IMFが28日、日本経済年次審査報告書で少子高齢化で日本経済は縮小することを回避するために外国人労働者の受け入れを提案してきた。目的はGDPの減少対策であるが、なんとタイミングのよいフォローではないか。
折しも日本では外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理難民認定法改正案が28日、参院本会議で趣旨説明、質疑で審議入りし10日の会期末で成立、来年4月制度導入が決まっている。IMFには日本からの出向者も多い。安倍政権をフォローする目的があったのではないか。
ところがこの法案は今国会の目玉政策であるが、制度の全体像が見えず、「生煮え法案」というよりもスカスカのザル法、委員会の質疑でも法務大臣は「検討中」を連発するほどだった。
在留資格に「特定技能1号」「特定技能2号」を新たに創設、単純労働を含め外国人の就労を認めるのだ。ところが業種、人数に「上限」があるのか、生活支援策や地方自治体の準備、地元住民との関係などは民間任せ。待遇はどうなるか、今より高い賃金を求めて失踪が問題になっている。賃金の安い地方での確保はどうか。
野党の質問に十分答えられていないのが現状だ。
移民を問われて、安倍総理は「移民ではない」と言う。国連は今、移民協定で揉めている。トランプアメリカに倣って「不参加」が増えているのだ。
日本の経済を維持するために必要なのか。入管難民改正法案では5年間で、34万人を予定している。これでGDP550兆円から600兆円を目指せるのか。
業種によっては人手不足で事業縮小、廃業する例もある。外国人労働者を受け入れれば事業は拡大できるし、農業、漁業、建築、土木、清掃などのサービス業、医療、介護分野など人手不足の業種は多い。
IMFも女性、高齢者、外国人労働者の活用を訴えている。
業務を拡大し働く人が増えれば賃金を払うのでGDPは伸びる、日常生活での消費も増えればGDPも増える。万一治安が悪くなると警察官を増員するためにGDPは増える。彼らが医者にかかれば医療費が増えGDPも増える。
GDPが増えることは間違いないだろうが日本人と外国人との日常生活でのトラブルは増えるだろう。行政サービスでは問題も多い。今でもいろんな問題を起こしている。安倍政権はそういった問題を解決する前に、経済界が要求する人手不足対策を何故、急ぐのか。
IMFは日本の実質GDP伸び率を18年度1.1%、19年度0.9%と予測している。相変わらず先進国一低い。
日本経済で今一番重要なのは内需拡大だ。外需に頼らない内需拡大は外国人労働者の受け入れで対応出来るのか。
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