2017年8月25日金曜日

今日の新聞を読んで(100):東海・南海トラフの地震予知はやっぱり無理なのか

読売新聞 2017.8.26
東海・南海トラフ巨大地震の予知はやっぱり難しいのか。「地震予知」を前提とした大規模地震対策特別措置法(1978年)が見直されるという。東海地震予知を前提に対応していたが確度の高い予知は困難ということになり再検討されれば当然に防災対応も見直されることになる。

確かに地震学会でも「地震予知は無理」という意見が出ていた。地震のメカニズムも分かっていないのに予知が出来るはずがないと言う考えだ。それに対して「予知は無理」と言ってしまえば今までの地震研究はダメになるから今後も継続すべきではないかと言う意見もあった。

どちらの意見が正しいか分からないが、地震学者以外の異分野の研究で予知をしようという動きはある。

古くはFM電波異常、大気中のイオン濃度の変化、ラドン濃度などで予知をやり「当たった」という意見もあったが、それぞれの研究者が異常を感知し警告するが外れるケースが多く、いつの間にか名前を聞かなくなった。

一方で、測量学の村井先生はGPS測定、早川先生は電波異常観測で週刊誌に注目されている。定期的に警報を発しているが全国的な観測結果だ。「何処で、いつ頃、規模は」など具体的な警告もあるが信憑性は分からないが、「当たった。当たった」と週刊誌は言う。

でも、地震学ではそういった異分野の研究は問題外なのだろう。

地震学者は地震のメカニズムに注目する。3.11東北地方太平洋沖地震の直前に北からスロースリップが起こり、止まったところが巨大地震の発生場所だったことからスロースリップが注目されている。

最近では古文書を読み解いたり地質調査での地震考古学、南海トラフ関連で巨大地震発生周期の見直しなどで南海地震の発生時期を予測し直す報告がある。

それによると次の南海地震は200年先、あるいは2030年代中頃という。注目された東海地震も何時おきても不思議ではないのだが、発生していない。この震源域の真ん中には中部電力の浜岡原発がある。
東北地方太平洋沖地震で当時の民主党・菅総理が中部電力に稼働停止を進言した。一悶着起きたが中部電力は停止を受け入れた。東海地震が起きれば甚大な被害を及ぼすことは分かっているので賢明(?)な措置だったのだろうが、今、再稼働を目指しているという。

南海トラフ関連の地震は注目だ。東海地震、東南海地震、南海地震の3連動、あるいは日向灘地震を入れると4連動になり巨大な地震発生になる。ところが1498年の日向灘地震は古文書などの研究の結果、発生根拠が乏しいことになった。

南海トラフ関連の巨大地震発生を事前キャッチする目的で、トラフに観測機器を設置する研究が進んでいる。地殻、海溝の動きには注目だ。

実際に地震が発生した直前の地殻異常は、確か関東大震災発生直前に震源域付近で測量をやっていたグループがいて、はっきり地殻に変化があったことを掴んでいた。

そして先にも言ったが、東方地方太平洋沖地震では、北からのスロースリップが泊まったところが巨大地震の起点になったことぐらいだろう。

地震予知は地震学者だけでなく、異分野の研究もはねのけず真摯に検証する価値があるのではないか。特にGPS測定は期待出来ると思うのだが。村井先生の研究では全国至る所で地殻の異常が観測され「何時、何処で、規模は」とまでは言い切れていないのだが、警告の価値はある。


地震関連の研究は生かしてはじめて価値がある。

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