2014年2月16日日曜日

大雪で「大動脈」止まる:警報が出たら「移動を控える」ことが防災の基本では

讀賣新聞2014.2.16
大雪で物流の「大動脈」が止まる、警報が出たら「移動を控える」のが防災の基本ではないか。大雪ばかりではない、近いうち噴火が予想される富士山の火山灰によっても同じことが起こるのだ。14~15日かけての大雪で東名高速道など物流の「大動脈」が20時間以上に渡って通行止めになった。先の大雪の経験を生かして除雪作業をやったというが、今回は車の「スリップ」事故が続発したという。

今回の大雪警報でも、気象庁は「移動を控える」よう警告を出していたのではないか。警報が出ると「移動を控えること」が災害を最小限にする基本ではないのか。

ニュースを見ると、高速道での渋滞はトラックが多い。今、物流はトラック便に頼ることが多く、流通業者も少々のことでは仕事を休めないのだろう。後々の処理を考えると、移動を控えた方が遙かに損が少ないはずだ。安全とはそういうものなのだ。

今回の大雪は都心でも27cmの積雪を記録し、道路は混乱し、高速道は長時間通行止めになった。

屋根への積雪で体育館や駅ホーム、アーケードの倒壊も発生、死亡事故まで発生している。

東急・東横線は追突事故を起こした。前の電車がオーバーランし、後続の電車が追突したという事故だ。東急の記者会見を聞くとブレーキパッドの間に雪が入りブレーキの効きが悪くなったという。

これはスリップ事故ばかりが注目されるが、車でも言えることではないか。事故防止に「早めのブレーキ」と教えられているはずだ。

宝永噴火による降灰分布図
朝日新聞 2013.5.17
ところが、大雪ばかりではない。桜島、富士山の噴火の危険が指摘されているが、降り注ぐ火山灰による事故、高速道などの通行止めは同じことが起こるのだ。

降灰の場合、雨が降ると5mm積もっても道路は通行不能になるという。数mmでスリップが始まる。屋根に積もれば木造住宅では崩壊の危険が出てくる。

更に悪いことに、雪と違って火山灰の被害は送電、電子機器にも障害を起こし雪どころの被害ではないのだ。

大気汚染での目、鼻、気管支への影響も甚大、農業では壊滅的被害が予想される。

富士山が1707年の宝永大噴火をした場合の想定では、私のところ(東京・大田区)は4~8cm積もる。

我が国も9世紀には超巨大地震、火山大噴火を経験しているが(古文書などでの記録など)、今地球の内部はその時の状況に酷似しているのだ。

災害を出来るだけ最小限にするには、警報が出ると移動を控えることだ。大雪警報は天気図、気象予報士の説明を聞けば容易に理解できるはずだ。

寒気が降りてきて、低気圧が南岸をそって東に流れると大雪の危険がある。しかし、低気圧が予想より南を通ったときは雨なのだ。海流の蛇行と合わせここの判断が難しいらしい。


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