2015年10月22日木曜日

中国、英で4000億ポンドの経済支援:イギリスはいつから新興国になったのか

新聞報道を見て驚いた。中国は英国で4000億ポンド(円換算で約7.4兆円)の経済支援をすると言う。イギリスはいつから新興国になったのか疑うくらいだ。南沙諸島での領土問題など覇権主義で孤立化している中国が対中包囲網を切り崩すためにG7の一員であるイギリスと黄金時代を築くという。

先の訪米では航空機の大量発注にもかかわらず岩礁埋め立て軍事基地化やサイバー攻撃問題で冷遇された事とは反対に、英国の厚遇振りは異常に見えた。

両国で結んだ経済案件に原発建設に1.1兆円投資、行く行くは中国製原子炉の建設も考えられているようだし、高速鉄道建設など4000億ポンド(約7.4兆円)に上る。

中国は他にもロンドン全域に水道水を提供する水道事業にも株式保有という形で参加している。

エネルギー、交通網、水道など英国の生命線が中国に握られている感じで、何かあったときにはしっぺ返しを食う危険もはらんでいるし、大きな爆発事故が続く中国の技術を安心、安全で信頼して良いのかと疑問に思う。天津の大爆発事故、過去には高速鉄道での転覆事故で高架橋から落下した車両を原因究明もせずに破壊、埋め立てしていた画像を忘れてはいない。

経済ばかりでなく、海洋航行の自由や人権問題を横に置いて中国と付き合う事への危惧も国内外で出ているようだ。

それにしても英国はそんなに財政的に困っているのか。中国だって国内経済は最悪の状態だし7%の経済成長率から6.9%に落ちたと騒いでいるが実体は3%程度という研究報告も出て来た。

そんな中国に助けられなければならないのか。

英国経済のニュースは余り目に止まらなかったが、キャメロン首相はEU離脱の国民投票を2017年末までに予定しているがイングランド銀行のカーニー総裁はEUに加盟していること評価している。賛否は五分五分らしい。

財政赤字はGDP比11.1%で最も悪く、緊縮財政を断行、経済は低迷し財政再建は厳し
いようだ。経済成長は失速しGDPも前期比0.5%増で低迷、経済指標も悪化しているようだ。

アジアインフラ投資銀行AIIBに先進国では一番早く参加を表明したのも英国だ。中国主導の投資を期待してのことなのだ。

ウィンウィンの英中関係だと言うが、英国は何時新興国になったのか。今の対中関係は民主主義vs社会主義の構図でもある。経済ばかりで関係を築いていくのは危険な事だ。


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