2024年3月14日木曜日

今日の新聞を読んで(669):驚いた春闘で「満額回答」、これで利子のある経済を期待か

 どうしたことか、高い賃上げ要求に経営者は「満額回答」だ。今、日銀のマイナス金利政策、で企業の内部留保は550兆円ほど。企業が人件費をコストとみて賃上げを抑えた。そのために30年でも8%の伸びと他国に大きく後れを取った。

そしてなかなかデフレ脱却できない。円安による輸入品の高騰で生活費は高く、少々の賃上げでは生活が楽にならない。3%の賃上げも実質賃金はマイナスという。

さらに米国では株主第一主義から顧客、従業員、取引先を尊重するマルチステークホールダーを企業が言い出し、日本の産業界もこれに応じた。政府も経済対策の5本柱に「成長の成果還元」を加え、コストカット型経済から歴史的転換を図った。

30年のデフレ脱却で日本社会を守るのは企業の責任だ。国民生活を安定させ、社会の機構を守っていくには十分な賃上げが必要だ。その賃上げが物価を上げ好循環の日本の経済を構築する。日銀の金融政策にも大きく影響するのだ。

今回の驚くべき春闘の成果は、日銀のゼロ金利政策から脱し金融政策の正常化を目指す一歩だ。70%ほどを占める中小企業にも賃上げを波及させる必要があるし、非正規労働者の賃上げも大事だ。中小企業は賃上げは無理という経営者もいるが、賃上げによるサービス、製品の値上げを大企業は容認すべきだ。

今回明らかになった日産の減額要求は厳しく取り締まる必要がある。さかのぼって補填するべきである。

しかし、今回のような満額回答も、今後続くとは限らない。米国の金利、為替の変動などで物価が動く。物価上昇以上の賃上げが必要だ。それは企業経営者の考え一つなのだ。

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