退避計画が心配されている。

この御嶽山噴火が富士山噴火につながり、相模トラフの関連から関東大震災級の巨大地震の引き金になる可能性があるが、その前にM7クラスの首都直下地震の可能性がある。

更に、南海トラフに影響をするとすれば、遠く離れてはいるが九州で火山噴火が活発になっていることが理解出来るし、関西地方での内陸型地震の発生も危惧しなければならない。

ところでこういった異常を予知する方法はないのか。いつも災害が起これば気になるところだが、測量学の権威者である東大名誉教授の村井先生がGPSによる地殻の変動値から地震の予測を試みている。

村井先生が発表した「異常変動全国MAP」によると、最近的中させた例が出て来た(勿論他にも的中しているようだが)。916日午後028分の栃木、埼玉、群馬県で震度5弱の地震だ(週刊ポスト2014.9.8)。

ところがこの「異常変動全国MAP」を見ていると、飛騨・甲信越・北関東警戒ゾーンの中に御嶽山付近も異常が観測されているのだ。

GPS測定値からの異常値で作成した
「異常変動全国MAP]
週刊ポスト2014.9.8
村井先生は地震学の分野での専門家ではないので、その予測手法を認められにくい点があるがこの分野にも予算をつぎ込んで予知体制を強化してはどうなのか。

巨大地震、火山噴火は何時、どこで起きても不思議ではない日本なのだ。


[関連記事]

2014.9.21掲載
巨大地震、富士山噴火予測:当たらないのが慰み、当たれば計り知れない大惨事に

2014.3.2掲載
十和田湖大噴火は有るのか:915年から1100年経つが

2012.10.22掲載
箱根が噴火するのか:前回から富士山300年、箱根山3000年経つが

2012.4.3掲載

首都直下型地震:何故だ 東京大田区が震度7

2014年10月2日木曜日

アベノミクスの欺瞞(1):「財政再建か、経済成長か」でも、待っているのは円安不況か

安倍総理のアベノミクスの化けの皮もはがれてきたか。「財政再建か、経済成長か」と言っても待っているのは円安不況だ。臨時国会での所信表明で封印されていた消費税増税10%をめぐる賛否で、急激に進む円安、景気回復への足の鈍さから「財政再建か」、「経済成長か」が議論されだした。

しかし、どちらにしても待っているのは円安による経済不況で安倍総理の退陣しかないのではないか。

安倍総理はマネタリーベース増加派の主張に乗って自民党総裁時「思い切った金融政策」を訴え選挙選を戦い、市場は「口先介入だけの期待感」から円安、株高基調に転換した。それ見たことかとアベノミクスが市民権を得たのだ。

総理になった安倍さんは第一の矢として「強力な金融政策」を訴え日銀総裁を更迭してまで日銀にとっては非伝統的「異次元の金融政策」、インフレターゲットとして「2年で2%の物価上昇」を約束させた。

円安で輸出企業は潤い、株高で企業は活気づき安倍総理の「賃上げ」要求まで呑む事態になった。

続く第二の矢で財政政策を打って出た。財政出動で成長路線を進めようとしたが積年の課題である財政再建が海外からも強く要求される事態になり相反する政策を日本再生の両輪として財政再建と同時に経済成長を目指すことになった。

しかし、財政出動では国土強靱化にかこつけての公共事業の増加、バラマキ財政で予算案は101兆円を超えている。このままでは赤字財政の積み上げだ。

一方、財政再建策では消費税増税しかない。相変わらずの大企業、富裕層向けの政策で国民には負担を強いる。

財政再建派は、法に則って消費税10%に上げなければ国際信用はがた落ちで国債の下落は計り知れない影響を日本経済へ及ぼすと警告する。

自民党の野田税調会長は10%への引き上げについて「引き上げなかった場合のリスクは10倍で、成長に悪影響を及ぼすことのないように手立てを講じながらやっていくのが良識的な立場だ」とBS11番組で発言したそうだ(msn2014.10.2)。

「今のタイミングでは増税は無理だが、更なる量的緩和も視野に入れ増税を強行せよ」と言っているようなものだ。財務相は更なる補正予算の必要性に言及した。

又、円安による今の物価上昇を「経済の悪循環」とみていたが、日銀は「前向きな循環メカニズム」が働いていると正常な状態だという。

黒田総裁は消費税10%を目指せと言うが、景気に心配があれば更なる量的緩和など「何でもやる」と言い切った。

しかし、海外のエコノミスト誌は一様に消費税増税へ慎重論を展開し、延期すべきだとの論調だ。増税を後押しする日本のメデイアとは大違いなのだ。

また、第三の矢の成長戦略は特に妙案はなく、逆に族議員、既得権益者の強力な反対に遭い、岩盤規制への改革を訴えているがどうなるか。

アベノミクスは結局は円安を導いているが、今急激な円安で「良い円安か、悪い円安か」の瀬戸際だ。

円安による物価上昇、消費税増税による景気後退での対応は量的緩和しかないのであれば、待ち構えているのは円安続伸による「円安不況」で日本経済は混乱を極めるのではないか。

あれだけ円安、円安と言っておきながら、いざ円安になると「急激な円安」で経営が厳しいと日本商工会議所会頭がいう。

誰かが言っていたが、購買力平価で為替を判断すると「1ドル105107円」だという。そして今110円を超えようとしている。

安倍総理か、麻生財務相あるいは黒田日銀総裁は「最適レベルは1ドル107円」と言えば市場もしばらくはその辺で落ち着くだろうが、そのレベルを超えてしまっては効果がない。

米国経済の景気は良さそうで、FRBも量的緩和を終了し、利上げで正常な金融政策にもどろうとしている。

今後もドル高、円安基調に変わりはないだろう。

日本を待ち受けるのは「円安不況」だ。


2014年10月1日水曜日

かみ合わぬ代表質問:アベノミクス評価で経済指標の共有を

かみ合わぬ代表質問、アベノミクス評価では経済指標の共有化を。29日の安倍総理所信表明演説に続き30日代表質問が始まった。喫緊の課題である増税、安倍カラーと言われる憲法改正、安保法制等は影もなく、地方創生、成長戦略が主要テーマになってきたがアベノミクスの成果を経済指標でPRし、経済再生と財政再建を両立させ「経済の好循環」を確かなものにするという。

円安、株高効果で企業の業績も上向き有効求人数は1.10倍の高水準、平均2%の賃上げなど都市では成果らしく見える一方で、アベノミクスが波及していないこともあり、全国津々浦々まで景気回復の実感を届けるという。

しかし、政府がアベノミクスの成果を吹聴すればするほど消費税増税も絡んで消費は落ち込み円安による物価高と「経済の悪循環」の様相を呈している。

30日のテレビ朝日「報道ステーション」によると、代表質問で民主党の海江田代表は実質賃金指数を取り上げ昨年7月から一貫して対前年比でマイナスで7月にはマイナス1.7%だと、安倍総理に説明を求めた。

これに対して、安倍総理は今年の賃上げは過去15年間で最高となり、一人あたりの名目賃金に雇用者数を乗じた所得賃金である雇用者所得は昨年4月以降上昇基調であると反論した。

私たちの実感は海江田さんの言うとおりだが、総理は他の経済指標を使って応じた。

恐らく、安倍総理も海江田代表が言うように実質賃金はマイナスであることを知っているはずだが、自分の経済政策を肯定するためにプラスの成果となる経済指標を持ちだしたのだ。

こんなわけだから質疑はかみ合わない。

きちんとアベノミクスの成果を議論するには、経済指標を共有化する必要がある。

物価上昇分を差し引いた経済指標と賃上げを強調した経済指標では結果は異なる。それでいいと判断されては国民は困るのだ。

しかし、「今の物価上昇により、賃上げの上昇を実感しづらい環境にあること」まで否定はしなかった。

今後消費税増税10%に向け今の景気をどう見るかは重要な判断材料であるが消費税増税の決断は国会終了後となることに疑問がある。

安倍総理は、10%引き上げでは冷静な経済分析を行った上で、経済状況などを総合的に勘案しながら適切に判断すると言うが、政府、与野党ともに議論する場合は指標を共有化すべきではないか。