2015年10月30日金曜日

南沙諸島「航行の自由」で気になるニュース:米国・上院が日本へ支援要請決議か

米国が中国・南沙諸島人工島の12カイリ内進入で「航行に自由」を守ることを世界に示したが、米国・上院が「日本へ軍事行動支援要請決議」をしたという気になるニュースが28日の昼の情報番組で流れた。本当かどうか29日の新聞報道を見たが見当たらない。

確かに米国が言うように南シナ海の「航行の自由」を守ることは米国のみならず、原油の80%が南シナ海を通って輸入されている日本にとっても重大なことだ。中国が国際法のルールに反して我が物顔で航行を制限することは、それこそ安保関連法で言う我が国民の生活、安全を脅かす事態になりかねない。

ついに来るべきものが来た感じだ。

でも、何の想定事態に該当するのか、国会の事前承認をどう受けるのか。政府の具体的な考えが聞けるところであるが、幸いにまだ安保関連法は公布されていない。

でも、米国と我が国のこの海域近辺での共同訓練は始まっているのだ。毎日新聞(2015.10.29)によると、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」と日本の護衛艦「ふゆずき」がボルネオ島北方海域で共同訓練をしたという。

注目は中国が次にどう出るかだ。追尾、警告だけでは終わらないだろう。

日本に対しては尖閣諸島領海侵犯を繰り返すだろうし、訓練された漁船団が領海へ入ってくることも考えられる。中国の公船が巡視船に体当たりする事件も起こしているのだからエスカレートすることは考えられる。

尖閣諸島領海侵犯に対して米国は当初、「日中で解決を」という姿勢だったが、最近オバマ大統領は「日米安保の範囲」と言っていた。先の習主席との会談後中国に対して強硬戦術に出ることにしたようで尖閣諸島近海で監視活動を始めるかもしれない。勿論日本が米軍の行動をどう支援するかにもかかっている。

ところで、中国の習政権も海外で好き勝手なことばかりやってはいられない状況ではないのか。

習政権と軍部の関係はどうなのか。国内では習主席暗殺計画が7回もあったというし、破たんした経済立て直しで「新常態への移行期」と言っているが海外からは構造改革の必要性が訴えられている。政治は共産党一党独裁で経済は「市場の手にゆだねる」なんて芸当ができるのか。

先の訪米や訪英でのスピーチでは中国の正当性を主張していたがアメリカにもイギリスにも歓迎されたわけではなさそうだ。

この米国・上院の「航行の自由」を守るために日本への支援要請決議が本当にあったのかどうか不確かではあるが、近いうちに本当になりそうだ。


これに対して日本政府の対応を確認するために中国が挑発してくる可能性も否定できない。


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2015.10.28掲載
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