菅総理の考えが国民に響かない。いやな質問が続く。以前から言われていることであるが、国民の本当に知りたいことに答えていないためだ。発信にエネルギー不足と指摘する人もいるが、本当の理由は「国民が考えること」「問題点」を共有していないためではないか。
否、本心では分かっているが公に出来ない理由があるのかもしれない。
26日夕方の記者会見が中止になった。10都府県で出されていた緊急事態宣言を6府県が前倒しで解除する事態になり菅総理が説明する手はずになっていたのだろう。
しかし、記者会見を進行する山田内閣広報官が総務省時代に東北新社から高額な接待を受けていたことが問題になり国会でいきさつを説明したばかりだった。
記者会見の代わりにエントランスでの「囲い込み取材」になったらしい。
誰でも山田内閣広報官がさらし者になることを嫌ったのだろうとか、菅総理が責任追及されることを嫌ったのだろうと考えるのが普通であるが、菅総理は「関係ない」と言う。
国民が考えていることと異なることを言うので、「何故だ」「理由は」「総理の責任は」と追及が続くのだ。
中止になった理由として安倍政権のときにも前例があるととってつけたような理由を示す。山田内閣広報官については「そういうことがあったことを知らなかった」「広報は今後も続ける」と菅総理は言う。
6府県の宣言解除は「専門家の意見」を聞きながらと言っていたが、政治的判断が大きかったようだ。専門家も指摘しているリバウンドをどう防止するかだ。菅総理は自ら再感染拡大防止で国民の協力を得るべきだったのではないか。総理の考えを国民に響かせる必要があったのではないか。何も安倍総理時代の事例を持ち出す必要はなかったと思うが。
山田広報官の問題も、女性登用で内閣広報官に抜擢したが、すべては私の責任、他の部署に移動させるといえばよかったのではないか。司会者なんて他の人に代えればよかったのではないか。それとも嫌いな記者の質問ははずしてくれる司会振りを評価していたのか。
ところで面白い記事が目に付いた。朝日新聞(2021.2.27)読書欄での「書評」だ。
物理学者の佐藤文隆先生の「「メカ二クス」の科学論」を物理学者である東大の須藤先生が書評したのだ。それによると以前からある「メカ二クス」とは心ある人間とは異なり「ものを考えない」様を意味していたらしい。心の通わない菅総理のメカニカルな答弁を他山の石として、そこから脱却を目指すべき時代だというのだ。
そのとおりだ。購入し読んでみることにした。
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