2013年4月4日木曜日

黒田・日銀の量的・質的金融緩和:2倍、2倍の出し惜しみなし?

黒田総裁の記者会見
NHKニュースヲッチ9
2013.4.4

黒田・日銀新体制の次元を異にした「量的、質的金融緩和」は、マネタリーベース2年間で「2倍」、国債保有額、平均残存期間2年間で「2倍以上」の必要な措置はすべてとった、出し惜しみなしの内容だという。

黒田総裁は、記者会見でフリップを用意し、物価安定目標2%、達成期間2年、マネタリーベース2年間で「2倍」、国債保有額、平均残存期間2年間で「2倍以上」と2のつく数値で纏めた覚えやすい目標だ。

白川前総裁の時は、無担保コールレート0.1%に重点を置いた操作だったと思うが、新体制はマネタリーベースに重点を置く。

通貨供給量を2年間で2倍にし、円安、株高を誘導するらしい。残高が2012年末で138兆円だったが、14年末には270兆円と2倍にする。

デフレ脱却が出来ない理由に「通貨供給量が他国の中央銀行に比べて少なくないか」と国会の予算委員会でも白川前総裁が質問を浴びていた。リーマン・ショック後、欧米は供給量を2~3倍に急増させたが、我が国は1.5倍しか増えていないと言うのだ。

それに対して白川前総裁は、対GDP比で言うと我が国は先進国一高い比率で、決して少なくはないと弁明を繰り返していた。この論争は平行線のままだった。対GDP比で比較するのは、各国の経済規模が異なるためらしい。

ところが今回、マネタリーベースで2倍ということなので、国会、巷間エコノミストの賛同を得るだろう。

記者会見で、「それだけ多くの資金を流すことは副作用として資産バブルの心配はないか」との質問に黒田総裁は、「現時点では長期金利がはねるとか、資産バブルがふくれあがるとか言う懸念は持っていない」と言い切った。

市場は反応(?)し、株価は270円高の12634円、ドルは95円台の円安に動いた。市場は予想した以上の緩和策と判断したのだろう。

金融緩和は、始めるときよりも、止めるときの判断の方が大事で、且つ難しいという。「大胆さ」も重要ではあるが、「慎重な」政策運営を期待したい。

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