安倍政権の本質は従来の政府見解である「法的安定性」も軽視する政権なのか。憲法違反が指摘されている安保関連法案を成立に向けて突き進む安倍政権を見るとそんな感じがする。
恐らく安倍官邸内では「法的安定性を言っていては国民の命、平和は守れない」という考えがはびこっているのではないか。だからこそ今回の首相補佐官の「法的安定性は関係ない」発言が出てくるのだ。
「国民の命、平和を守るため」と言えば法的安定性否定を緩和すると思っているのだろうが批判は収まりそうにない。この発言で批判が高まると本人は弁明に努めるが、そもそも「こう言えばどうなるか」の危機管理意識に乏しい。
この発言で政権は挙げて鎮静化に努める。
表向きは、「9条のもとでも自衛権は認められるが自衛権は必要最小限度だ」という従来の政府見解だが、安倍政権は全面的集団自衛権は法的安定性を損なうが、限定的自衛権行使は法的安定性を維持するという見解だ。この限定的自衛権行使が無理筋な発想であるが新法案では新3条件を言うらしい。
安倍総理も国会審議で「日本が攻撃される恐れのある事態」に対しての野党の質問に「新3条件など総合的に考えて判断する」という。権力者の判断に全面的に負う「縛り」に欠ける法案に運用上の危険があるし「戦争に走る」指摘も無視できない。
今の日本は現・平和憲法を礎に築かれたという歴史をどう考えるのか。多くの国民が持っている感情だ。
安保関連法案は参院で審議されているが60日ルールでいけば成立しているに等しい中で、野党にがんばってもらう必要があるが、如何にせん国民の政党支持率は一ケタの前半で自民党支持の30%台を大きく下回る。
こんなに批判があるのに何故30%台の政党支持率を維持しているのか。民主党政権のことを考えると、まだ自民党政権の方がマシなのか。
最後は公明党の立ち位置だ。政権与党の一端として甘い汁を吸い続けるか、創価学会会員も国会周辺デモに参加しだしたことを考えると政権与党から離脱し安倍政権の暴走にブレーキをかける野党に転じるか。
国会議員自身、そして政党への国民の信頼をどう勝ち取っていけるか。大事な試練に立つ国会になってきた。
政権、与党は「対案を出せ」と野党を揺さぶるが、「違憲の安保関連法案」に対する対案などあるのか。
廃案しかないのだ。
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