終わった7年8ヶ月の安倍政権、終わろうとする4年のトランプ政権、それぞれ成果があったとは思う日米両政権だが、「政治」vs「国民」を考えると「その民意」はどこに行ったのか。
今回の新型コロナウィルスではトランプ大統領は当初、軽視したため世界最大の感染者数、死者を出し、一方安倍さんは一強独裁政権といわれたが新型コロナ対策では民意を汲み取れず支持率低下で政権を放り出した。
トランプ大統領は弾劾訴追を受け、政治生命が危うくなったし、安倍さんは「桜を見る会」前夜祭の後援会夕食会の政治資金規正法疑惑で不起訴処分になり検察審査会で2回「起訴相当」となると強制起訴される運命にある。
トランプさんと安倍さんの政権を省みると。
安倍さんは円高、株安に苦しむ日本経済を異次元の金融政策で円安、株高に導いた。世界の市場が日本に注目しだしたこともあって輸出産業を中心に息を吹き返した。
しかし、その後目標を失ったのか夫婦そろっての私利私欲に走った。忖度政治、公文書の改ざんなどの民主政治の根幹を揺るがした森友、加計学園事件に始まり「桜を見る会」「夕食会」と自らの権力をほしいままにし、国民の民意を置き去りにした。
これは不思議なことに日産のゴーン元会長と行状が酷似している。
ゴーン氏はカリスマ経営者として日産に送り込まれ、2000億円と言う巨額の赤字を主力工場の閉鎖、リスと多、コストカットで2年で返済しカリスマ経営者と評価されたが、その後の目標が見つからない。GMの危機にあたり経営者として名乗りを上げたが、アメリカはゴーン氏はコストカットで経営を立てなおせるが、平時の経営能力には疑問符があると採用されなかった。
そこで日産で私利私欲の経営を続け巨大な資金をほしいままにし背任罪で起訴された結果、国外逃亡を図った。安倍さんとよく似た経過をたどっている。
しかし、安倍さんも評価として安保関連での「集団的自衛権の行使」を挙げる専門家も多い一方で、この閣議解釈決定、野党からたびたび要求のあった臨時国会召集の無視は憲法違反であるが、一方で緊急事態条項、自衛隊明記など憲法改正を推し進めようとしたが、国会審議もままならず、おまけに民意が付いてこなかった。
最後は新型コロナウィルス対策で国民の生活支援政策が右往左往し、評判の悪さがアベノマスクとなり支持率下落で「やる気」を失い、政権の放り出しになった。
一時、息を吹き返したような政治活動を復活させたかに見えたが、「桜を見る会」夕食会の問題は疑惑が晴れず、政治生命に影響しそうだ。
一方、トランプさんは「アメリカ第一」「保護主義」を抱え、今まで政治の恩恵を受けていなかった退廃した産業、寂しくなった企業城下町、失業者に政治の光を当てようと颯爽と登場した。
中国企業に押されて貿易赤字が拡大、アメリカの雇用を創出するために中国に対して高関税を掛けたが、逆に中国も関税をかけ関税合戦になってきた。農産物をもっと買えと中国に要求するが、逆に高い日常製品を輸入することになる。
知的所有権の問題などアメリカの要求は中国の覇権拡大にクレームをつけているのだ。簡単に解決できる問題ではない。
国際舞台では今までのアメリカのリーダーでき存在感がなくなって、同盟国の絆が崩れ、その間隙を中国が覇権争いに使っている。
イランの核合意からの離脱、TPPからの離脱、WHOや国連のあり方、地球温暖化対策では「パリ協定」からの離脱。いずれもアメリカにとっては不利なものなのだ。
1帯一路構想にはインド太平洋構想で対抗、遅まきながら中国包囲網を築こうとしている。日本も大きく影響するのだ。菅総理が2月にバイデン氏との会見を希望しているが背景には尖閣諸島での中国の領海侵略に対しての「安保適用の範囲内」の言質を得たいためだ。
同盟国での米軍駐留費の増額要求が出ていたが、バイデン氏も財政問題から考えれば要求継続だろう。しかし、日本は今の2000億円が8000億円ぐらいに膨らむという。しかし駐留米軍はトランプさんが言うように「日本を守っている」わけではない。遠くは中東まで派遣されアメリカの国際戦略の一翼を担っているのだ。米軍の海兵隊組織を維持するためには沖縄駐留は一番経費が安いのだ。
しかし、トランプさんの一番の負のレガシーはアメリカを分断したことだろう。大統領選でトランプ氏は7400万票を獲得、バイデン氏と五分五分の戦いは未だトランプ支持者が多いこと。トランプ氏のツイッターに応じて1月6日には支持者が議事堂へ乱入事件を起こし、アメリカ国民ばかりでなく、世界を驚かせた。新興国での内紛まがいの行動だ。とてもじゃないが民主政治の旗手とはいえない。
バイデン氏との交代、就任式典には出席しないとゴネ、150年ぶりの出来事になるらしい。
しかし、最後は支持者らの国会乱入事件を煽った疑惑で弾劾訴追を受け、政治生命を絶たれようとしている。
安倍さんもトランプさんも在職中に好き勝手なことをやった結果、民意とかけ離れ、政治生命を絶つ瀬戸際に追い立てられている。2度と政治の世界には出てこれないか。
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2021.1.13掲載 日米首脳の末路?:トランプ弾劾訴追、安倍検察審査会で強制起訴? yamotojapan.blogspot.com/2021/01/blog-post_45.html
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