アメリカが新しい通商協定で「為替条項」を求める動きがあるが、これが入ってくると金融、財政政策に支障が出てくるが、安倍政権がアベノミクスの成果を認めると日本は「為替操作国」になるのです。
朝日新聞(2018.11.6)波聞風問「対米交渉 円安はアベノミクスのおかげか?」(原編集委員)を読んで確信した。
それによると、米国は新しい通商協定に為替条項を入れ為替操作をけん制する狙いだが、この動きに安倍政権は反論できるか。「アベノミクスと異次元緩和が円安、株高をもたらした」と成果を宣伝している。確かに野田政権時は78円ぐらいだったが一気に100円を超えた。
だが、これは間違いだという。超円高から円安転機をみるとしたのは13年春の黒田総裁が始まるすでに半年前の12年秋で「主要通貨の総合水準を示す実効為替レートの推移」でわかるそうだ。そのとき欧州中央銀行のドラギ総裁が「ユーロを守るためには何でもする」と宣言した時が転換点になるのだそうだ。
これで欧州でのリスクは縮小、世界経済は好転したが、反対に日本は貿易赤字、原子炉は停止し原油、天然ガスの輸入が増加、日本は円安になる。
そういう状況の中で安倍政権の「異次元の金融緩和策」がタイミングとして成果に結びついたのだ。
私も月刊経済紙や週刊誌でそういう記事を見たことがある。確か信州大学の経済学者が指摘していた。「アベノミクスの成果と言うより円安に動くタイミングがあったのだ」という。
私もブログで何度かそのことを記事にしたが、どういうわけか専門家はアベノミクスの成果と誇張した。お友達の側近連中、経済財政諮問会議、日銀金融政策決定会合の議事録を読んでも一様に安倍評価だ。そりゃそうだろう、メンバーは全員、安倍YESMANだから。
円高→円安への本当の動き、アベノミクスの成果の是非などしっかり事実を把握する必要がある。
原編集委員も歴史認識が大事だと指摘している。
為替操作もしっかり動きを監視していなければわからない。後になってあの時の動きはそうだったのかがわかるのだ。民主党政権時も「為替介入」はやっていないといっていたが、何度かやった形跡があるらしい。
それ以降はわからないが、輸出に頼っている日本は為替の動きは重要だ。輸出入に影響が出てくれば介入したくなる。
一方、市場任せにしているとどうなるか。「市場の見えざる手」が働けば修正する動きもあるだろうがどうか。
そして日本は円安を「①アベノミクスの成果とみる」か、「②アベノミクスの成果ではない」とみるか。
①
を認めると為替を操作したことになるし、②だと安倍政権の経済政策は役立
たずということになる。
安倍政権もアメリカが要求してくる新通商ルールの「為替条項」で難しい選択を強いられることになる。
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