2009年11月21日土曜日

新型インフルエンザは、どの程度怖いものなのか


新型インフルエンザで、脳症などで亡くなった子供さんの親御さんや持病があってお亡くなりになった方々の関係者にとっては、新型インフルエンザは「怖い」疾病である事は確かだ。一方で、私達は通常の生活で、新型インフルエンザの「怖さ」をどうかんがえればいいのか。

 孫が通っている東京都大田区立の保育園で、今までに新型インフルエンザに罹った園児が4名いるという。保育園では蔓延拡大防止のために、「体温が37.5度以上の時は休園し、保護者も来園しないように」と注意している。

 私の孫も「ゼン息」があり、感染した場合、重篤化する恐れもあり注意していた。すこし、「ゼーゼー」言うと小児科でアレルギーを抑える薬を飲ませた。

 そこに、娘から上の孫が37度台の熱がありインフルエンザかも知れない。休園し、医者に連れて行くという。娘夫婦は共稼ぎだ。どうするんだと聞くと、2人で半休をとって面倒見る予定だ。

 午後になって、「新型インフルエンザだった」と電話があった。新型インフルエンザは精密な検査が必要で、簡単に判定することは出来ないはずで、「本当に、新型インフルエンザなのか」と聞くと、「季節型インフルエンザA型も今は、新型インフルエンザなんだよ」という。

 新型インフルエンザの簡易キッドがないために、季節型インフルエンザA型も新型インフルエンザに含めているらしい。ごっちゃにしているのだ。

 季節型インフルエンザA型は、昨年も経験し、普通の風邪だろうと思っていても念のために検査したらA型だった。リレンザを吸引し、熱も上がらず4日ぐらい休み、通園を開始した。下の孫は直ぐではなく半月ほどして罹った。でも新型インフルエンザではどうなるか未経験だ。

 新聞報道などを見ると、似ている点もあるし、異なっている点もある。

 違う点は、まずワクチンが違う。別々に接種しなければならない。新型は肺で増殖しやすいが、季節型はほとんど報告されていない。感染者は新型は10代以下に多いが、季節型の死亡は高齢者がおおい。

 似ている点としては、新型インフルエンザも人、鳥、豚などに感染して大流行になることがあるA型だ。季節型は例年高齢者を中心に10,000人がなくなっており、子供の脳症も報告されている。新型でも欧州疾病センターによると、11月3日現在で約6200人が亡くなっている。

 共に弱毒性ではあるが、免疫部分で共通点もあるらしい。ある種のT細胞が反応する抗原決定基の69%が同じだという(朝日新聞2009.11.17)。これにより、多くの人が何か免疫反応を持っている可能性もあるし、1回のワクチン接種でOKかも知れないのだ。

  新型インフルエンザで多くの知見が蓄積された時点で、メデイアも私達も落ち着くだろう。それまではごっちゃに考えてはいけないのだ。

 今日も、ワクチン接種で思い副作用6人(朝日新聞2009.11.21)とメデイアは、毎日新型インフルエンザの「怖さ」を報じるが、必要以上に心配することがあってはならない。

 人口10万人当たりの死亡者数(人)でみると、ガン 261.0、心臓病 137.1、脳卒中 101.7,肺炎 85、新型インフルエンザ 39.1,自殺 23.7、交通事故 7.2で、リスクが許容できるレベルかどうか判断し防衛しなければならないと指摘する(読売新聞)2009.6.28)。

 医者は平熱になって2日で保育園へ行っても良いと言うが、保育園は1週間は休ませろと言う。症状が出たときはもう感染力はないのだが・・。

 寺田寅彦は、そのエッセイ「小爆発二件」で、「正しく恐れることはむずかしい」と言っている。寺田寅彦は、昭和10年8月4日の浅間山爆発に遭遇した。丁度東京に帰ろうと駅で待っていたら、下山したばかりの学生は「何でもないですよ、大丈夫です」と言い、これから登山しようとする平気な4人連れ、駅員は「そうではない、そうではない」という場面に出くわしての考えだ。

 「正しく恐れること」が出来るようになるのは何時のことか。

 娘に、「呼吸が苦しくなったり、けいれんを起こしそうになったら、酸素を吸引すれば重篤化は避けられるそうだ」と電話してしまった。
 写真:インフルエンザ発生状況 2009.11.20 NHK特報首都圏「気になるワクチンいつ打てる」より

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