安保関連法案をめぐり自民党内に危険な兆候が見えている。安倍系保守がリベラル系を駆逐しようとしているのだ。安倍総理の国会運営は横暴を極め野党との溝は深まるばかりだが自民党内にあっても安倍総理にすり寄る議員とそうでない議員(?)との間に溝が出来ている。
新聞報道によると、リベラル系と見なされる宏池会の議員が立ち上げた「分厚い保守政権を目指す若手議員の会」が予定していた会合を取りやめた。講師が安倍政権に批判的立場で執行部に気兼ねしての処置だったのだろうが、党幹部の1人が「安保関連法案の審議に影響する」と中止を求めていたそうだ。
又、これも酷い話だが安倍系の若手議員が立ち上げた「文化芸術懇話会」という勉強会でメデイアを虐めろというのだ。広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけてメデイア規制を強化しろというのだ。
政権に批判的な報道を規制しようというのだろう。若手議員がこんな考えを持っているとは驚きだ。そんなに安倍総理は理想的な政治家なのか。
憲法審査会で招聘した3人の憲法学者全員が安保関連法案を「違憲」と断じて以来、国会の審議は滞りがち、野党はとことんそれを根拠に繰り返し批判、反対の声を上げる。
国会外では憲法学者、有識者、民間団体が「違憲」「憲法9条を守れ」「戦争をさせるな」「安倍政権打倒」と声を張り上げる。
朝日新聞の最近の世論調査によると、安保関連法案への賛成は29%、反対が53%、今国会での成立は不要が65%に上る。民意はあくまでも反対だ。
ところで自民党はこの民意を反映した議席になっているのか。安倍政権にこびて法案成立に邁進する議員は30%、反対が70%となっているのか。
9月の自民党総裁選では対立候補が見当たらないのだ。自民党は挙げて安倍さんの毒牙にやられたのか。それとも強権政治に恐れを成し、安倍さんが体調不良で退陣するか、任期満了で退陣するのを待っているのか。
今、自民党の支持者は中国や北朝鮮、中東情勢を考えれば日米同盟を強化し抑止力を高める事に賛成する人も多いだろう。でも「安保関連法案は不要」、「急ぐ必はないのでは」、「自民党支持を止めた」という意見も多いはずだ。
自民党内のリベラル系議員は何を考えているのか。所属議員が多くなると、考え方もマチマチで統制が難しくなる。政治手法、考え方の違い、主導権争いで分裂することになるのだが、昔は派閥の長も大物でチャンスがあれば総理の座を狙っていた。今はどうか。派閥の領袖も小者になった。重要人物が内閣に取り込まれているのであれば大臣を辞任してでも反対の立場を強調すべきだ。
もっと国会議員は1人1人の良心で行動したらどうなのか。
昔、安保改定の時、国会を取り巻く安保反対運動に屈し岸信介総理は「声なき声」に耳を傾けるとコメントし辞任した。自分は辞任するが「安保改定に賛成の国民は多い」と言うことを言いたかったのだろう。
一方、安倍総理はどうするか。多くの国民が反対しているにもかかわらず少数意見を押し通そうというのか。
自民党は分裂する勇気を持て。
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