2021年1月31日日曜日

今日の新聞を読んで(432):トランプが崩した同盟国の絆、容易でない修復

 

トランプ大統領の「アメリカ第一」は国内的には今まで政治の恩恵を受けにくかった国民に寄り添う内政になったが、外交面では長い間築いてきた同盟国の絆を崩し、その結果、バイデン新大統領はその修復に努めるが容易ではなさそうだ。 

一番の課題は、4年間で拡大した中国の覇権主義で対中政策に間違いないが、バイデン大統領は南、東シナ海での対応はトランプ政策を継続するようだ。南シナ海での自由航行権維持のために空母を覇権、イギリス、ドイツ、オーストラリアも協調、日本に対しては「尖閣諸島も日米安保適用」の確認を菅総理が電話会談でした。 

一方、北問題はどうか。北は夜間に大規模軍事パレードをしてミサイル開発の進展を世界に誇示、バイデン大統領をけん制した。トランプ大統領のように個人的友好関係の下での核ミサイル開発放棄は無理だったこともあって、バイデン大統領は多国間交渉、特に6者会談になるのか。 

新聞報道ではバイデン大統領は欧州との同盟国関係の修復を急いでいるようだが、対中政策で各国との思惑のずれが大きいようだ。バイデン大統領は強硬策らしいが対コロナで国内経済困窮に中国の経済支援を期待する国が出ているのだ。 

G7メンバーのイタリアが中国寄りに変わったことで警戒感が強まっている。 

バイデン大統領はイギリス・ジョンソン首相、フランス・マクロン大統領、ドイツ・メルケル首相そしてNATOとも電話会談で対中、対ロ、イラン問題で協力を要請したというし、ブリンケン国務長官はフランス、ドイツ、イギリス、イタリア、EUと外相電話会談を実施した。 

欧州の同盟国との絆の崩れに付け込んで中国、ロシアは欧州、大西洋全域で軍事力を拡大している。集団的安全保障でNATOは重要な同盟であるがトランプ前大統領はNATOからの米軍の軍事費問題で撤退、縮小などを提案、「だったら独自の軍備を」とマクロン大統領が発言すると猛烈に批判した経緯がある。

「アメリカはすでに世界の警察官ではない」と誰か(オバマ元大統領?)言ったが、紛争国に米軍を派遣し、若い兵士が犠牲になるのが我慢できなかったのだろうが、世界のリーダーとしての立場は維持したいのだ。 

台湾、香港の民主化に対する習主席の暴力的弾圧を批判すると、「共産主義政府に対する内政干渉」と反論する。自由主義、民主主義の政府があって共産主義の政府があってもいいのではないかというのだ。 

それはそれで良いかもしれないが、中国、ロシアの人権侵害行為は目に余るものがある。国連も何ら役に立たない。当然だろう、中国、ロシアは常任理事国だ。何か言われると拒否権発動で国連の行動は制限される。 

日本は、国連改革で主導権を発揮しようと国連で勢力を広げつつあるアジア、アフリカ諸国を取り込もうと安倍前総理はアフリカ外交に努めたが、カネだけばら撒く結果に終わったか。 

その国連、国連機関での中国の勢力拡大でアメリカの思うように行かなかったためにトランプ前大統領は改革を要求、離脱まで匂わせた。WHOに対しても新型コロナウィルスでの初期のバンデミック対応をテドロス氏と習主席が拒否したためこんな感染拡大の事態になったと批判、資金の拠出を拒否した。 

中国は、米国の拠出金相当額を補填する力はないという。カネは出さぬが権力は握るという発想か。 

トランプ前大統領の主張する「新型コロナウィルス発生源は中国武漢」「チャイニーズコロナ」は今も生きている。WHO の調査団が武漢に入ったというが、それまでに足止めされていた。恐らくその間で捏造、取り繕いが終わったためにOKが出たのだろう。武官の研究所から漏れたという説にも信憑性がありそうだ。

当初アメリカも関与し、フランスの技術で研究所を建設したが、後にフランスは運営から外されたという。 

欧州先進国の対米はバイデン大統領で変わるのか。 

アメリカはバイデン大統領はトランプ前大統領の政策を覆す書類にサインすればいいだけでも、受ける先進同盟国にも都合がある。4年間の政策を簡単に変更することなど出来ないのだ。 

4年間に築いた混乱は改善にそれ以上の時間がかかるのではないか。とりあえずはイギリスでのG7だ。 

ジョンソン首相のリーダーシップにもよるが、今まで存在感のあったメルケル首相はもう直ぐ引退、菅総理は世界では「短命政権、」と見られている。まともに相手にされるのか。

 

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