最近の地震、火山噴火を見ていると9世紀の状況に非常に似てきたという。だとすると巨大地震、巨大津波、富士山など巨大火山噴火そして更に京都などでの群発地震の発生など間違いなく起きるのだが、何時起きるか分からない大災害を正しく恐れることはなかなか難しい。
5月22日奄美大島近海地震で震度5弱、25日は14時28分埼玉県北部地震M5.5,震度5弱、そして30日は20時24分小笠原西方沖を震源とするM8.1,震度5強で日本全国が震度1以上の揺れを感じた。火山噴火では29日の口之永良部島の新岳噴火があり島民避難の事態になり、桜島も爆発的噴火をしている。
読売新聞 2015.6.1 |
この小笠原西方沖地震は当初M8.5,深さ590kmと発表されたが31日M8.1,深さ682kmに訂正された。しかし地震規模が大きいことに変わりなく、深さ682kmとは、沈み込むプレートがマントルの熱で軟らかくなる付近で最深の震源域だ。読売新聞(2015.6.1)の「小笠原沖 震源は最深級」の説明イラストで今回の地震が世界的にも珍しい地震だったことが分かった。これが浅ければ巨大な津波の恐れも出てくるのでヒヤッとさせられた地震だった。
今後もM7~8クラスの余震に気をつけろとは気象庁の決まり文句だ。
巨大地震の発生確率が発表されている。首都直下地震は「30年以内にM8~9、発生確率70%」、関東地域の活断層長期評価では「30年以内にM6.8以上が2~40%」と地震調査研究推進本部が発表した。
関東地域の長期評価結果 地震調査研究開発本部 平成27年4月 |
30年以内というと「まだちょっと先だ」「自分はもう生きてはいない」と安心感も出てくるが、発生確率70%はいつ起きても不思議ではないし、関東山地-関東平野の区域3の発生確率が1~3%といってもいつ起きるか安心できない。兵庫県南部地震の発生確率は確か0~8%だったが起きてしまった。
関東地域のその他の各区域の長期評価結果を見ると、伊豆―小笠原弧の衝突・プレート沈む込み帯で15~20%、伊豆―小笠原弧2~3%、糸魚川―静岡構造線周辺30~40%などでどこを見ても何時巨大地震が発生してもおかしくはない。
研究が進むといろんな新しい事実が分かってきて発生確率も見直されるようだ。
関東平野の地下には3つのプレートが存在し複雑に動いているというが以前、4つ目のプレートがあると発表した研究者がいた。4つ目のプレートの存在で今まで説明できなかったことも説明できるというのだ。しかしその後どうなったかは分からない。
更に、今まで考えられていたよりもプレートの深さが10km浅いことが分かったことで発生確率もあがったようだ。
それにしても小笠原西方沖地震の震源の深さが682kmと深かったことには驚いた。いつも沈み込むプレートの先端がどうなっているのか知りたかったが、今回の地震の震源が読売新聞(2015.6.1)の「小笠原M8.1、最深級」の記事の説明イラストで100kmの厚みのプレートが最初は曲がって沈み込むがその後はまっすぐに沈む込み、マントルで熱くなり溶け出す付近だというのだ。
31日に岡山で結婚式があって品川を始発の「のぞみ」で出かけたが、今回の震源深さは新幹線で3時間走った距離と同じ深さなのだ。そのために日本全国で震度1以上の揺れを経験したことになるらしい。
岡山で「昨日の地震はすごかっただろう」と聞いても返事がない。天災は直に経験した者でないとその恐ろしさはわからないのだ。そこが対応の難しいところなのだ。
いつも出かけるときは「今日は起きないだろう」と願いながら出かけるが、先月25日に鎌倉に取材に行った時は埼玉県北部地震で鎌倉も揺れたが、自分の利用する電車には影響がなくホットしたものだ。
今世紀は、巨大地震、津波、火山爆発、度重なる群発地震に襲われた9世紀の状況に酷似しているという。まだ15年しか経っていない。あと85年で甚大な災害に逢うことに間違いはないのだ。
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