2010年7月30日金曜日

民主党参院選総括:これで「新しい政治」が開かれるのか







民主党参院選総括での菅さんは、唐突な消費税問題で謝罪し、その上で「新しい政治を開きたい」と続投の意向を表明した。しかし、出てきた意見は「責任をとれ」「マニフェストを勝手に変更した」では、政権党に失望する。

小学校1年生に孫が国会が見たいというので29日、時々強風と強い雨が繰り返す悪天候のなかを永田町に出かけた。憲政会館に立ち寄るとテレビ局の中継車が集まってきている。
今日政治的に何かがあるとすれば、民主党の参院選総括のための総会だ。

その様子を30日の新聞で見て、民主党は本当に政権を担う政党なのかと疑問が出てくる。相変わらずの「小沢vs反小沢」の構図なのだ。

菅さんは、批判をかわすためか自分が提案した消費税問題が正確に伝わらなかったことを反省している。しかし、自民党も消費税問題をマニフェストに掲げて戦ってくるのだから争点はぼやけて、おまけに「政治とカネ」「普天間移設問題」を隠蔽できると見たはずだ。
これがせこい考えだった。

社会保障費に目的の消費税増税は世論調査でも60%以上の人が「仕方ない」と思っている。菅さんは何故、唐突であっても消費税問題に言及しなかったのか。財務省に屈した「政治主導に反する行為」と思われたくなかったのだろうが、国家財政の姿を国民に公開し、各分野で議論することは将来にとっても重要な課題だ。党内に強力な地盤を持たない総理の悲哀かも知れない。

今回の惨敗の要因は、10ヶ月の前鳩山・小沢政権をどう評価するかの結果でもある。その総括を避けて、1ヶ月の短期間の菅・枝野政権の責任追求岳に終始するのであれば、この民主党の暗部が見えてくる。

鳩山・小沢さんに係わる「政治とかね」の問題、鳩山政権で大ブレだった「普天間移設問題」、小沢さんも選挙中に批判している「マニフェストの見直し」、財政再建が急務になっている状況の中での「バラマキ予算の続行」など、どうして議論できないのか。各議員が選挙区に帰っての国民との接触で消費税の問題しかテーマにならないのか。

批判続出の中で「菅、枝野氏に責任を押しつけるのは気の毒だ。前執行部にも連帯責任がある」と言う石井さんの発言は長老の意見として意味がある。小沢vs反小沢の構図で総括しても意味はない。非公開でも良いからじっくり党内で議論すべきだ。その時は長老のアドバイスが有効だ。

考えてみよ 責任与党である民主党の混乱は、内政、外交共に国益を損なう重要な問題である。ゴタゴタが続くようだと、それこそ政権を去った方がよい。

「生活が第一」「元気な日本を復活させる」のスローガンは何だったのか。1年前の総選挙で現実がよく分からないままに作成したマニフェストは、PDCAでより現実的で内容のあるマニフェストに変えていくことは当然であるとしても、菅執行部は、まず党内をしっかりまとめ、国民に説明責任を果たすべきだ。

ところで孫との国会参観はどうだったか。国会議事堂はさることながら、偉容な新議員会館に驚いたようだ。

憲政会館から衆議院参観受付に廻っていたら、孫が「あの大きな建物は何なんだ」という。「新しい議員会館で、皆が選んだ代表がお仕事する事務所だよ」と言うと、「いくらかかったの」と聞く。「1700億円ぐらいかかったそうだ」と答えると、「誰が払うの」と聞いてきた。「みんなが納める税金だよ」と説明すると「フーン」と。

小学生だって豪勢な議員会館は不思議に思う。大人の国会議員が、それぐらいのことを分からないのか。「1人当たり2.5億円。それ以上の仕事をしてくれればいい」という意見があるが、「ねじれ国会」で与野党がどう政策を作っていくか、見物である。
写真:民主党の議員総会が開かれる憲政会館に集まるテレビ局の中継車 2010.7.29 憲政会館で
写真:新議員会館 小学生でもその偉容さは分かる。税金を使っての無駄な事業だと大人の国会議員は分からなかったのか。
写真:民主党の両院議員総会での参院選総括を伝える2010.7.30読売新聞。小沢vs反小沢の構図、前政権の総括なくして参院選総括にならない。

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