読売新聞 2021.1.22
20日の新大統領就任式がどうなるか注目していたが、厳重な警戒下、一部のトランプ支持者も落ち着いたのか、トランプ氏の退任式の方に参加したのか無事に終わった。バイデン氏は国内では「分断から団結」、外交では同盟の修復、国際関係の改善を同盟国は期待している。
民主党政権であるが、上院、下院での議席数はかろうじて民主党優位であるが、共和党内にも隠れトランプ勢力は残り、民主党内でもサンダース氏引きいる左派も勢力を維持している。
おまけにバイデン氏自身が「2021年世界10大リスク」のトップに掲げられている。4年間、何かが起こりそうな気配もする。
トランプ氏は「また戻ってくる」と言い残しワシントンを去ったというが2024年に再出馬でも考えているのか。その時、バイデン政権に付け入る隙があるのか。それは今まで4年間のレガシーの問題だ。
「アメリカ第一」「保護主義」はアメリカの国益を守っていたのか、ビジネス、私権が疑われるシーンが多かった。北の金委員長とは個人的友好関係を維持していただけだ。
2人は就任式で顔を合わせなかったそうだが新聞報道によるとトランプ氏は手紙を書き残していたというが、バイデン氏は内容は今は言えないという。4年間の実績を書き残しけん制したのか。
菅総理はバイデン氏就任に当たり訪米しての会談を急いでいるようだ、自民党政権は日米安保に基盤を持っている。新型コロナの問題がある。とりあえずは祝意を伝えたらしい。
ところがあれほど友好関係を築いた安倍氏はどうしたのか。最近のトランプ氏の言動、トランプ支持者の国会議事堂乱入事件、更には自らの立場を考えてコメントを発しなかったのか。菅総理に対する配慮もあったのか。
バイデン氏の外交が本格化するのはイギリスでのG7か。同盟国は混乱の時代は終わった、関係修復に期待する。「パリ協定」復帰の当たってはマクロン氏が「お帰りなさい」と祝意を発したほどだ。
一方中国も外務省報道官が「約束を守ろう」とバイデン政権をけん制すれば、バイデン政権の報道官は「真実と透明性」を主張する。ツイッターでのフェイクニュース、唐突な政策に振り回された反省からか。
バイデン政権で一体日本はどうなるか。トランプ氏は米国の巨額な兵器を何かにつけて買わそうとした。安倍氏も頼みごとにつけ土産を持参した。北朝鮮への拉致問題では日本に好意的だった。
○一帯一路vs開かれたインド太平洋構想は中国の覇権主義をけん制する政策だが、安倍総理の「開かれたインド太平洋」構想がトランプ政権に採用された。バイデン政権になってその調整官が任命され、日本の「開かれたインド太平洋」構想も日の目を見ることになった。
○対中国での尖閣諸島領海侵犯問題では「日米安保の適用範囲」の言質をとることが重要なのだ。菅総理が急いでバイデン氏と会談し中国をけん制する目的があるのだ。
○これと関係し、南シナ海。東シナ海での自由航行権の維持が必要だ。アメリカにドイツ、イギリス、オーストラリアが同調し軍艦を派遣している。日本はどう対応するか。
日本近海での地下資源開発にも中国は興味を持っている。太平洋への出口ルートの確保もあるのだろう。
○対北朝鮮での核、ミサイル開発問題、北は寧辺の核施設を放棄すれば米国は合意するだろうと思っていたふしがあるが、トランプ氏は拒否した。ハノイ会談を最後に一切進展していないのだ。ミサイル開発は日本上空をアメリカまで到達する能力もあるらしい。
ミサイル攻撃を防御するためにイージスアジョア計画があったが技術的に難点があり河野氏が計画を中止した。変わりに海上のイージスアジョア計画が進んでいるようだ。日本の防衛費も5兆円を超えようとしている。
○駐留米軍費の増額要求が同盟国に伝えられた。ドイツが渋ると撤退、縮小を言い出した。韓国は合意したらしいが日本は現在の2000億円から8000億円を超えるらしい。日本は狭い国土でありながら米軍に基地を提供している。トランプ氏は「日本を守るため」というが、アメリカの国際戦略構想のための海兵隊組織の維持は、沖縄駐留が一番経費的に安いのだ。
○イエーレンさんが財務長官に就任するらしい。FRBの議長だった。金融緩和策の継続だ。ECBも日銀も同調だ。日銀の新しい政策委員にも量的緩和派が就任するという。
物価上昇も2%だ。安定的に2%を目指すというので一時的に2%を超えるのは容認するという。しかし可能性があるのか。
バイデン政権は「ドル安」を目論んではいないようだ。「ドル高」で強いドルを目指しているのか。
○国際関係の修復は、WHOへの復帰、「パリ協定」への復帰、イラン核合意、国連問題、イスラエル、トルコなどアメリカの権益を守る目論みがあるのだ。
日本のメデイアはアメリカの情報を詳しく伝えてくれる。しばらくは注目だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿