2014年2月25日火曜日

G20・共同声明:例のごとく「絵に描いた餅」で終わるのか

G20声明は、例のごとく「絵に描いた餅」で終わるのか。注目とまでは行かないが、注視していたシドニーでのG20・財務相・中央銀行総裁会議が終わり、世界のGDPを「今後5年間で2%以上引き上げる」新しい目標が決まった。目標と言っても努力目標らしい。

各国で経済運営に四苦八苦している状況下で、経済成長は低調さが予想されるが、それを規制緩和や成長戦略で2018年予想の成長率4.1%から2%幅超を引き上げ6%台に挙げる目標が本当に可能なのか。

根拠となったのは、IMFが提出したレポートだという。

こういう会議がある度に、いつも思い出すのが「自分の国内でもうまく行かない目標を、こんな国際会議でうまく行くはずがない」という政府高官のつぶやきだ。地球温暖化対策でのCO2削減を話し合ったときのことだった。

共同声明を見ると、「世界経済の改善の兆しを歓迎するとしながらも持続可能な均衡ある成長にはほど遠いとし、新たな施策として今後5年間で世界のGDPを2%以上引き上げることとする。金融政策は多くの先進国で引き続き必要であるが、適切なタイミングで正常化すべきで金融緩和の依存度を下げることは中長期の金融安定に繫がる。財政再建では債務残高をGDP比で持続可能な道筋に乗せつつ、短期的には機動的な財政政策を実行る」などが声明の要旨だ(讀賣新聞2014.2.24)。

更に11月のG20サミットで方策をまとめるらしい。

今、世界を見渡すと雇用の確保が喫緊の課題だ。成長率の目標を掲げ、経済成長を促し世界的な雇用の確保が要求される。特にG20は経済規模で言うと世界の85%を占めるのだからG20ががんばれば達成できるというのか。

FRBの量的緩和縮小が新興国などに重大な影響を及ぼしているが、金融政策が世界経済に与える影響に注意し市場と意思疎通を図ることを確認しているが、適切な時期に正常化すべきであると訴えている。

FRBは408兆円から量的緩和縮小に入ったが、日銀は量的緩和を270兆円に拡大中であり、4月からの消費税増税で景気の腰折れ懸念が出れば更なる量的緩和に手をつけるらしい。

量的緩和は劇薬だ。「異次元の金融政策」に市場は踊らされてはいけない。止めた時の反動が大きいことは以前から指摘されていたことではないか。

また、経済成長路線とともに財政再建という相反する政策を訴えている。以前、赤字財政半減目標があったが達成出来ないままになっている。日本は債務残高1000兆円超という、あまりに大きい財政赤字のために特別扱いされていたが、消費税増税で財政再建に一歩前進としている。

11月のG20サミットまでに方策をまとめると言うが、言われていることは規制緩和による構造改革、成長戦略である。

日本でも規制緩和が言われている。岩盤規制にドリルで穴をあけるというが一向に成果を聞かない。

何か新しいことをやろうとすると、監督官庁があり国民の生命、安全のために新しい規制が始まる。その中心になるのは官僚であり、業者仲間だ。これが利権あさりになり部外者の参入も許さない強固な組織を作ってしまう。

これにドリルで穴を開けようとしても官僚、業者の抵抗が大きくうまくは進まない。総理が相当の熱意をもってやっても成果はどうだろうか。

民主党政権の時、「事業仕わけ」で無駄を排除をしようとしたが、財務省の手のひらで踊らされているようで、「廃止」とされた事業も理由なく復活するありさまだ。

どういう規制を緩和すれば、どういう事業が展開できるのか。もっと分かりやすい情報がほしいと思うのだが。

成長戦略も第3の矢では不足で6月までに見直すという。今までも各政権で成長分野があげられ、資本を効率的に投入する話はあったが、成果のほどは分からない。

成長戦略の分野に経済界がどう足を突っ込んでいるのか。○○審議会に経済界からメンバーを出しているだけでは覚束ないのではないか。

そうかと言って、業者が新しい事業に進出したいから規制を緩和してほしいと監督官庁に要望しても官僚は自分たちの利権を荒らされるために業界団体と一緒になって拒否することも考えられる。

規制緩和、構造改革を進め経済成長路線にもって行き、雇用を確保することが日本でできるか。しっかり議論してほしい。









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