女性蔑視発言で組織委員会・会長を辞任した森さんに変わる新しい会長選びで下馬評とおり橋本さんが選ばれた。テレビの情報番組や今日の新聞で選考過程が報じられているが、思ったとおりの政治主導で、ギリギリまで橋本さんでの調整が続いたように見えるが、すでに決まっていたこと。これでは透明さ、ルール化を反故にしてしまった。
新聞報道によると、政府は「助成、若い人」と条件を出していたが、橋本さんだったのだ。組織委員会の候補者検討委員会の御手洗座長も強く橋本支持を打ち出していたという。座長がこれでは他のメンバーは何もいえないのではないか。5つの選考条件も厳しいものだった。
こんなことで社会の空気が変えられるとは誰も思っていない。
コロナ禍もあり国民の70%は開催に反対、聖火リレーを中止するという島根県知事、聖火ランナー辞退、ボランテイア辞退など国民の盛りあがりはない。誘致運動当初、IOCは国民の盛り上がりに欠けると東京オリンピックに否定的だったのではないか。今、盛上がりに欠けるのだ。国民の意向をIOC,政府はどう汲み取っているのか。アスリートの間でも「国民に寄り添う」ことが重要と言う。
こんな状況下でも政府はコロナを封じ込めてオリンピック開催に前のめりだ。「人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証」として、また「東日本大震災からの復興を世界に発信する機会」にしたいという。新型コロナ対策には万全なものとして、世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するという(菅総理 施政方針演説 「終わりに」より)。
まず、都民、国民に希望と勇気を与えてほしいものだ。
ところで森さんは7年間何をやってきたのか。数分の女性蔑視発言で成果を棒に振った感じだがどうなのか。
開催経費削減のために競技会場の新設見直し、既存会場の活用とアスリートの希望を制しての計画見直しをしたし、マラソンの会場変更でもIOC東京都と調整したし、経費負担、感染防止、追加費用削減で調整作業したという。延期によるスポンサー引きとめも重要な仕事だっただろう。組織委員会の中では評価されているのだ。
女性蔑視発言がオリンピック憲章に反すると批判が世界中を駆け巡った格好になったが、今回の橋本さんの新会長で一件落着か。
しかし、その他に政治介入が問題になる。参議院議員で五輪担当相の橋本さんは完全に政治家だが、五輪相を辞任するが議員は辞めないという。IOCは了解しているというが、批判が大きくなると前言を翻すことはすでに経験済みだ。
橋本さんは7回の出場経験があり「アスリートが誇りに思う大会」にしたいとアスリートファーストの姿勢である。でも自分勝手なこともあったのではないか。冬季はスピードスケート、夏季は自転車で出場していたが、自転車競技に進出するときは、すでにがんばっていた女性アスリートの参加枠を奪い取っての進出だったはずだ。決して褒められた行為ではない。
橋本さんは火中の栗を拾ったといわれているが、そのとおりだろう。
まずは東京オリンピック開催の是非だ。日本国民の民意をどう考えるか。海外からも要求されている開催での安全対策だ。選手村に缶詰にしバスで競技場を行き来することが出来るのか。入国制限はどうするか。変異株の市中感染は広がっている。経路追跡が出来ない状況だ。
アスリートは練習不足で成績は悪く、観客は無観客、不完全燃焼のオリンピックは終了したが、変異株の市中感染、クラスター発生で日本中がロックダウンの危機になったとなるとどうするのか。
バイデン大統領は「科学的資料に基づいた判断」を重視するという。世界最大の感染者数を出している米国もワクチン接種、マスクの着用で減少傾向と言う。
一方東京はどうか。感染者数は300~500人で下げ止まり傾向と言う。これで緊急事態宣言が解除できるのか。西浦、土谷さんらの専門家のシミュレーションでは100人以下で解除しなければ直ぐに上昇、ピークを迎えるという。それがオリンピック開催月にダブルことがあってはいけない。
橋本新会長の手腕が試されるときが直ぐ来るのだ。アスリートファーストであってはならないのだ。
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