トランプ大統領の自分に都合のいい人事のやり放題は、民主主義への脅威とならないか。今回のトランプ大統領の司法長官更迭人事が自らへの疑惑追及をかわすためらしい。中間選挙で「勝利した」と評価しているが下院では敗北だ。そこで自分へのロシア疑惑追及が強まると思って司法長官更迭で先手を打ったという。
いかに民主主義の手続きを通していると言っても「正しい情報」を流さなければ国民は正しい判断ができない。ロシア疑惑については否定するだけでは不十分だ。更に意に添わなければ人事介入、メデイア攻撃に走る。
今回トランプ大統領は司法長官更迭と記者会見でのCNN記者の質問忌避と入館証の返納を求めたという。このいきさつはテレビで流れた。
ロシア疑惑は先の大統領選でロシアとトランプ陣営がサイバー攻撃で大統領選に介入したというのだ。セッション司法長官更迭は事件を暴こうとしているモラー特別検察官排除へと動くのか。FBI長官にも操作中止を指示し司法妨害をしている。
自分の疑惑追及を阻止するためにここまでやるのかと驚く。世界は「正義のために動く」と思われていたアメリカには大きな期待をしていた。
安倍総理の北朝鮮に対する拉致問題でもトランプ大統領に口添えを頼んでいる。今回の中間選挙後、トランプー安倍の電話会談があったときも話したらしい。
でも米国内でのトランプ大統領の行動を見るとその資格はなさそうだ。
安倍総理だって同じだ。
政府機関への人事介入で自分のやりたいことを強引に進めようとしている。いかに選挙で選ばれた首相だとはいえ、常識の域を飛び出ていないか。
司法、立法、行政の三権分立が常識だが国会承認事項とはいえ任命権の乱用ではないか。
憲法改正手続きを省いて集団的自衛権行使を認めるために閣議決定したが、その時内閣法制局長官を更迭し、今まで取ってきた法解釈を強引に変更させた。
日銀総裁だって、「更なる金融緩和」を渋る白川総裁に変えて黒田総裁を日銀に送り込み「異次元の量的的緩和」策を進めた。おまけに政策決定会合の委員にはリフレ派を送り込み民主党政権時に選んだ委員に交代させた。
主要官僚の人事を内閣人事局に一本化させ、行政を思うが儘にした。「モリカケ」問題での安倍総理の関与疑惑も官僚は忖度し否定、捜査を担当した大阪地検の特捜部は「嫌疑不十分」で関係者を不起訴にしたが、その担当した特捜部長は函館地検検事正に栄転した。
安倍総理が自ら法務大臣に「指揮権発動」を指示したかどうかはわからないが、「あれはどうなった」と地検特捜部に聞くだけでも指揮権発動が疑われるきわどい行為になる。
国会では野党が「モリカケ問題」で関係者の国会招致を主張しているが自民党国対が「うん」と言わない。安倍総理や夫人に気を使っての自民党挙げての抵抗だろうが国会対策委員会は正式な機関ではない。
抵抗することは民主政治に反しないか。
選挙を経ている、手続きにも沿っているとは言え、「やりすぎ」は民主主義への脅威になる。
トランプ大統領はあと2年、安倍総理は自民党総裁であれば3年延長された。
アメリカ、日本の両国民が「民主政治への危機」と捉えるかどうか。センスの問題だ。
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