2012年10月14日日曜日

財政再建と成長路線:相反する両立に苦悩するIMF?


「目をそむけてはいけない。成長なしには
世界経済への未来は危うい」とラガルド
専務理事
2012.10.14 報道ステーション
SUNDAY テレビ朝日
今まで政府債務で経済危機に瀕した国に支援と引き替えに、緊縮政策を求めていたIMFが、今回のIMF総会で世界経済の成長減速に強い懸念を示し方針を転換し、行き過ぎた緊縮財政を避け可能な限り成長戦略をとり、拡大する金融不安に断固足る行動とると国際通貨金融委員会は声明を発表した。

今回の金融危機の発端となったギリシャでは、「これ以上の我慢はできない」と緊縮財政への反対運動が起こったが、政府が緊縮財政を受け入れ支援を受けたが、財政再建目標が先送りされた。それだけ財政再建は困難なのだろう。

財政再建では歳出を減らす緊縮政策が最もわかりやすく、やりやすい政策であるが、国内経済は疲弊し、国民の不満は高まる。

財政再建といいながら、一方で成長政策のための財政出動は相反するもので、その両立には不確実性もあるが、急激な経済の減速を前に成長路線を加味せざるを得なくなったのだ。

IMFの舵取りも重要になってくるが、欧州ではESM(欧州安定メカニズム)の整備、米国には「財政の崖」への対応、日本には特例公債法の速やかな成立が求められた。

我が国の銀行が大量の国債を保有していることにも強い警戒が発せられた。金利が上がれば銀行の損失は増大し、経済危機に直面するのだ。国会で「1%金利が上昇したら銀行の損失はいくらになるのか」と質問された白川総裁は「1%の上昇で、銀行などの損失は6兆円と試算している」と答えていたのを記憶している。

銀行救済のために公的資金を注入すると、さらなる財政悪化につながるため、IMFは銀行監督の強化、地方銀行の再編なども提案した。

我が国は、成長路線に向けデフレ脱却、円高対策の必要性が問われているが政府は「日銀と協調し取り組む」と念仏のように繰り返すが、言うことは「日銀にさらなる金融緩和の要望」なのだ。

「果敢な」とか「徹底した」と冠がつくこともある。

日銀は、今までも資産買い入れ基金の枠を65兆円→70兆円からさらに10兆円増やし80兆円に拡大した。しかし市場の好感度は悪い。

相対的に通貨の供給量が不足しているとみられており、「無制限の枠」が要求されているのだが、日銀の腰は重い。過度の金融緩和への期待を否定する。

また、金融緩和への手段は国債、インデックス債、民間債権、株式などがあるようだが外債の購入はだめらしい。これには為替介入の可能性もあるために日銀ではなく、財務省が処理すべきだと言う。

政府は「さらなる金融緩和」を要求しているが、それが何なのか。どういうプロセスで景気の改善に役立つのか説明すべきではないか。

インフレターゲットも問題になっている。日銀は1%を目処にすると言うが、3~4%をめざし消費を躍起すべきだと言う経済学者もいる。しかし、インフレは実質所得の減少になり消費を控えるのではないかという見方もあるのだ。

日銀の白川総裁の考え方は、講演などの資料によると、今のように長期金利を低く維持していると企業は資金を借りやすくなり、企業が物を買うようになると物価も上がりデフレ脱却にもなり、消費も増え景気は改善するというのだ。

ところが、今は市場に資金はダブついており、むしろ企業は投資意欲が沸かない状態なので、政府による規制緩和などの政策が必要なのではないかというのだ。

政府と日銀は互いに責任をなすり合っているのではないか。これでは成長路線など無理だ。

ノーベル経済学賞受賞のクルーグマン教授は、この世界的経済危機を脱出するには、緊縮政策ではなく、財政、金融政策へ大胆かつ積極的な転換が必要であるが、世界のリーダーは間違いを犯し続けて緊縮政策に走っており、再び過ちを犯し続ければゲームオーバーになると警告している。

財政出動→雇用確保→経済成長を提唱しているのだ。

誰の、どんな政策が効果があるのか。わかっていることは不確実性だけだ。

2012年10月12日金曜日

経済学は社会に貢献しているか


経済学は社会に役立っているのか。ノーベル賞受賞者の発表があるこの時期になるといつも思う。医学生理学賞、物理学賞が人類に貢献しているように思える一方で、サブプライムローン問題、リーマンショック、ギリシャに始まった財政破綻問題と世界的な経済危機が続くが、早期に予測して回避することができなかったのか。そして長期の不況から脱出する政策を経済学は提案できないのか。

以前、市民メデイアのオーマイニュースに「経済学は役立っているのか」という同じような内容の記事を投稿したことがあるが、「わからないことはないが、チョッと厳しすぎないか」とコメント欄に書きこまれたことがある。

ところが朝日新聞(2012.10.11)の「カオスの深淵 危機読めない経済学」というタイトルの記事が掲載され、エリザベス女王が「どうして危機が起きることを誰もわからなかったのですか」と尋ねられたことがあるというのだ。

それによると、2008年11月ロンドン大学経済政治学院の新築ビル開所式にエリザベス女王が招かれてのことだったそうだ。

学者や実務家が集まって討論し、「金融市場や世界経済について多くの警告はあったが、分析は個々の動きに向けられ、大きな絵を見失ったことが頻繁にありました」と女王に報告したそうだ。「誰も全体を見ていなかった」というのだ。

サブプライムローン問題では一部の経済学者はこんなものが長続きするものではないと警告を発していたし、リーマン・ブラザーズ破綻の時も実体経済に影響は小さいという意見が多かったが、直ぐではないが実体経済に影響してくるという意見もあった。当時の日本政府も、与謝野さん(何大臣だったか忘れた)は、ハチがチクッと刺したぐらいだと実体経済への影響を心配していなかったほどだ。

時が経つうちに実体経済への影響が出てきて、多くの経済学者、アナリストたちが警告するようになった。

一方、経済政策で貢献した経済学者もいる。20世紀初めの世界大恐慌から経済を復興させたケインズだ。デフレ、失業対策には政府の積極的な財政出動が必要だと説いた。今も十分に役立ちそうだが政府債務問題で緊縮政策が横行している。ノーベル経済学賞受賞学者のクルーグマン教授は「今は財政出動の時」と声を張り上げているが採用する政府はなさそうだ。


経済政策を論ずる時は、2つの立場がある。「供給サイドか、需要サイドか」だ。供給サイドは規制緩和や民営化で「小さな政府」を目指す政策、一方の需要サイドは公共事業や減税などで景気を浮揚させる「大きな政府」を目指す政策だ。米国の大統領選でもそれぞれ立場が違っている。

でも今はどちらか明確に分かれるのではなく、良いとこ取りのゴッチャ混ぜになった政策になって来ているのではなかろうか。

一時、経済の循環サイクルがはやった時がある。技術革新、資源開発で50年周期を提案したのがロシアのコンドラチェフだ。在庫投資の循環サイクルで40ヶ月周期がキッチンサイクル、設備投資の循環サイクルで約11年のジュグラーサイクル、建設投資で22年周期のクズネッツサイクルがあった。しかし今は聞かれない。

経済構造が変わってきたのだろう。

経済を混乱させているのには、人間の行動も大きく関わってきた。

今の金融危機の発端は、米国のサブプライムローンを元に証券化した商品が暴落したことだが、この証券化された商品を扱う企業に高い格付けをしていたのが格付け会社なのだ。日本の金融審議会で格付け会社の責任が追及されたが、「改善すべき点は多々ある」と釈明していた。

格付け会社は、政府債務問題に絡んで、各国の国債を格下げする動きにあるが、責任という観点からも規制を強化すべきではないか。

円高、株価の動きも激しい。今はコンピューターで瞬時に売買し、小さな利ざやでも大きく儲けるようになっている。各社が同じようなプログラムを提供するものだからチョットしたことで大きな動きになる。

確か歴史のある十文字屋証券だったと思うが、今のコンピューター取引にはついて行けないと証券業を廃業した。昔は最後の判断は人間がやったが、コンピューターには人間の感情などわからない。
                                                                                                                             

現在の経済は、政治が大きく関わっている。投資家は政府のコメント、政策でリスク・オンか、リスク・オフかを決め、それが為替、株価に影響を与える。

政治がモタモタし政治機能不全と市場が見ると、国債下落→長期金利の上昇になり世界経済に影響を及ぼす。今危機に瀕しているのは経済規模の小さい国であるが、これが規模の大きい国になった時は世界経済は混沌としてくる。世界大恐慌も現実になってくるのだ。

慣習的な経済の知識に頼る慣習的な経済政策の中に生活の改善の期待をかけることの危険を人々は思い知ることが重要なのだ(経済学の神話性 E.J.ミシャン ダイヤモンド社昭和62年8月)。

多くの経済学者、アナリストが同じ経済指標を見ながら、それぞれ異なった経済見通しを述べている。今までのデータをどう読み、これから出てくるだろう変化をどう読むかで結論は違ってくるのだろう。エコノミストの数だけエコノミストの予想がある。

予想は、反対から読むと「うそよ(嘘よ)」ということになる。「専門家の予測はサルにも劣る」(ダン・ガードナー 飛鳥新社 2012.5)という本が出ているほどだ。経済学者、アナリスト、証券会社のチーフ・エコノミストらがメデイアで経済予測を発表するが、外れていても責任は問われない。言い訳をしたり、臆面もなく次も出てくるのだ。

エリザベス女王への報告にあったように、金融市場や世界経済の分析は個々の動きに向けられて、誰も全体を見ていなかったことになるのだ。

だから、エコノミストの議論が常に正しいというわけではない。エコノミストの理路整然とした論議は、経済が3次元の立体だとすると、その立体の一つの切り口にすぎない。見当外れに終わる確率が高いとみて良い。この切り口の角度が違うために、同じ問題に対するエコノミストの見解が違うのだ(ランチタイムの経済学 ステイーヴン・ランズバーク 佐和隆光 ダイヤモンド社 1995.5 監訳者序)。

そういう目で、これから経済学者、エコノミストの解説、論評、予想を読んでいこうと思う。

ところで、11日のG7財務相・中央銀行総裁会議では財政再建と持続的な経済成長の両立を目指すことが確認されたそうだ。エコノミストに役立つ提言をしてほしいものだ。

2012年10月10日水曜日

国際通貨基金(IMF)は債務国を助けているのか、いじめているのか

IMF,世銀総会のロゴ
国際通貨基金のHPより

9日から日本でIMF・世銀総会が始まった。IMFと言えば国際通貨制度の安定確保を担う責務があるとはいえ、最近の言動は債務国を助けているのか、いじめているのか判断に苦しむ場面が多いと感じていた。金融支援の代わりに債務国に財政再建、緊縮財政を強要するが、緊縮財政に反発する国が多く、彼らは成長戦略で雇用の確保が急務なのだ。

IMFの役目について国際通貨基金のファクトシート­-IMFの概要から探ってみた。 為替レート制度、多国間決済制度などの国際通貨制度の安定性の確保が第一の責務だという。その安定の維持、危機の防止に向け、各国の政策、並びに国・地域・そして世界的な経済・金融状況をレビューし、188の加盟国へ政策助言をし、経済の安定、金融危機の軽減、生活水準の向上の実施に向けた政策を推奨するというのだ。

経済、金融面で大きな役割を担っているが、前回日本で総会が開かれたのは1964年で、日本は東京オリンピック、それに合わせた東海道新幹線の開通(IMFの支援で)と活気に溢れ成長率も9%だったが、今は低成長率が続き財政再建に苦悩している。

IMFの最新の報告書でも世界経済は数か月前よりも先行き不透明な状況に陥っており、見通しはさらに悪化、リスクは高まっていると指摘し、今年の世界経済の成長率は3.3%、2013年は3.6%と依然低迷すると見ている。

世界財政見通しでの主要国の対GDP比財政赤字も2013年度は米国6.4%(2012年8%)、ユーロ圏2.9%(3.4%)、イタリア2.8%(2.3%)、先進国4.6%(5.7%)と改善が進むが、日本は8.8%(10.2%)で相変わらず主要国では最悪の水準だという(讀賣新聞2012.1.25)。

そこでIMFは日本に対する年次審査報告書で政府債務を引き下げていくために、2015年以降も更なる財政再建策を求め、(1)消費税率を15%まで引き上げる、(2)法人税率を更に引き下げる、(3)年金支給開始年齢を67歳へ引き上げるなどの提案している(讀賣新聞2012.8.2)。

日本政府の政策を追認したのか、IMFの提言を日本政府が追認したのかわからないが、財務省から多くのスタッフがIMFに出向しているのでIMFも野田政権も財政再建策では共有しているのかもしれない。

IMFはほかにも色んな発言をしている。ラガルド専務理事は大飯原発の再稼働や消費税増税に「勇気ある決断と行動だ」と評価した。「勇気ある決断」とは国民に負担と不安を強要するものなのか。

IMFは世界経済のことを考えてのことだろうと思うが、何故、民意とかけ離れた政策を推奨しようとしているのか。

ⅠMFの債務国への融資条件を見ると、緊縮財政、増税を強要しているが雇用の減少→失業、福祉の切り捨てで国内経済は崩壊し、救済よりも国民を苦しめることになっていないか。

政府債務は政治家や官僚の利権食いの結果で拡大したもので、一時は国民に利得もあったろうが、そんな国家破綻に繋がるような放漫財政が長続きするはずはない。

しかし緊縮財政ということになると国民への犠牲は大きい。

欧州経済危機の発端となったギリシャに対してユーロ圏、IMFによる支援が続いているが、今でも先行きは不透明である。その支援の代わりにユーロ圏とIMFの監視下で歳出削減と構造改革が要求されているが、国民は「これ以上の我慢はできない」と緊縮政策に反発している。

そこで債務国である日本も勿論のことであるが、ギリシャでも経済成長路線が求められるようになった。

経済成長路線には財政出動が必要で赤字を積み上げることになる。その結果、景気が好転し税収が増えればいいが、今の世界経済でその可能性は低くないか。結局は財政出動を躊躇することになる。

「世界経済減速をどう防ぐか」は今の喫緊の課題であるが妙案はなさそうだ。

我が国も長期間続くデフレからの脱却、円高対策が経済再生の基本課題であるが、成功していない。今の円高は実情にあっていないと日本政府もIMFも認めるところではあるが、単独為替介入にはIMFは反対している。

ラガルド専務理事は「先進7か国で行われているように他の通貨当局と相談した後であれば正当化される(讀賣新聞2012.7.8)というが、米国はドル安政策で協力など得られはずがない。

そのIMFも構造改革が要求されている。新興国が出資比率を上げ発言力を強めようとしているのだ。中国がドイツを抜いて出資比率が3位に上がってきた。17%の出資比率で断トツの米国が単独拒否権を持っており、IMF改革も米国の意向次第なのだが、中国の台頭に警戒している。

それにしても今後のIMFの使命はどうなるのか。

途上国の経済発展の支援を担い、ユーロ連鎖危機の歯止め役と役割を果たしてきたが、これからの成長戦略にどう対応できるのか。

「国破れてIMFあり」は誰も望んではいない。

今回のIMF・世銀総会はエジプトの政情不安があり急きょ決まったようだ。日本にとっては防災・復興をアピールする良い機会なのだろう。しかし今世界は政情不安の時代だ。IMFも政情不安にどう対応するかは重要な課題であるはずだ。むしろエジプトで開催した方が良かったのではないか。

9日に有楽町の東京国際フォーラムに行って来た。

9日は総会場の入り口はフェンスで
ガードされ、警備員、警察官が警備
していた。
会場の入り口はフェンスでガードされ、警備員、警察官が立っていた。周囲の道路は警察の検問ラインが引かれ12日に向け警備が強化されている。街のコーナーには案内係のスタッフがプラカードを持って立っていたが、外人観光客、総会出席者は少なく手持ち無沙汰の状態だ。街路にもロゴをあしらった垂れ幕が下げられ、帝国ホテルへの矢印が記されていた。

アフリカの取材クルーが街頭で取材していた。インタビュアー同士が笑いながらデジカメをいじっていたので、日本製品のデジカメの良さを取材していたのだろう。

今朝のテレビ・ニュースで総会・会場の周辺は、外人観光客などは少なく日本人観光客が多いことに「異変が起きている」と驚いていたが、中国が参加を止めたので中国人観光客がいなかったのも原因ではないか。




2012年10月8日月曜日

人気が陰りだした日本維新の会に何を期待するか

日本維新の会のロゴ

人気が陰りだした日本維新の会に何を期待するか。既存政党への不満が日本維新の会への高い支持につながっていたが、ここに来て人気に疑問がついてきた。「日本維新の会」でないと何がダメなのか。橋下さんに負うところが大きく、その発言で期待は大きく左右される。反原発から再稼働容認への方針転換、9月初旬の公開討論会の失望から好ましくない方向へのターニングポイントになってしまった。

独裁的立場にある橋下さんの発言は、一度疑問がもたれると取り返しのつかない結果になり人気にかげりがでてくるのだ。世論調査で支持率が下がる度に、実績がないために「もっと下がりますよ」と強がりも言う。

今、政党は「日本再生」、「仕組みを変える」と謳え国民の関心を買おうとする。ポイントは公務員制度改革なのだが、巨大な官僚機構の抵抗にあって一向に進まない。進んでいるように見えても肝心なところは骨抜きの改革で仕方ないのだ。民主党の支持団体が官公労である以上、彼らの意向に反した改革は出来ないからだ。

日本を変えるには、西郷隆盛―勝海舟の江戸城無血開城よろしく、永田町/霞が関の無血開城しかないのだ。

ところが、日本維新の会の橋下さんは大阪府、大阪市で公務員制度改革、教育改革に果敢に取り組み統治機構改革をめざし仕組みを変えてきた。

この実績、ノーハウは貴重で国の統治機構の改革も期待できる。

「決められる政治」を進めるのは橋下さんしかいない。約束したことは実行しているようだ。おまけに公開性を謳っているので「失敗すれば謝る」というわかりやすい姿勢は共感を生んでいる。

地方分権は地方自治体の首長としての経験から出てきた政策課題なのだ。消費税の地方税化も地方が地方の判断で使える財源になるのだろうが、これも統治機構の改革になる。国がイチイチ使い道を指定するのは不合理なことであり、官僚の利権確保の悪しき手段でもある。

しかし、あの維新八策は遠大な題目で耳さわりはよかったが、場合によっては性質の悪い公約になるところだった。最近の新聞報道によると綱領のようなもっと現実的な内容に変えるという。当然だろう。スピード感、実行力を売りにする橋下さんにとって、実現に相当の年数をかける公約は不向きだ。

国政へ進出するために既存政党からの離党者を受け入れ、次期衆院選には350人候補者を立て過半数の議席を確保するという。移籍組の議員も名前も知らない人ばかりで、当初のうたい文句の「政権中枢で働ける人材」の方針はどうなったのか。比例区選出議員とか造反者の生き残りをかけた訳あり議員ばかりではないのか。

これでは維新の会のイメージが上がるわけがない。

そしてここに来て党運営上意見の相違が目立ってきた。国会議員団は国会で独自に判断すると言えば、橋下さんは「パフォーマンスに走るな」とけん制する。いろんな意見があってもよいが最後は自分が判断すると橋下さんは念押しした。

次期衆院選で、どのぐらいの議席を確保できるかわからないが、連立でのキャスチングボードを握った時には、主導権争いが勃発するだろう。

その時は一挙に分裂だろう。今の民主党の二の舞だ。

維新の会のブレーンの反乱は、維新の会にとっては痛い。エネルギー戦略会議で反原発の論陣を張っていたが、突如活動を停止したためにブレーンが怒ったらしい。反原発は各分野で反発が大きくなってきた。維新の会支持を取り付ける代わりの対策なのだろうか。

色んな要因が重なったため最近の日本維新の会の支持率は下降、人気に陰りが出てきた。メデイアの世論調査の比例投票先調査でも前回の2位から3位に下がった。讀賣新聞(2012.10.3)は消費税の地方税化など政策面での不安に加えて、大阪の執行部と国会議員団の不協和音が露呈したことが響いたのではないかと見ている。

そこで分かれたはずの「みんなの党」との歩み寄りの手段に出た。選挙でも東はみんなの党、西は日本維新の会と棲み分けをやって第3極を目指すという。憲法改正、公務員制度改革などで似通っているというのだ。

維新の会フィーバーが冷めてきたことは良い事だ。日本維新の会でなければダメなのは何か。実現性の低い質の悪い政策でなく、実現性を約束でき他の政党ではできない政策を訴えて支持を上げていくしかない。

それは日本再生に向けた統治機構の改革であり、維新の会ではまだはっきりしていないがデフレ脱却による経済再生である。

しかし、残念なことだが日本維新の会のHPがまだ構築されていないようだ。政策など最近の動きをまとめて見て見ようとネットで探したが見つからなかった。国民への政策課題のPRをどうするのか。大手メデイアの報道に頼るのか。

2012年10月7日日曜日

兎に角、臨時国会を開く事が野田総理、国会議員の責務では


兎に角、臨時国会を開き「政治を進める」のが野田総理、国会議員の責務ではないか。野党からの解散要求、田中法相の外国人政治献金疑惑での追及に怯えて国会が開けない民主党執行部、片や解散時期への言及と引き換えに国会審議に応じる姿勢を崩さない自民、公明党の国会外での駆け引きが続いている。

どちらを支持するかと聞かれれば、どちらも支持できない。

執行部同士のあいさつ回りの後、党首会談と国会外での駆け引きが続くが、民主党の標榜した「わかる政治」、「開かれた政治」とは180度違う政治が展開している。マニフェスト違反以上に国民を騙していることになる。

憲法の規定からも、野田総理は臨時国会の召集を決定しなければならないし、総理がしなければいづれかの議院の総議員の四分の一以上が要求し召集させることができるのだ(憲法第53条)。

どんな理由があれ、野田総理、国会議員は国会を開会する責務があるのだ。

駆け引きは止めて、国会で議論を尽くし、政府と国会の考えが違えば総理は解散権を行使すればいいし、野党は内閣不信任決議案を提出すればいいのだ。

国会を機能させるのが、今一番求められていることだ。

シーテックジャパン2012:スマートな暮らし、社会を提案すると言うが


6日の無料公開日に幕張メッセで開催されているシーテックジャパン2012に行って来た。先端技術はスマート化を目指し、スマートな暮らし、社会を提案するがこんな技術を実生活で誰が使うのか。先走りする技術と映ったが私たちの生活をどう変えて行くというのか。

センサーも相当発達している。タッチパネル方式が出たのは、ついこの間と思っていたがジェスチャー方式、目線方式も相当進んでいる感じで、握ると言う方式も可能になるそうだ。異業種でもデバイスを組み合わせれば、いろんな分野において先端技術でスマート化ができるようだ。

手の動きを感知するジェスチャー方式
手の動きを認識し、画面上のボタンを押すデモがされていた。見学者がやるとなかなかうまく行かないようでスタッフが実演していた。何か反応が遅い。昨年もジェスチャー方式の出展はあり、コントローラーに慣れない高齢者に便利だといううたい文句だったが、実用にはもっと時間がかかると思った。

ドコモでは、スマホを握っている力と場所を検知し「握る」ことにより操作できる技術を公開してた。Grip UIというらしい。電車のつり革や荷物が多くタッチパネルの操作がしづらい時に便利らしい。しかしそんな時でもスマホを使わなければならない日本人がかわいそうだ。

車のコックピットもいろんなセンサー
でスマート化が可能だ
次世代プレミアムコックピット
車のコックピットもセンサー満載の次世代プレミアムコックピットが開発されていた。動作予想センサー、視線認知、瞳孔検知センサー、ぺタルセンサー、シフトレバーを操作するハプテイックシフト、マルチモーダルコマンド、シート調整できるドライバーモニタリングセンサーから構成されている。誤操作なども防止できる優れものと思うが、運転手の意思に反する操作がされないかと心配にもなる。






SMART MOBILITY ZERO 広い範囲を安全に
コントロールされている 駐車も見事としか言いようがない

圧巻はSMART MOBILITY ZEROだ。相当広いブースを確保し車2台で、走行、駐車などが自動でできる。どんなセンサーが組み合わされているのかはわからなかったが、白線などを認識して運転するのだろう。駐車も場所の真ん中にうまく駐車している。人間でもこれほどにはできないはずだ。ライト、ウィンカーの使用もうまい。

米国でGPSなどを使い自動運転のデモをテレビで放映していたのを見たが、レポーターは「ハンドルから手を放しています」というだけが仕事だった。こんな時代になったらクルマ選びの基準は何になるのか。外観のカッコよさと居住性か。でも、ここまで来るとセンサーなしの自分で運転できる車を選ぶようになるのではないか。

インフォイールモーター搭載
4輪に組み込まれたモーターをコンピューター
で制御する次世代電気自動車だ
EV車では、フォイルの中にモーターを組み込んだインフォイルモーター搭載車が展示されていた。車の4輪のフォイル内にモーターがあり、それぞれをコンピューターで制御している電気自動車なのだ。そのために車体重量は軽く、車内も広くなる。機械的メカニズムを必要としないので異業種でも参入できるのだ。






パイオニアのサイバーナビ
フロントウィンドウの前の画面に情報が
表示される
ナビも進化している。パイオニアがフロントウィンドウに前方の風景に合わせたナビを売り出しているCYBER NAVIだ。私もこれは良いと思って今使っている車に搭載しようとしたが、工事費がナビの価格ぐらいかかるので諦めたことがある。積載適合車があるようだ。








シャープは太陽電池を建築用ガラス
にして自家発も出来るようにした
シースルーハウスを紹介していた
太陽電池の出展も見られたが、シャープがシースルー・スマートハウスを紹介していた。建築用のガラスのように使い、自家発を可能にする新しい太陽電池の構想だ。屋根、壁は今までも開発実用化されているが、ガラスとして利用できるようになる。








3Mの視認予測サービス
持てる男に変身できると思うのだが
視認予測システムも開発されサービスに供されていた。人間の目線がどこに行くかをチェックし、デザイン案の検討や効果の予測に役立つらしい。広告、パンフレット、チラシ、パッケージデザインをより目立たさす検証に役立つという。スタッフに「私が女性にもてるようにするにはどうしたらいいか検証できるか」と聞くと、スタッフは「それはできません」と返事を濁した。「システム的にはできるはずだ」と食い下がったが、本人の努力次第らしい。

地震対策として、書架から本が滑り落ちるのを防止するテープが展示されていた。テレビでも紹介されたことがあるので、興味を持っていたが実物を見て、完全とは言えない感じがした。スタッフに「震度7では物が飛ぶというが、それでは役立たないのではないか」と聞くと「震度6弱までの対応」という。震度6強、7では建物自体が壊れて対策のしようがないという。地震の専門家がそう言っているらしい。

触れる地球
最後にNECの「触れる地球」を紹介しよう。リアルタイムに雲の動き、地球温暖化、地震や津波、渡り鳥の移動などの情報を映し出すことができるインタラクテイブな触ることのできる地球儀だ。地球儀を手のひらで押さえて滑らすような動作で動くというのだが慣れないとうまく行かない。台風19号の動きもデモされていたが、4日前から1時間前まで表示できるのだ。気象予報士の森田さんや森さんはいらなくなる。地球温暖化に関連し世界の夜の明るさがわかるようになっている。システムの価格は別として面白そうだ。

3時間ほどの見学だったが、もう一度行けばより理解できる先端技術による「スマート化」の展示だった。新しい技術を組み込むことにより付加価値は上がるが、どんな人が利用するのか。私には縁遠い技術のような気がした。

各種の先端技術、センサー技術でスマート化し、社会が便利になるほど人間の能力が減退していかないかと心配になってきた。

2012年10月6日土曜日

総理の大権・解散権も国会を開かなければ使えない


解散権は総理大臣の大権(専権事項)だが、解散権は国会を開かなければ使えないし、「崖っぷち」に立たされた野田総理に大権を使うチャンスがあるのか。内閣不信任決議に向け野党はマジック5(民主党単独過半数割れまで5人)になり、これ以上の離党者出さないように民主党執行部は必死だ。

野党の自・公も3党合意に関連し野田総理から党首会談を要請されているが、「近いうち解散」の時期への言及を要求し、直ぐの実現は難しそうだ。

赤字国債発行のための特例公債法など重要法案が山積し、臨時国会の開催が急がれているが、解散要求や新たに出てきた田中法相の外国人献金問題もあり先送りの様相を呈してきた。

野田総理は、解散について「しかるべき時に、私が判断する」と言うが、「完全に崖っぷち」に立たされた総理で、解散権など行使できる力はないと思える。

岡田総理は記者会見で「解散は首相の大権。解散をはっきりしないと他のことは相談に応じないということは、全く受け入れられない論理だ」と解散時期の明示を拒み、野田総理を援護した(讀賣新聞2012.10.6)。

でも、総理の解散権は、国会と政府の意見が異なった時、内閣不信任決議案が提出された時に国民に民意を問うために与えられた総理の特権(専権事項)である。

大権という以上は、国会を開いて喧々諤々の議論を戦わせる必要があるが、今は国会外での駆け引きになっている。

野田総理は解散時期の明示ができないというが、国会を開くことは野田政権の義務ではないか。

野党も、まず国会を開くことを優先したらどうか。

やるべき仕事をやらずに、解散権云々など話にならない。国会を開いて、正々堂々と与野党が戦う姿勢がほしい。

市場ばかりでなく、国民も厳しい目で見ていることを認識すべきだ。