読売新聞(2023.6.11)のワールドビューの飯塚編集委員の「ガラス細工の民主主義」を読み、「民主主義」は何処へという感が強くなった。ロシアのウクライナ侵攻以降、欧米自由主義国とロシア、中国の覇権主義国がお互いにけん制し合い、世界に向けて勢力を拡大競争しているようだ。
その根底にはバイデン大統領が主張していた「自由主義vs専制主義」の戦いに日欧米が結束して対応してきた。ロシアのウクライナ侵攻に関する国連の臨時総会での決議でも賛成140数か国、反対5か国、棄権約50か国という双方の勢力だ。
世界には50数か国の中国、ロシア双方に経済援助を受けている国もあれば専制、独裁主義政府もあり、自由主義、民主主議ではまずい国もあるのだ。
そして顕著だったのが岸田総理が主導して広島サミットだ。
核拡散防止、核兵器使用禁止など被爆国の日本が主導するサミットの意義は大きい。岸田総理は何を思ったか、「みんなを取りこむ」とG7メンバーのほかにグローバルサウス国としてインド、ブラジルなどを招待し、他にも時の人であるウクライナのゼレンスキー大統領も参加した。
そのい民主主義国以外の国も招待したために広島サミットの前文から「民主主義」の言葉が消え、「国連憲章の尊称と国際的パートナーシップによる共通の価値として法の支配を上げているというのだ。ドイツや英国でのサミットでは前文に「民主主義国として」の表現があったというのだ。
民主主義という言葉を一段下げることで「皆を取り込む」ことができたというのだ。
しかし、民主主義をないがしろにはできない。強制労働の国、人権問題、貧困問題に重視するバイデン民主党にもいるのだ。
民主主義は人類普遍の価値だ。中国、ロシアに押されようとも理念は今もあせてはいないという。日本の外交の真価が問われていると編集委員は結んでいる。
しかし、完全に自由民主主義政治はない。民主主義政治と言いながらその中には専制主義政治もある。それが入り乱れ、有るときは民主主義、ある時は専制主義になるのだ。ロシアや中国のような専制主義政治は独裁だ。
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