今騒動中の新国立競技場問題で逃げ回っていた(?)安藤さんがやっと16日公の場に出てきて釈明した。「ザハ案を選んだ責任はあるが総工事費に責任はない」というのだ。安藤さんは国際コンペの審査委員長で「そこまで」というのだ。
基本的立場は、安藤さんはコンペまでで基本設計以降は責任はない。相談も受けていないという。
当初予算の1300億円が1625億円になった時「どうして」という感じだったがコンペではデザインを重視し工事費については深く掘り下げなかったという。
ザハ案を選んだのは流線型でインパクトのある設計だった。2016年の招致に失敗しているのでそれを取り戻す考えもあってこのザハ案を選んだそうだ。
工事費が2520億円だが、もっと工事費を下げる努力をゼネコンも含めてやるべきではないかとも言い、ザハ案には惚れ込んでいるようで維持すべきだともいう。
工期の問題で一番気になるところはラグビーW杯だが、2つのイベントがやれることに越したことはないという。
考えてみると工事費については1300億円でも高いと思うが当初からバブル感覚があったのではないか。その根拠が分からない。だから最初から工事費についてはつっこんで検討したことはないのだ。
そして安藤さんが指摘していたが、強いリーダーシップが必要だという。文部科学相か総理大臣かだれか。
この種の大事業ではリーダーが必要なのは当然だ。誰が考えても大会組織委員長で先のJSCの有識者会議で「ここまで工事費を縮小できた」と評価した森さんではないかと思っていたが、森さんは自分の利権で動いていただけなのだ。
そうすると今までいろんなところで姿を見せた下村文部科学相と思うが「今までの過程を検証する」と責任者探しの発言をしている。安藤さんに説明責任を求めたのも下村さんだった。
これぐらいの大事業でリーダー、責任者があいまいとは驚く。しかも工事に経験のない文部科学省の役人が事務を担っていたのだ。
そして何よりも責任があるのは安倍さんではないか。
東京招致が決まるかどうかのIOC総会で「他に例のない真新しいデザイン」の競技場を作り予算もあると断言したのだ。これが役人の間では国際公約になっている。
安倍さんの発言が旧国立競技場の改造などザハ案以外でも検討しようとするフレキシブルな考えに障害となり、早々と旧国立競技場を解体する運びとなったと想像する。
安保関連法案の委員会強行採決、衆議院通過で内閣支持率が急落する懸念から新国立競技場の騒動に早く終止符を打ちたい政権が見直しの検討を始めたという。
与党内でも異論が出てきたことも大きく影響しているのではないか。
このままでいけば「箱モノは立派だが大会の成績はどうしたことか」と批判されるのは目に見えている。オリンピックへ出場するアスリートたちにとっても苦難の代物になりかねない。
そして、ゼネコンの一つである大成建設は「地図に残る仕事」とCMを流しているがこの新国立競技場が「地図に残る負の遺産」とならないようにゼネコンとしてのプライドのある仕事をしてほしい。
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