2010年7月21日水曜日

小沢さんの「不起訴不当」は、なぜか説得力のある議決だ


参院選が終わって4日後の東京第一検察審査会の議決の公表は、何かしら与党の民主党に配慮した格好に見えるが、何故か一番説得力のある内容だ。これ程まで論述して何故「起訴相当」でなかったのか。先の検察人事でも、小沢さんの起訴に消極的な人間がトップの座に就き、検察側が積極的に対応するとは思えないが、その検察の姿勢をも批判している。

先の東京第5検察審査会の「起訴相当」議決を見に行ったが、すでにはがされた後だったが、今回の平成22年東京第1検察審査会審査事件の議決要旨は、裁判所の掲示板で確認することが出来た。

小沢さんは、菅内閣発足時に、表舞台から一時身を退いた格好になっていたが、選挙では川上作戦と称して小さな町や村の小集会で支持を訴えていたが、菅さんの消費税増税問題ではあからさまに反対の意思を示したし、大幅なマニフェストの見直しでも、執行部を批判した。その結果、党内不一致を醸し出した。

さらには、菅さんに対抗して、9月の代表選では一戦を交える構えを示している。

小沢さんが辞任したことで、民主党内では責任を取ったと判断しているのか。自ら倫理委員会に出席しても良いと言っていたことも今は話題に上がらないし、選挙中に菅さんは「クリアーした」とも言っていた。

しかし、今回民主党が過半数割れしたことから、「政治とカネ」の問題で小沢さんの責任を問うことも可能になっていたが、それでも小沢さんの考え方次第だ。

今回の第一検察審査会の議決を読むと一般常識で十分納得がいく。

政治資金規正法での虚偽記載は、代表者の政治生命を絶たれることもあることから、秘書が勝手にやったとは思われない。

不記載などについて、報告了承を得たという供述は信用性が高いと、共謀に疑念を呈する検察と真っ向相対している。

「おう、分かった」は、小沢が理解していること。

4億もの大金借り入れの時の手書きの自署は、原資隠蔽の動機があったことになる。
水谷建設の資金提供に関する供述は、信憑性が高い。

そして、4億円の大金の処理に小沢さんが何ら無関係であったとは考えられない。「秘書に任せていた」ですませることは、司法手続きに関する信頼性を損なうことになると法治国家での国民の大方の考えに沿った論述である。

そして、「もっと証拠の提出を求めろ」「秘書をもっと取り調べろ」「否認する小沢さんも聴取しろ」と、再捜査のポイントを指摘している。

私も小沢さんの自宅の家宅捜査を何故しないのか疑問に思っているが、すでに関連する証拠は破棄されているだろうし、今から捜索しても新しい証拠はないだろう。新しい証拠が出ない限り小沢さんを聴取しても新しい展開はない。

小沢さんが国会内で説明しない理由がプライドなのかどうか分からないが、これから民主党の代表選に出馬し、総理を目指すという冗談とも思える情報があるが、自ら総理となり、逮捕に不同意という手も保身術の一つだ。

しかし、「政治とカネ」の問題で疑惑のある小沢さんが、暗躍することは政治不信を募らせるばかりだ。

この際、検察は小沢さんを起訴すべきだ。何ら自分の責任を国民に説明しない小沢さんを裁判の場で真実を明らかにすることが、小沢さんの為にも、また政局の安定のためにも不可欠だ。

先に「起訴相当」の議決をした第5検察審査会の2回目の議決に注目しているが、何やらおかしげな動きもあるようだ。ここはスカッとした結果が欲しい。
写真:東京第一検察審査会の「不起訴不当」の議決要旨 2010.7.20 東京地裁掲示板にて

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