菅総理の施政方針演説 2021.1.18 NHKニュース7より |
やっとまともな議論ができるはずの通常国会が開催され菅総理の施政方針を聞くことができた。これからの150日間、菅政権は持つのか。意外に早くズッコケる可能性もありそうだ。菅総理は施政方針演説で「この難局を最前線に立ち乗り越える」との決意を表したが文字通りにはいかないことは国民は知っている。
新型コロナ対応で内閣支持率も下落し39%、不支持も50%に近かずく結果も出ている。安倍長期政権を支えた敏腕官房長官の延長線上で当初は65%という高率の支持率だったが、支持理由は「他に良い人がいない」(44%)という消極的意見だ。
先の総裁選で、ほとんどの派閥が菅支持で岸田、石破さんの総裁候補としての芽を摘んでしまったが、今になって「菅おろし」の声も聞こえてきた。菅総理は「選挙の顔」ではないというのだ。
人気テレビ番組の「プレバト」流に菅総理を評価すると「才能あり」ではなく、「凡人」か「才能なし」かだ。
今後の政局を考えるとズッコケも意外に早く来るかもしれない。
国民の生活に直接関係する政策の失敗は、即政権への不満となってくる。福島第一原発事故での民主党菅政権、新型コロナウィルス対策での安倍政権しかりだ。菅政権もその延長線上にある。
18日の通常国会の施政方針演説では「この国難を最前線に立って難局を切り抜ける」と表したが、国民への説明責任を逃げる菅総理を信じている国民はどれぐらいいるか。
今大事なことは「菅総理をはじめ、政治家がどのくらい国民から信頼されているか」だ。
自民党議員でさえ、菅総理を信頼しているのか。菅総理は安倍政権と違って取り巻き官僚、政治家がいない。新聞報道では政策を最初から策定し指示を出す。だから途中で状況が変わっても変更できない。GOTOトラベルの一時停止を見ているとわかる。
そして派閥を持たないために、アドバイス、援護してくれる側近議員がいない。だから毎日、朝食会で民間人、官僚、ジャーナリストなどと会食するが、批判されて今はやっていないようだ。
新聞で「情報が極端に減った」とぼやいていたが、トップの座に就くといままではいっていた情報も途絶えるのだろう。
とりあえずの山場は緊急事態宣言の解除ができるかどうかだ。「1か月で収束」などと言っていたが、そんなことを信じている国民はいない。西村担当相は「東京で500人以下」「ステージ3」が条件として挙げられているが、菅さんは記者の質問に「仮定の問題にはコメントできない」と言ったそうだ。これじゃ誰も相手にしない。
当然に御執心のGOTOトラベル一時停止の解除もある。解除もできず、延長であれば二階幹事長の信認も失うだろう。
東京オリンピック開催の是非判断も重要だ。ビル・ゲイツ氏との電話会談で「かならずやり遂げる」と誓ったそうだが、「やらせ」だったのか。京大西浦教授のシミュレーションでは、今回の緊急事態宣言を500人以下で解除した場合は7月までに2階大きなピークが来るという。一方先の緊急事態宣言の内容だと感染者数は下落に向かい7月にピークが来ると言うのだ。
どちらにしろ、7月に再びピークを迎えるということは東京オリンピックなど毛頭開催は無理なのだ。
収束できず、東京オリンピック中止にでもなれば求心力は低下、「菅NO」だ。
国会審議が始まると菅総理お気に入りの政策がやり玉に挙げられる。携帯電話値下げ、温室効果ガス実質「ゼロ」、サービスのデジタル化などの他に「政治とカネ」、原発再稼働、福島第一原発の処理水」、「新型コロナウィルスと南海トラフ巨大地震での避難」がある。
早急な課題としてはワクチン接種だろう。菅総理は河野行革担当相をトップにそえて進めるらしい。厚労省だけでなく、縦割り行政を廃止し横断的行政、しかもトップには政治家を付けるシステム構築だ。失敗し、国民の不満が高まれば命取りだろう。
そして、2補選、都議選、解散総選挙だ。2補選については自民党は候補者を断念したという。「政治とカネ」、贈収賄事件、公職選挙法違反に対する批判をかわすために先手を打ったようだ。
都議選では小池さん率いる「都民ファーストの会」も支持を落としているようだし、自民党議員がどうなるか。自民党都議連と自民党本部は仲が悪い。自民党への批判を都議連がうまく乗っていくか。
解散総選挙はこのままでは菅さんには厳しいだろう。専門家は40~50議席減を予測している。安定過半数維持は難しいだろうというのだ。その前に「菅おろし」が始まるか。二階幹事長次第だというのだが。
安倍政権、菅政権で民主政治の根幹を揺るがす事態が多すぎた。民主政治を取り戻すためにも野党に頑張ってほしいが、メデイアも国民も野党を育て少なくとも拮抗する勢力図に持っていってほしいものだ。
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