新国立競技場 計画変更 2015.5.19 報道ステーション |
まず工事費の二転三転には驚くばかりだ。当初は本体工事1388億円、周辺工事237億円の1625億円だったが、最終的には2520億円で900億円のアップというがこれが上限額ではなく目標額だそうだ。その900億円のあてもできてはいないらしくスポーツくじとか民間に命名権を与えるとか、東京都と国が折半して負担するなど文部科学相の説明は信用できない。
7月中に工事業者と契約するらしいが、工事費、工期は大丈夫なのか。またこういう巨大な工事になると高低差の整地のための人工地盤工事、10000本とも言われている既存杭を抜いたり新しい杭を打ち込む工事、更には1番目に付く巨大な2本のアーチの設置工事などやってみなければわからない難工事でどんな問題が飛び出すか予測できない。
この難工事を日本のゼネコンがやり通したことを世界に示せば日本の技術の高さをPRできるという意味もあるだろう。
でも、それが即工期や工事費に結びつくことになるが、そういったときの追加工事が予測不可能だったら当然にゼネコンと協議ということになる。ゼネコンは私企業だから大きな損失は出せない。施行主である日本スポーツ振興センターが被ることになり税金による補てんということになるか。
工期、工事費のコストダウンに今もくすぶっている旧国立競技場の改修という案もあったはずだ。
しかし専門家などの協議の場で日本スポーツ振興センターは、問題点として耐震性、8万人席、観客上の屋根など国際基準に適合しないというし、改修工事では2019年のW杯開催に間に合わないという。これは新聞紙上でよく話題になっているので皆知っているはずだ。
しかし、もう一つ大事なことがあるのだ。
2013年9月の東京オリンピック開催招致のIOC総会で安倍さんが「他のどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアム」と建設すると言ったそうだ。これがどうもザハ設計の建造物を言っているようだ。
1国の総理である安倍さんが国際会議(IOC総会)で約束したことだから守らなければならないという意識が政治家や官僚の間に強かったのだろう。だから工期とか工事費の問題点を指摘しても仕方なかったのだ。
このザハ案を国際コンペで採用を決定した責任者は建築家の安藤さんと言われている。その安藤さんがこれほど騒ぎになっているにもかかわらず公の場で説明せず逃げ迷っている姿にも不信を感じる。
恐らく安藤さんは建築家としてこの案は無理と内心思っただろうが森さんや文科省の役人に「安倍さんが約束したこと」と言い含められたのだろう。そう考えると気の毒な感じがする。
しかしこうなった以上は文科省、日本スポーツ振興センター、ゼネコンが公開の場で国民に説明すべきではないか。
国民のコンセンサスを得られなくて、どうしてW杯、オリンピック、パラリンピックの成功があるのか。
0 件のコメント:
コメントを投稿