2009年11月29日日曜日

民主党政権の斬新さもこれまでか


これからは、自民党政権と変わらない政治・政局運営が続くだろう。

 事業仕分けは多くの国民に政治に目を向けさせた機会となり、異論はあるものの高い評価を得たと見るべきだろう。短時間に事業説明をし判定するのは無謀すぎるという官僚、自民党幹部の意見もあったが、1時間もあったのに十分説明できなかった官僚の能力不足であり、国民に説明しにくい事業を展開していた官僚の無責任さを曝露したことになる。

 しかし、これからが民主党の正念場である。予算編成で如何に効率的で、ムダのない、景気浮揚に役立つ事業が出来るか。自民党清見寺の事業の「見直し」も続くだろうが、これからは独自性が要求される。

 税収も落ちる。赤字国債の規模が問題になるだろうが、景気対策の財政出動か、赤字財政の削減か。今のところ財政赤字がポイントのようだ。急に経済好転のネタはないが、どういう経済社会を目指すのか。その姿が示せるか?

 国会審議も十分ではないようだ。野党時代は「数の横暴」を批判しておきながら、一括審議、強行採決をした。与野党が逆転しただけで何ら従来の国会審議と変わらない。

 「政治と金」の問題は、自民党の攻撃の的になるだろう。二階さんも同類であるが、鳩山さん、小沢さんの政治資金規正法違反疑惑は、政権政党のトップ、NO2の座に居る者として、余りにも不自然である。何故、鳩山さん、小沢さんでは許されるのか。鳩山さんは脱税性があるし、小沢さんは、否定しているが「あっせん収賄」の疑いがある。

 国民が期待していた脱官僚、政治主導も怪しくなってきた。郵政の社長人事、人事院人事も事務次官経験者を当てた。民主党大臣も実際に政権に当たると、様子が違ってきた。今回の事業仕分けの結果でも「自分たちで見直す」「意見は述べさせてもらう」と言い、廃止、見直し事業が復活しそうである。

 国会の各種委員会での政権与党の質問はどうなるのか。今の大臣では、政治主導がおかしくなっているのだから、与党民主党の議員が「政治主導」を御旗に、官僚主導政治に果敢に闘いをいどまなければ、可笑しげな政治主導になってくる。

 そして、あれほど言っていた「情報公開」「説明責任」も、政権に就いた途端に、トーンダウンした。国民は誰でも知っている「官邸機密費」の件では当初「何ですか。知りません」と官房長官は惚け、大きく信用を失った。鳩山さんも自分の献金疑惑に応えようとしない。

 小沢さん率いる国会運営も危なかしい。国民が自分たちの代表として選んだ国会議員を、小沢さん流に使っては拙い。小沢さんは「日本の本当の民主主義を目指す」と機会あるごとに豪語していたが、こんな民主主義はまっぴらゴメンだ。

 民主党議員は、一度初心に返るべきだ。このままでは、今後民主党が初心を貫く局面は全くない。

 小沢さん! 政治は「闘い」ではなく、バランスだ。バランス感覚に欠ける政治は、本当の民主主義ではない。

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