2021年2月10日水曜日

今日の新聞を読んで(435):なぜ今財政出動か、どうなる財政赤字、どう動く市場は

朝日新聞 2021.2.5
新型コロナ 世界経済破綻を防ぐには

新型コロナウィルス禍で経済をどう維持していくか、中央銀行の金融政策にも限界が見える一方、政府の財政政策の在り方が重要だ。日本は対GDP比258%、米国は130%と大きな財政赤字を抱えながら経済再生に向け財政出動を主張する経済学者が多い。

財政赤字を気にすると経済再生のチャンスを失するというのか。しかし膨張を続ける赤字財政をどうすれば解消できるのか。景気を良くして税収を増やす、消費税など税制改革で課税を強化するか。

経済成長(GDP)は民間の設備投資と家計による個人消費だが、GDPに占める割合の大きい個人消費が不振であれば設備投資を増やすしかないが民間の動きが鈍ければ政府による設備投資が必要になる。

今、金利はゼロ、実質金利はマイナスだ。借金してでも投資すればある程度のリターンは期待できるので、政府の債務は膨らみ財政赤字を増やすが、「やらない」よりは「やった方」がいいという考えだろう。

一時、MMTと言う経済理論がアメリカからきた。確か「通貨発行権を持っていれば赤字を気にせず財政出動せよ」と言う内容だったと思う。ただ条件があり「インフレになる前にやめろ」と言うのだ。「どの程度のインフレか」には触れていない。日本をモデルにした理論だというのだ。

日本は先進国一悪い債務国で対GDP比258%、1200兆円ぐらいの赤字だが破たんしていない.

日本の国債は自国で消化できているし、最大の所有者は日銀だ。市場の信頼が保てれば暴落はしない。しかし、主流派経済学者、財務省は反対だ。

バイデン政権でイエレン財務長官も積極的財政出動を主張している。FRBも量的緩和策を継続、低金利を維持しているが、一時利上げに踏み切ったが景気悪化で再び量的緩和策に転換した。

日銀も長期にわたり量的緩和策継続だ。他国の中銀が利上げに踏み切っても日銀は出口戦略すら議論にならなかったが、他国の中銀も量的緩和策で面目は保っているのか。

その日銀の黒田総裁も量的緩和は一時的なもので限界がある。必要なのは政府による財政政策、規制緩和だと政府をけん制していた。

しかし、政権が交代しても成果が出なかった政策の名称や内容を少し変えた政策ばかりではどうしようもない。

債務削減より今は復興に力を入れるのか。財政審が財政健全化を主張するが、PBの改善も先延ばしで達成は不可能だ。

一方、市場はどうか。ことあるごとに日銀の量的緩和策の継続、強化期待だ。今の株価も財政政策、金融政策があっての30000円に近づいているのだろう。

市場にたれ流す資金は土地や株、金融商品に流れるが何かの拍子に市場が不信感を持つと大変なことになる。

国債下落は長期金利の上昇を招く。米国で株安、ドル安の動きが出れば日本でも株安、円高だ。

景気が良くなりインフレになると、国の債務は目減りするメリットはあるが、貧富の格差は拡大する。低金利長期化では利上げもできないか。銀行の経営も苦しくなっている。

政府の財政政策、中銀の金融政策と簡単に言うが妙案はないのだ。

0 件のコメント: