2010年7月7日水曜日

参院選:疑心暗鬼の中で、どう判断を下すのか


参院選投票日を控え、今の政局は各党党首、候補者そして有権者までが疑心暗鬼になり、菅総理の説明不足も手伝って憶測が先走りし、互いに批判しあっているだけで、実りのある成果は出ない。

「国民のための政治」を標榜するのであれば、政治の方向は同じである。だが、そのプロセスにリーダー・シップを摂ろうと、各党の思惑がありそうだ。

今、争点になった消費税増税論も、景気が回復し、税収が増えれば財政再建に道が付く恥であるが、企業収益は回復しているものの、雇用不安、失業率は相変わらず続く。産業界は人件費削減などリストラで収益を戻しているようだ。だとすると、個人消費が伸びるはずはない。1993年に消費税を5%に上げたが、法人税は減収で財政はかえって悪化した。

景気回復が覚束なければ、増税して成長分野を支援し、経済成長に持っていきたいらしい。増税も正しいやり方をすれば成長につながると菅総理は言う。でも多くの学者はこの不景気の時期の増税は、更なる不景気をもたらすと言う。橋本内閣で実証済みで、退陣に追い込まれた。

皆が疑心暗鬼になっているのは、菅総理の説明不足がある。組閣以降、国会の予算委員かで政策の審議もしないままに、国会を閉じて選挙戦に突入した。所信表明、代表質問は通り一遍の言いっぱなしで終わった。

底に、消費税10%構想が飛び出し公約かどうかで一悶着、内閣支持率が下落すると見るや、菅さんの街頭演説から消費税は消えていった。

これでは、野党も有権者も「その本気度」を図りかねるし、選挙での判断基準に迷いが出る。

菅さんが言うように税制改革の一環として議論を始めることは良いことだと思う。しかし、野党も言うようにその前に国家財政をしっかり議論する必要もある。増収の道を探る。資産を売る。国会議員や国家公務員、地方公務員の削減と人件費の圧縮、不公平税制の是正、税捕捉の強化など少しも進んでいないから、反発が大きい。

特に、国会の監視外にある特別会計は徹底したチェックが必要である。民主党は10月から特別会計の仕分けをすると言うが、民主党主催の政治ショーではなく、与野党挙げての
特別会計のオープン化をやって欲しい。

特殊法人には700兆円があり、特殊法人を潰したり、民営化すると350兆円がかえって来るという。国の借金は900兆円に及ぼうとしているが、そのうち600兆円は天下り先の借金であるらしい。何かしら官僚に良いようにされていると言える。

法人の2/3は税金を納付していないことも問題だ。10:5:3と言われるように税の捕捉率が悪い。の婦税を逃れ手いる者も多い。納税者番号を作成することにより納税逃れを防止できるらしい。役人は信用できないので、悪用されることを理由に反対する者も多いが、真正直に税金を納めさせられている者にとっては、是非やって欲しい。

兎に角、国家財政のことが全く分からない、日本の税制体系もはっきりしない段階での、増税による税収増は誰が考えても納得のいくものではない。

疑心暗鬼の中での、参院選での是非の判断は難しい。消費税論争で、9ヶ月の民主党政権への評価を下すのか。それとも消費税の議論も否定することになるのか。
この混乱の根源は、菅総理の説明不足にある。
写真:2010.6.24 新橋駅前の遊説会場にて

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