2013年3月7日木曜日

続く株高:これも期待感だけで動く量的緩和の副作用か

株高が続く東証 7日は一時
12000円を超えた
今の世界的な株高現象、これも期待感だけでも動く量的緩和の副作用か。乱高下を続けながらも株高基調は変わらず、わが国では6日、250円高の11932円をつけ、リーマンショック前の12000円台の水準に迫り、米国も14253ドルで5年5か月前の最高値を更新している。

市場関係者は、わずかな動きにも反応し利益確保の売買に出るが、今は完全にリスク・オンになり量的緩和で市場にあふれたおカネが株式に回り、金利も低水準を維持している。


 でも各国の経済事情はそれぞれ違うのか。


 一番大きく影響する米国は、失業率も7.9%と高止まり、住宅市場、新車販売台数も持ち直しており、発表される市場の見通しも上回り好調のように見える。一方で、財政問題、強制削減、上限枠の問題では民主党、共和党ともに折り合いがつかず混沌としている。


 イタリアでの総選挙では、緊縮財政に反対の動きが強く、欧州危機がいつ再燃するか。


 わが国も米国の株高を受け、株高を維持しているが円安による動きであった、その円安は大胆な金融政策、アベノミクスによる市場の期待感であって、実体経済に裏付けされた内容ではない。

 7日の衆院予算委員会で海江田代表が、「安倍総理は、株高、円安で結果が出たような話し方をするが、まだ実体経済では結果が出ていないことを忘れてはいけない」とくぎを刺したが、多くのエコノミストはそういう考え方だ。


 その金融緩和・量的緩和への期待感はどうなるのか。


 FRBのバーナンキ議長は、今後も量的緩和を維持するといい、わが国も「アベノミクス」を推進する安倍総理と、やれるものなら何でもやる大胆な金融緩和を訴える黒田日銀総裁候補の二人三脚の金融政策に期待する向きが大きい。


 しかし、これまでの量的緩和で市場には十分なおカネが回っていることを考えると「量的緩和の解除」時期が問題になってくるし、FRB内でも話が出てきており、市場には警戒感も出てきているらしい。


 わが国でも、国会の衆院予算委員会で、「量的緩和をいつまで続けるのか。2%の物価目標を達成した後か、目標達成の見通しがついたときか」と質問した野党議員に安倍総理は「専門家の判断に任せるが、日銀は過去にその判断を誤ったことがある」という意味の答弁をして日銀をけん制していた。


 「量的緩和の解除」には、いろんな問題があるようだ。政策を進めるときは、その政策をやめる条件、やめる時期をきちんと決めて、かじ取りをすべきである。


 白川総裁は、そのことをわかっていて慎重な発言を繰り返しているのではないだろうか。去る者は多くを語らないのが美だと思うが、この辺の考え方に言及するのは国民への情報提供、説明責任ではなかろうか。


 行き過ぎた金融緩和の副作用、過大な期待は禁物と発言する白川総裁に同感だ。

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