2024年3月7日木曜日

30年前の宮沢日録にみる金丸疑惑:指揮権発動とは紙一重か

 今、朝日新聞の「宮澤喜一日録 戦後政治の軌跡」が面白い。検察庁も行政機関の一つで、法相は政治家の犯罪情報を容易に入手できるのだ。だから政治家の政治犯罪を回避するには法相が指揮権発動すればいいのだが、万一指揮権発動をやってしまったら法相の政治生命は終わるのだ。

今から31年前、1993年3月に自民党で副総裁もやった権力者の金丸さんが脱税容疑で捜査されていたが、当時内閣の法務大臣だった後藤田さんが宮沢総理に逐次情報を流していたことが宮沢さんの直筆メモ判明した。

金丸さんは10億円もの闇献金で脱税していたのだ。検察の家宅捜索で割引債の存在がわかり検察はそれを突破口に逮捕、起訴したのだ。当時のことはまだ覚えている。電話そばのメモに証拠が残っていたのだ。「割引債をお持ちですね」との検察の追及に顔色を変えたという。

後藤田法相から報告を受けた宮沢総理は「93年度の予算案の衆院通過を急げ」と当時の加藤副幹事長、粕谷予算委員長に指示したという。後藤田さんはその後宮沢内閣の副総理になったという。

何やら現在の岸田総理の動き、予算案の衆院通過に状況が似ている。

何らリークもなく政治を進めていけたのは宮沢総理と後藤田法相の「仲が良かった」ためと言われている。

その後、リクルート事件も起き、野党から政治腐敗が追及され、内閣不信任案が可決し解散総選挙になったが自民党は破れ政権交代し非自民の細川連立内閣が樹立し政治改革がすすんだ。

30年前の宏池会の宮沢さんが政治腐敗で追及され、今同じ宏池会出身の岸田さんは「政治とカネ」で国会が紛糾している。

検察の捜査も小物政治家、会計責任者の基礎で終わろうとしているのか、さらに大物の追及もあるのかわからないが、法相がそこのところの情報は得やすい立場にある。

今は、小泉法相で二階派に属するというから二階さんの50億円疑惑もある。検察の二階派に関する捜査がどうなっているかは容易に知ることができる立場だ。

急に小泉さんの動向が気になり首相動静に目をやったが、電話での報告もあるので注意だ。


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