今の安倍政治を地震に例えると安倍という政治的活断層が日本全国を揺らしている。安倍さん自身とその政治手法が今まで各政権が養ってきた政治の論理的整合性を攪乱する要因になっている。特に今回の安保関連法案は従来の政権が踏襲してきた憲法解釈を破棄し立憲主義を否定、今我が国は「違憲か」「合憲か」で揺れているが国民の8割はよく分からないのだ。
京大名誉教授で憲法学者の佐藤先生も「憲法の根幹を安易に揺るがすようなことはしないという賢慮がない」と強調した(朝日新聞2015.6.9天声人語)。
とんでもない人間が総理になり権力を振りかざすので官僚も自民党議員も恐れを成し萎縮する始末だ。それでも国民は安倍さんは信用できないが他にマシな内閣がないと言う理由で内閣支持率は読売新聞の世論調査で53%だ。
先の自民党総裁選では予選で1位だった石破さんを破って総裁に就いた。第一次安倍政権で体調不良で政権を投げ出したにも関わらず帰り咲いた。石破さんが自民党を改革するのではないかとの心配から世代交代を遅らせるのを自民党議員は選択したのだろう。
今までの経済政策ではダメということでリフレ派を重用し日銀総裁を更迭して大胆な金融政策を採用し、まだ不十分とは言いながら一定の成果を上げることが出来、それが安倍さんの立場を揺るぎないものにしたのは確かだ。
でも自民党は憲法改正を党是とし、安倍さん自身祖父の岸信介さんや父親の安倍晋太郎さんも出来なかった憲法改正に果敢に取り組み、その第一歩である国民投票法を成立させた。
ところが我が国の憲法は硬性憲法で改正のハードルは高い。憲法9条を改正したくても両院の発議条件である2/3の議員による発議は難しい。1/2にハードルを下げる案も出ているが取り敢えずは2/3をクリアーする必要がある。
そんな事をやっていれば何時になったら可能になるのか分からない。そこで安保法制墾で「集団的自衛権行使容認」の報告を受けたのを機会に国会審議を後回しで閣議決定の暴挙に出た。内閣法制局まで人事介入し政権寄りの解釈を強制してしまった。
これは立憲主義を蔑ろにする政治行為で「違憲だ」と批判が上がった。それでも政府は最高裁の砂川判決も引用し集団的自衛権を「合憲」とし、安保環境は根本的に変容しており政府の憲法解釈との論理的整合性及び法的安定性は保たれていると強弁する。
「違憲かどうかを判断するのは最高裁」、「国民の命、生活を守るのは政治家であり憲法学者ではない」と自民党幹部は「違憲」に反論する。
でも最終的に判断するのは主権者である国民ではないか。与野党がもっと国会で議論を展開し国民に情報を開示するべきだ。審議時間80時間で強行採決では安倍政権は終わりにしようではないか。
安倍政権という活断層が暴れる前に防災対策を取るべきだ。
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