時の政権は緊急事態対応が苦手：安倍政権の新型コロナウィルス肺炎、民主党・菅政権の福島第一原発事故しかり

与野党政権を問わず、時の政権は緊急事態対応が苦手なようだ。今問題になっている安倍政権での新型コロナウィルスによる肺炎対策、そして民主党の菅政権時の３．１１東北地方太平洋沖地震および津波被害での福島第一原発メルトダウンによる放射能汚染事故対策を見ると未経験ではあるが時の政権の右往左往振りが明らかだ。

今、安倍政権は野党から鋭い追及を受けているが、菅政権のときは野党・自民党が政権を追及していた。安倍総理は「悪夢のような民主党政権」と事あるごとに民主党政権を揶揄するが安倍政権だって同じことではないか。むしろ福島第一原発の方が対応が難しかった。

政府の地震対策として津波対策が必要といわれていたが、東電はその対策を怠り、１０００年前の巨大地震、津波の来襲で非常用電源は冷却水が無くダウンした結果、原子炉がメルトダウンし、放射能汚染事故を発生させた。

菅総理は周囲の反対を押し切って現場に急行し現場の実態把握に努め、東電の対策事務所では関係者に発破を掛けた。

放射能汚染のために住民を退避させる必要が出たが、避難ルートが放射能で汚染された地域だったこともあり政府に批判が集中した。放射能飛散シミュレーション結果を政府は隠していたらしい。その時の官房長官が今の立憲民主党の代表の枝野さんだ。

菅総理も陣頭指揮をしなければならない総理が何故、官邸を離れたのか、総理が現場に来るということで現場が対応に追われ必要な対策が遅れたのではないかと批判が出た。

そして今の安倍政権による新型コロナウィルス肺炎対策はどうか。ダイヤモンドプリンセスでの感染者数を入れると日本での感染者が突出することを考え、政府はＷＨＯにダイヤモンドプリンセスでの感染者数を別計算にすることでＷＨＯに１１億円を拠出したという。

安倍政権の初動ミスで感染者数が増加の一途だ。それでも専門家に言わせれば実際の感染者はもっと多いのではないか。検査をやっていないので実数がつかめていないだけではないかというのだ。

全員検査が原則だが政府はＰＣＲ検査、試薬、検査機関の制限もあり全員検査ができないというが、テレビの情報番組ではそういう問題はない。依頼されればいつでも対応できるというのだ。政府は何を隠しているのか。保険適用の問題があるのではないかと指摘されている。

政府は問題発生後、後手後手の対応だったが武漢に救援機を送り関係者を帰国させ今、５便目が検討されている。帰国後のいったん収容先の施設にも問題があったようだ。

しかし安倍総理は中国本土全域からではないが、一部の州、都市からの入国を拒否し、他に患者が出ているクルーズ船の入港を拒否した。

安倍政権は中国に対しては甘い対応だ。４月には習主席の国賓待遇での来日が予定されている。招待する側だから習主席に「中止しよう」とはいえない。習主席も今、自分のおかれている立場を考えると訪日中止は言わないだろう。

感染者数が今後どうなるか。ピークを過ぎるのか。ダイヤモンドプリンセス号の発生患者数以外に日本本土での感染者数はどう動くのか。すでに水際封じ込めにもかかわらず日本には新型コレラウィルスが蔓延しているのではないかという考えもある。

これを機に安倍政権、自民党は憲法改正での緊急事態対応の必要性を説くだろうが、こんな様では憲法が泣く。もっと基本に返って緊急事態対応を検討したらどうか。

そして旧民主党政権を「悪夢のような」などと皮肉ってはいけない。安倍政権こそ「悪夢のような」自民党政権ではないのか。