自民党は変質したのか。若手議員で作る「文化芸術懇話会」での報道機関弾圧発言に危機を感じ早期の幕引きを図るべく自民党が関係者の処分を行ったが「処分が厳しすぎる」、「若手の言論を抑制して良いのか」と異論が続出しているようだ。
今国会で審議中の安保関連法案に影響してはまずいという自民党執行部が早期に処分を決めたのも安倍総理に忖度してのことであるし、何かに付け政府の政策を批判するメデイアを牽制しようとする若手議員も安倍総理に忖度しての発言、行動のはずだ。
2014年の「アベノミクス解散総選挙」では安倍さん自身が民放テレビの街頭インタビューの偏向報道に生出演で噛みついたが、その後安倍総理の意向を忖度し官邸スタッフによるメデイアへの牽制が始まった。究極は報道ステーションの古賀発言だった。
そして今回の報道機関弾圧発言に対する野党の追及も、安倍さん自身は「私的な会合での発言」「出席した本人に成り代わって謝罪することは出来ない」、それでも続く追求に「本当なら大変遺憾だ」と言ったり、「自民党は報道機関を弾圧する様な政党ではない」と言うが今までやってることは逆ではないか。
だから安倍さんの国会での答弁を聞いていると若手議員はもっとメデイアを牽制しても良いんだと誤解する。大西と言う議員は厳重注意を受けた後も暴言を繰り返し再度厳重注意を受けたらしい。本人は68歳、何でこの年で若者なのか。68歳にもなればもっと良心もあるはずだがこの程度の人間しか自民党にはいないのか。
党としての責任者である谷垣さんは安倍さんと話した後,「表現の自由は民主主義の根幹だから配慮していくという姿勢をはっきり示さなければならない。沖縄の方の気持ちに反する発言があった事は極めて遺憾だ」と安倍さんが言ったと言うが本当なのか。だったら最初からそう言えば良いのだが謝罪を拒否していたことを考えると自民党総裁として反省はしていないのだ。
自民党もおかしくなってきた。
安倍政権の潮目も変わりつつある。安保関連法案の国会審議で政権の支持率は下がってきた。これから強行採決などやれば更に下がるだろう。そのことは本人たちも一番よく分かっている。
肝心の安保関連法案を審議する特別委員会でも様子が違ってきた。民主党の長島さんが29日の委員会での質疑で「集団的自衛権と個別的自衛権の違い」について質問したが答弁に立った横畠内閣法制局長官の答弁は安倍総理の答弁とも食い違い、中谷防衛相の答弁は過去の法制局長官とのズレが露呈したという(朝日新聞2015.6.30)。
法制局長官は歴代、集団的自衛権行使には反対なのだが、反対する法制局長官を更迭し賛成の長官を任命したが急死により生え抜きの横畠さんが就任した。本来反対の立場なので政権の要求で急に賛成の考えに変えても無理だ。長続きはしない。安倍政権と解釈が変わっても仕方ないことだ。
自民党はこのままで良いのか。安倍系保守vsリベラルの構図を考えるとリベラル系は何をしているのか。
1日午前のANNニュースで安倍さんが「谷垣さんも死んだふりをしていたがそうでもないんだな」という意味の小馬鹿にした発言をしたらしい。報道機関弾圧発言の議員を処分し、大西さんを再処分したことを表しての安倍さんの発言だったのだろうが、リベラル系を批判したようにも思える。こんな了見、懐の狭い2,3世議員に頼っている自民党もおちたものだ。
更にテレビ番組への出演を止めさせたこと関しても「若手の発言を封じるじることにならないか」と批判の声が上がっている。何でも思ったことを言えば良いというわけではなかろう。
安倍系保守は自分たちの言動が不利になるとみると「表現の自由」「言論の自由」の大事さを主張するが、自分たちを批判する言動には牽制するなど抵抗する。
身勝手な言動が増える自民党だ。菅官房長官は「党の問題」と突き放し、谷垣さんのお手並み拝見といったところか。安倍政権の利することでないと動かないということだ。
安倍さんが言ったようにリベラル系は眠っているのか。
この辺でその存在感を示し、集団的自衛権行使にも反対し9月の総裁選には安倍さんの対抗馬を出し結集すべきではないか。今声高に反対を言っているのは村上さんだけだ。
それでも安倍系保守による締め付けが厳しくなるのであれば分裂、離党し第2のリベラル系保守党を結成したらどうか。それが政界再編の動きにもつながる。郵政民営化などで優秀な議員が自民党を離党した経験がある。新しい党を結成しうまくいっていない者のいるし、自民党に出戻って要職に就いた議員もいる。一寸先は闇なのが政界だが、自民党議員は安倍さんに牛耳られるのではなく、一人ひとりの良心で動いたらどうか。
安倍政権で自民党が変質することに違和感を感じる。
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