2015年7月23日木曜日

新国立競技場ゼロベース見直し(2):始まった無責任論争、森vs文科省、JSC,東京都知事

新国立競技場の問題がゼロベース見直しになったと思ったら森さんが逆ギレし文科相、JSC、舛添東京都知事らと無責任論争が始まった。

先の有識者会議で「よくここまで縮小できた」と工事費2520億円を評価したのも束の間、安倍総理が内閣支持率の急落に危機を感じ、新・国立競技場問題で国民の批判に耐えきれずゼロベース見直し、安倍総理がトップで官邸に作業チームを設置したことで今までリーダー的存在の言動をしていた森さんが文科省、JSC,東京都を相手に暴言を吐き出した。

森さんが発言するほど計画の杜撰さが明らかになる。

森さんは組織委員会会長でもあるのに「自分が大迷惑している」というのだ。日本記者クラブでの会見で「クラウンに乗っていたら後からセンチュリーがやって来て、これに乗れという。乗った途端にパンクした」という意味の発言をし、今まで努力してやって来た仕事が台無しになりゼロベースからの見直しになったことに不満があるらしい。

2520億円を「これっぽっちのカネ」と言い、ボート会場の工事費が1000億円になることを考えると高くはないと言う論法だ。これは舛添さんがテレビ番組で「当初1000億円だったが今は500億円弱に見直しされた」という。森さんはそのことを知らないらしい。

なんだかんだ入れると事業費は2兆円になるらしい。ところがそのことを国民は知らない。今はザハ案の国立競技場が2520億円だということだけだ。ギリシャの財政破綻の一環にアテネ五輪での1兆円があり、拍車をかけたという。日本でも財政難の折、東京オリンピック招致が財政負担になる事は明らかだ。

文科省、JSCの秘密裏の事業推進に批判が出ているが、いつものことだ。あの長野の冬のオリンピックでも会計の不明朗さが指摘されたとき結局は領収書を紛失したとして曖昧なままに終わった。

恐らくオリンピック招致活動などで不明朗は出費があったのではないかとみられているが役人がかくしてしまった。

今回の東京オリンピックも巨大なイベントだ。メインの国立競技場はシンプルなスポーツセンターにし、どういう施設、環境整備、付帯施設、オリンピックとは関係ない事業、招致活動などにいくらかかっているのか会計を明朗にすべきである。今から決めておかなければ官僚がどんなずるい手を使うか分からない。それが無駄遣い抑制になる。

又、今までの杜撰な作業に批判が大きく文科相の責任を問う声も大きい。文科相は「これからしっかり仕事をすることで責任を全うしたい」という意味の発言をしていたが「もうお前は退け」と言われていることが分からないほど厚顔なのか。

思えばオールジャパンで取り組むとすると、直ぐに偉い方々(?)を並べての組織作りだ。日本的考えで良いと思う一方で、そういう人たちの顔色を見て仕事をするためになかなか意見を言いにくい。

特に今回はIOC総会での安倍さんの「他に例のない真新しいスタジアム、十分な財政処置」の発言がフレキシブルは考えの障害になり見直しの決断が遅れた。組織委員会の森さんが相手では鈴を付けるのは安倍さんしかいないと言うことになるが、安倍さんにも大きな責任がある。

今後新しいデザインが公募されるらしいが、どうして環境を害するような奇抜なアイデアが採用されるのか。複雑な構造ほど日本の建築力を世界にアピール出来ると思っては間違いの元だ。競争するのはアスリートだ。先のザハ案を森さんは「生牡蠣に似て嫌いだった」と言ったが、多くの国民もそう思っているのではないか。

もっと日本的なものに出来ないのか。東京オリンピック招致活動で「お・も・て・な・し」と言っていたが「おもてなし」であればもっと日本的なものに出来ないのか。選側に意識改革が必要だ。

報道によると、ラジオ番組に出た安倍さんに「デザインを国民投票で選んだらどうか」と言ったら「国際コンペが義務化されているので難しい」といったそうだ。頭から否定するのではなくどうしたらよいのか真剣に考えるべきではないか。

森さんに「止めろ」という人は安倍さんしかいないが無理だろう。森さん自身が辞退するのが本筋だ。今のままでは老害以外の何物でもない。


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