2015年10月28日水曜日

南沙人工島12海里に米・駆逐艦進入:「手を出せない」という前提の中国の安心感に楔?

中国が国際ルールに反して強行している南沙諸島での人工島造成、軍事基地化に対してやっと米国が「航行の自由」確保のために12海里内に駆逐艦を進入させ、どこも「手を出せない」だろうという中国の安心感(?)を前提とした不法行為に楔を打ち込んだ。

オバマ大統領の生ぬるい対中外交に国内で批判が高まってきたことで、やっと重い腰を上げたことになる。駆逐艦「ラッセン」は報道では米軍・横須賀基地所属らしい。中国が領有権を求めている問題に絡んでの米国の軍事行動であり、先に成立した安保関連法でも今後の動きが気になるところだ。

中東でタンカーなどを海賊船から守るために自衛隊が行動しているが、南沙諸島海域では中国からの「航行の自由」を守るために自衛隊が米軍と共同作戦をとる可能性もあるのだ。

中国の南沙諸島での不法行為は米国も言うように「海洋権益を過度に主張する」行為で有り、スービ礁、ミスチーフ礁は満潮時は「低潮高地」暗礁で国連海洋法条約では領海を主張できないが、それを強引に主張し近隣諸国の不安を煽る中国の乱暴な覇権主義の現れだ。

国連安保理は相変わらず役に立たない。潘事務総長の動きも鈍い。だからいつも米国中心の軍事行動(?)に頼るしかない。そういう弱い国連事務総長を選んだのも強い国連事務総長を嫌った米国のせいだという。

ロシアは今まで何かあると自由主義vs社会主義の構図で中国と行動を共にしてきたが、最近は中国のアメリカとの二大強国構想で中国を援護する事は少なくなった。イギリスは先の習主席の訪英で7.4兆円もの経済援助を受けたばかりで反対するわけにはいかない。フランスの動きは分からない。この地域では利権がないのだろう。

こう言う海外での中国の覇権主義は今後も続くだろう。

リマンショック後、中国は経済を支えるために日本円で54兆円という巨額の投資をし国営企業を乱立し、雇用の創出で世界経済を引っ張ったが中国経済のバブルが弾け、国内は内需不足、労働力過剰で海外へ生き残る道を求めなければならなくなった。

この南沙諸島の埋め立て、軍事基地化もその一環ではないか。今になって「止めろ」と言っても、こう言う不法行為はやってる方が強い。

後は、地球温暖化でこの岩礁の潮位が高くなり使えなくなることを願うばかりだ。


報道によると中国はこの件で「小細工により中国の正常な建設作業を妨害できるとの幻想は捨てた方が良い」とコメントしていたが、「国際ルールに反してまで不法行為を進める中国に国連安保常任理事国の資格があるのか」と問いたい。

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