2015年6月18日木曜日

安保関連法案の国会審議、党首討論:議論と事態想定が実際と合っているのか、机上の空論か

安保関連法案の国会での審議、党首討論での法が想定する事態は実際の事態と合っているのか。審議を聞いていてそんな気がしてくる。安保関連法案は担当部署あるいは多義に渡るときは各省の担当者集まって法の構想を練るはずだ。

よく知っているはずの官僚は表に出ず、余り知らない大臣同士がペーパーの棒読みで議論しているように見せている。大臣が答弁に詰まると耳打ちしたり、メモを渡したりして援護する。

でも茶番劇に見えて仕方ない。後方支援だとか重要影響事態、存立危機事態などと議論するが官僚も大臣も実際にどういうものなのか経験したことがあるのか。兵站するにしても戦場近くに安全な場所があるのか。万一戦争状態になったら応戦することなく退避するということが実際に出来るのか。

戦争も知らない年代の官僚、議論する国会議員が実際の事態を想定できているのか。甚だ疑問である。

所謂「机上の空論」になる。

では法案はどうやって作成されるのか調べてみた。

新しい法案の場合は考え方、ニーズ、改正する場合はその理由、ニーズをまとめ理論武装する。それに言葉の解釈、逐条解説が加わり法案が出来上がる。

だから考え方、ニーズで何を想定しどう対応しようとしているのかが分かるはずだ。そして用語の解説、逐条説明で更に突っ込んだ説明になるはずだ。そんな物がありながら何故、国会では堂々巡りの審議になるのか。内容がよく分からないと茶番劇の「やらせ」としか思えない。こんな状態で8090時間過ぎれば審議打ち切りでの強行採決となるのか。

17日の党首討論も相変わらず騒々しい雰囲気の中で議論は平行線に終わった。

岡田さんは「集団的自衛権の限定行使が必要なのはホルムズ海峡での機雷掃海だと言うが安全保障環境でどんな根本的な変容があったのか」と問う。安倍さんは「国際社会がより協力していかなければならない状況の中にある」と答えるが答弁にはなっていない。こんなことは法案作成時のニーズに出てくるはずだ。安倍さんは「日本の石油の8割がホルムズ海峡を通っているから政治家として逃げるわけにはいかないのだ」とも言う。

朝鮮半島有事の時の武力行使も3条件に合ったときだという。

どういうことでなければ武力行使しないかどうか政策的な中身を晒すことになり国際的にもまずい。そんな事を全て言う海外のリーダーはいないと安倍さんは言う。

でも、それでは集団的自衛権行使を縛ることにはならないのではないか。国会審議自体を否定することにならないか。どういう事態が起きるか、官僚も政権も予測不可能なのか。

岡田さんは時の内閣に武力行使を「する」「しない」、憲法違反に「なる」「ならない」の判断を丸い投げしている。白紙委任ではないかと攻めるが、安倍さんは常に国際状況を見ながら判断しなければならないと繰り返すばかりだ。

そして、憲法違反の指摘があるのに推し進める危険性、国会審議もなく国民の理解もないのに内閣の判断だけで閣議決定したことを批判したが、安倍さんは正当性、合法性について完全に確信があると逃げた。

共産党の志位さんが後方支援であれば武力行使と見なされない国際法上の概念でもあるのか問うと安倍さんは憲法上の概念でもうしあげているのであり国際法との関係はないという。

また、兵站(後方支援)は軍事攻撃の格好の標的になることは軍事の常識だと真っ当な意見を述べていた。

官僚や政権側の事態想定の甘さを垣間見た感じだ。

また、安倍さんの答弁も自分の知識の範囲内でしか答えないから質問と答弁が合わず岡田さんの「私の質問に答えていない」と言うことになる。


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