どんな理由があれ企業の経営者には善管注意義務が課せられる。ゴーン会長逮捕によって容疑者になったが、日産の経営が明らかになるにしたが、ゴーン容疑者の不正を見逃していた、あるいは見て見ぬふりをしていた現経営陣の責任はあまりにも大きくないか。
ゴーン容疑者は長期に権力構造を築き、お気に入りの外人を経営者、執行役員に招き入れた。同時に逮捕されたケリー容疑者もそうだ。
その恩義がゴーン容疑者の不正行為を見て見ぬ振りをさせたのではないか。これだけの不正、報酬の過小評価、不正な投資、私的流用は2人だけではできない。必ず指示を受けて手続きを取った執行役員などいきさつをすべて知っている人間がいるはずだ。
そのうちの何人かが司法取引をしてのゴーン容疑者の不正を暴く行為に出たことになる。
その背景には、ルノーとフランス政府が近かづくことにより、フランス政府の意向が日産の経営に大きく影響を与えることを危惧したのではないか。このままでは日産のアイデンティティーがあいまいなままになると思っても不思議ではない。
ルノーの影響力をそぐためにはゴーン容疑者を切ることを目論んだのだろう。
経営者の一人が新聞に「ゴーン流経営は数字合わせ、最後はカネだ」と言っていたことが気になった。さらに週刊誌で前妻が「彼は正しいことをしたことがない」とも言っている。
あのテレビ画面でのゴーン語録は何だったのか。カリスマの顔が犯罪者だったのだ。
ゴーン容疑者は「グローバリゼーションの申し子」のような発言をしていたが、余りにも酷いグローバル化だ。
グローバル化の世界経済にあって、今回の日産のゴーン会長追い出し、地検特捜部の捜査はグローバル化に逆行するもので海外の企業家が日本に不信を抱くことは日本にとってまずいことだという意味のことをメデイアは報じていた。
しかし、日本の企業の経営者になった以上は日本の法律、日本の文化になじむべきで、国際感覚で批判するのはおかしい。ゴーン容疑者も「日本文化になじむ」ような発言をしていたではないか。
現・西川社長もゴーン容疑者に引き上げられた経営者だろうが、今回反旗を翻した要因に不正経理のほかにルノーに対するフランス政府の対応からこのままでは日産のアイデンティティーが崩れるのを恐れたのだろうが、それにしても「今、なぜ」という疑念は出てくる。
司法取引をしてのゴーン容疑者の悪事を追及することになったが、司法取引した執行役員(?)のほかに現経営陣の責任は重大だ。
西川社長は弁護士を含めた第三者委員会で再発防止に向けての検証をするというが、一番よくいきさつを知っているのは日産の社員であり、役員ではなかったのか。自ら要因の掘り起こしをしなければガバナンスの強化と言っても言葉だけで終わるのではないか。
第三者委員会の報告も「捜査権がないのでこの辺が限界」程度ではないか。
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