［逆説］ 船田さん良くやった：安保関連法案の「違憲」という問題提起した功績は大きい

船田さん　良くやった。今、国会審議中である安保関連法案が違憲という問題提起した功績は大きいのではないか。衆院憲法審査会で3人の憲法学者を呼んでの会議で民主党議員の不意打ちの質問があったとはいえ「安保関連法案の合憲性」が話題になることは十分に予想できたはずだ。それでもこの時期に開いたのだ。

普段憲法を意識する時というと何かの事件で「環境権」「人格権」「生活権」などが話題になる時だったが、今回は安倍政権が国民の命、生活を守り、厳しくなって来た国際安保環境に対応すべく憲法9条で集団的自衛権の行使容認を目指す安保関連法案の「合憲か」「違憲か」を国民の身近に提示したのだ。

各党が指名した3人の憲法学者がそれぞれの理由を挙げて「違憲」と断じた。特に自民党推薦の憲法学者まで「違憲」と言ったので政府、自民党は驚いた。

船田さんのセンスを疑う批判も飛び出したが、「憲法学者と現実にはギャップがある」「国民の命、生活を守るのは憲法学者ではなく、政治家だ」「合憲とする憲法学者はいっぱいいる」「憲法判断の最高の権威は最高裁だ」など、与党から「違憲」に対する多くの反論が飛び出した。

ここまで来れば憲法学者も黙っていない。「違憲」声明に賛同する学者が200人を超えた。学識経験者、弁護士達も行動を起こす結果になった。

そして9日、新3条件、砂川判決を引用し集団的自衛権の行使などを盛り込んだ法案は「憲法に適合する」との反論を政府が公表した。

泥沼化の様相を呈してきたが、そのきっかけとなった船田さん率いる憲法審査会の功績は将来のことを考えると大きいのではないか。更に大きな国民的運動に持って行くべきだろう。

現憲法を守るのは私たち国民一人一人だ。自民党が圧倒的多数の議席を占める現国会で、安倍政権という特異な政権の思い通りの解釈改憲を許してはいけない。

憲法改正が必要なのであれば堂々と憲法改正の手続きを踏むべきだ。